
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
ゴールデン・ウィーク明けの7日と8日の両日、アメリカの友人に招かれてゴルファー垂涎の的であるアメリカ・ジョージア州・オーガスタに在るオーガスタ・ナショナル・クラブ(以下オーガスタ)でゴルフをプレーした。
先週の遊楽・三昧でもご紹介したがオーガスタでプレーするのは極めて難しいらしい。
アメリカに入国する際にイミグレーションで入国目的と滞在日数を聞かれたが、"Playing golf at Augusta National Golf Club."(オーガスタでゴルフをする為。)と言ったら"You've gotta kidding me !"(嘘だろ!)と驚き、"Good for you."(いいなあ。)と羨ましがられた。
オーガスタでプレーするには300名居ると言われているメンバーが必ず同伴しなくてはならなく、我々がプレーした時もコースはガラガラであった。
多くの友人から"沢山写真を撮ってきて。"と頼まれたが残念ながらコースで自分が撮影することはNGでキャディーに頼んで何枚かの写真を撮って貰った。
オーガスタに入るのも厳重でメンバーと一緒でなければ入れてくれない。
シカゴから来た友人はプライベート・ジェットで来て、我々(筆者とフロリダから来た友人)は彼が到着するまでオーガスタの手前の道で待機させられた。
Members only(メンバーズ オンリー)の看板が眩しい。
7日は先ずショート・コースと呼ばれるパー3のホールを9ホール回って、さて本番だ。
テレビでマスターズを観戦すると周りにぎっしりギャラリーが居てフェアウェイが物凄く狭く感じられるが、我々がプレーする時は周りに誰も居ないので凄く広々と感じられる。
アーメンコーナーと呼ばれる11番、12番、13番のみならず14番、15番までグリーンが受けていてキャディーが残り135ヤードと言うと、きっちり135ヤード打たなければならない。
140ヤードだと奥のバンカーに入ってしまい、130ヤードだともっと惨めでコロコロ転がり落ちて池に入ってしまう。
写真はNGで撮影出来なかったのでオーガスタ空港で撮影した11番ホールを紹介しよう。
見て極楽、プレーして地獄の綺麗ながら恐ろしいホールだ。
普通のゴルフ・コースではホールごとに"何番ホールで何ヤード。"との表示が有るが、オーガスタにはそれが無い。
キャディーに付いて行かないと迷子になってしまう。
キャディーと言えば二日間、40年もキャディーをやっているFreddieがずっと面倒を見てくれたが、まあこのおっさん南部訛りの英語を喋って彼の言っていることがさっぱり分からない。
何度も聞き直していたら友人が"心配するな、自分だって半分しか分かっていないよ。"と慰めてくれた。
プレーの後クラブ・ハウス内を案内して貰ったがタイガー・ウッズのロッカー(歴代優勝者にはロッカーが与えられる。)を見たり、例のグリーン・ジャケットが飾られていたのを見せて貰った。
食事はクラブのダイニングルームで頂いたが、此処では通話はおろか携帯電話を出してもいけない。
何時もの癖でメールを見ようとしたらさっと給仕が来て友人に注意した。
何事かと思ったら"注意のレターを貰うのが嫌だから携帯電話をしまってね"。と友人にやんわり窘められた。
食事の後1万5千本をストックして全米随一と言われているワイン・セラーを見学したがまあ驚いた。
五大シャトーのワインがゴロゴロ置いてあった。
宿泊はクラブに隣接しているコテージでしたが、これが又凄い。
ベランダからコースを眺めることが出来てまあ贅沢な事!
驚いたのはクラブを出る時も"誰々のメンバーの紹介でプレーした誰々です。"と申告が必要な事。
ちょっと見難いが写真で見る様に屈強なガードマンに出入り口で誰何される。
ガードマンの足元に黒くて丸い物が見えるが普段はこれがせり上がっていて車の通行は出来ない。
流石セキュリティーは厳重であった。
あっと言う間のオーガスタでの二日間のプレーであったが、正直疲れた。
オーガスタはテレビで見るよりもずっとアップ・ダウンが激しく、1日凡そ3万歩も歩くと足がへなへなになる。
プロは4日間プレーするのだが凄いなと思った。
その後フロリダでゴルフを2ラウンドし、昨日の月曜日に帰国したが幸いにも帰りもビジネス・クラスのチケットが取れてラッキーだった。
行きは前日の朝までJAL.からの連絡が来なくてはらはらしたが今回も出発2日前の日本時間金曜日の朝4時過ぎにメールが来た。
何故何時も二日前の午前4時なのかは未だに分からない。
まあどうでも良いや、JALさん有り難う!

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
