
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
筆者には長女と長男の二人の子供達が居り、長女には上に10歳の男の子、下に8歳になったばかりの女の子の二人兄妹が居る。
長男には2歳の女の子が居り筆者は3人の孫のじーじである。
長女は直ぐ近所に住んでおり、しょっちゅう皆でご飯を一緒に食べている。
昨年の暮れに長女がクリスマス・ディナーに呼んでくれ沢山シャンパンやワインを飲んで盛り上がっていた時にその頃7歳の孫娘が筆者の所に来て、"あのね、もしかしてT.ちゃん(自分の呼び名)世界中で一番じーじの事が好きかも知れない。"とぼそっと言った。
"ああ、そう、じーじ嬉しいなあ。でもどうしてもしかしてなの?"と訊いたら"だって他にも好きな人が一杯居るから、もしかしてと言ったんだよ。"と言う。
"ああ、そう?じーじが世界中で一番好きで、次は誰なの?"と訊いたら、順番にお兄ちゃん、お母さん、ばーば、そして最後にお父さんの名前を挙げた。
お父さんが最後なのは別に嫌いではなく、"お父さんは細かい事を言う。"ので最後にしたらしい。
笑ってしまう。
お兄ちゃんが好きで好きで堪らないらしく、約3週間前にお兄ちゃんが二泊三日で学校主催の"海の学校"に参加した時は、"T.ちゃん、二日間どうやって過ごしたらいいんだろう?"と寂しげにしていたらしい。
T.ちゃんとじーじは8月生まれで先日長女が合同誕生パーティーを開いてくれた。
6時集合だったのだが暇なじーじは早く行きたくて"5時頃に行くからゲームでもしよう。"と提案した。
昔はよくお兄ちゃんとオセロや将棋をやって遊んだものだ。
と言う訳で少し早めに行くと二人でT.ちゃんが誕生日祝いで貰ったぷるきゃら何とかのゲームに興じている。
あんなもの、何が面白いのかと思うが流行りものなんでしょうな?
こっちは手持無沙汰でしょうがない。
"ねえ、オセロか将棋でもしようよ。"とお兄ちゃんを誘うがゲームに夢中になって聞く耳を持たない。
"何だ、早く来るんじゃなかった。じーじ、つまんないよ。"と文句を言うと優しいお兄ちゃんは"じゃあ、一回だけね。"とオセロ盤を持って来た。
ちょっと大人げなく"一回じゃ詰まらないから二、三回はやろうよ。"と言ったが、"駄目、一回だけ。"とつれない。
またまた大人げなく、"もう今度から早く来るのは止めようっと。"と言ったらT.ちゃんが筆者の所につかつかと来てぴしゃりと言った、"じーじ、そんなこと言うと世界一好きじゃなくなってしまうから止めて。"
しまった、と思ったがああ言う言い方をしてはいけませんな。
反省...
筆者は二人兄弟の末っ子3歳上の兄が居るが、小さい頃は何時も喧嘩ばかりしていた。
長男は大体大人しくて次男は悪賢いと言うのが定番であるが、我が家でもそうだった。
喧嘩をしても怒られるのは何時も兄で、"ざまあみろ。"と思っていた。
ところが我が家の二人の子供達も余り喧嘩はしなかったし、長女の二人の子供達もすこぶる仲が良い。
恥ずかしながらこの孫達の兄妹愛を見るとほろりとするのは自分が歳を取った証拠なんだろうな。
このまま仲良しでいておくれ。
最後に余計な事を一言。
筆者は先週の遊楽・三昧でも書いた様に2001年に54歳で現役を退いてからは割合のんびりとして過ごし、60歳からは正々堂々と年金を頂いている。
正々堂々と言った訳は、筆者は現役の頃割合沢山の社会保険料をお支払いした自負があるので年金を頂ける歳になったら"当然の権利として有り難く頂戴致します。"と思っているからである。
ところが現在我が国の年金制度は厳しい環境にあり、孫達はおろか子供達が65歳~70歳になる頃に期待している年金額が支給されるかどうか分からないと言うではないか?
じーじは今迄面白おかしく生きてきて余り悔いは無いが、"子供達や孫達の時代は大丈夫かいな?"とふと感じるのである。
どうか頑張っておくれ!

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
