
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先週の金曜日、池袋で87歳の男性が運転する車が暴走し、31歳のお母さんと3歳のお嬢さんが亡くなり、運転手を含む8人が重軽傷を負うと言う痛ましい事故が起きた。
過去にも度々高齢者が高速道路を逆走して事故を起こし、高齢者による運転に対して批判的な意見が聞かれていたがついにこの様な人身事故が起きてしまって残念で堪らない。
聞くところによるとこの運転手は事故後に家族に電話をして"アクセルが戻らず人を轢いてしまった。"と語ったと言うが、これは咄嗟に出た嘘であろう。
車はトヨタのプリウスであったがアクセルが戻らないと言うことは有り得ない。
これまでの警察の調べによると運転手は最初に左側の縁石に接触した後横断歩道に突っ込んで自転車の男性を撥ね、さらに減速せずに70メートル暴走してお母さんとお嬢さんを撥ねた後にごみ収集車にぶつかってようやく停止した。
ドライブレコーダーを分析したところ縁石に接触した後から全くハンドル操作をしておらず、ブレーキを踏んだ形跡も無いらしい。
これは筆者の推測でしかないが、恐らくこの男性は最初の接触事故を起こして動転しアクセルをそのままずっと踏みっ放しでごみ収集車にぶつかるまで放心状態だったのではなかろうか?
これは恐ろしい。
この事故を機に又"高齢者は早く免許証を返上しろ。"と言う意見が出てくるのだろうが、これは難しい問題ですな。
車が無ければちょっとした移動にも苦労する過疎地も有ろうし、そもそも免許証更新試験に受かった人からの免許証を取り上げる法律も無い。
一つのアイディアとして免許証更新試験をもっと難しくするのはどうであろうか?
恥ずかしながら筆者も昨年免許証更新試験を受ける前に、"高齢者講習"なるものを受けさせられ、その一つに教習所での実地試験が有った。
四人一組で交代で教習所のコースを走ったり車庫入れをするのだが、コースを右に行ったり左に行ったりとフラフラ運転をし、満足に車庫入れが出来ない御仁が居た。
"ああ、こんな人が事故を起こすんだな。"と思った。
残念ながら年を取ると共に動体視力は減退し、咄嗟の判断力も鈍る。
筆者は昔から車が好きでよくサーキットに行って高速運転を楽しんでいたが、ドイツのニュルブルクリンクサーキット(最近トヨタのコマーシャルに出てくる。)でちょっとした判断ミスで危うく死にかけ、きっぱりとサーキット走行は止め、即スポーツカーも売り払った。
高速で運転する時はすぐ目の前ではなくなるべく遠く(100メートルくらい先?)を見て後は勘で走るのだが、カーブでのコーナリングの時にクリッピング・ポイント(カーブを曲がる時の頂点)をちょっと間違えてもアンダー・ステアリング(車がカーブで外に膨れたがる傾向)になって、"おっとっと・・・"になってしまい、慌てて体制を整えようとすると又"おっとっと・・・"と悪循環を繰り返し、挙句の果てにガードレールに激突と言うことになる。
ニュルブルクリンクサーキットにはエスケープ・ゾーンと言う、車がコースを逸脱しても減速出来る様な場所が無い。
だから1年に50~60人も事故死する恐ろしいサーキットだ。
話が逸れたが免許証を取得するのに下の年齢制限(小型免許は満16歳で大型と普通免許は満18歳)が有る様に上にもある程度の年齢制限を付けることは止むを得まい。
この事故の後に高齢者に"自分の運転に自信が有りますか?"と質問したら凡そ75%の人が"自信ある。"と答えたそうだ。
危ない、危ない!
かく言う筆者も"相当運転に自信がある。"と思っているがニュルブルクリンクサーキットの件もあり、気を付けることにしよう。
この池袋の事故の後も日曜日に神戸でバスが暴走し此方でも2人が死亡して6人が怪我をする事故が起きた。
バスの運転手は事故後に自動車運転処罰法違反の疑いで現行犯逮捕されたが、池袋の事故の高齢者運転手は逮捕されずSNSで"運転手が元官僚で勲章も貰っているから警察は忖度して逮捕しないのか?"と批判が相次いでいるらしいが、別に警察は忖度している訳ではない。
警察はそんなに甘くはない。
この高齢運転手は自らも怪我をして入院し、自分の過失も認めて証拠隠滅の恐れも無いから警察は逮捕しないで任意の捜査をしているだけである。
恐らく退院後に直ぐに神戸のバス運転手同様に自動車運転処罰法違反の疑いで逮捕されることであろう。
さて来週から10連休となるゴールデン・ウィークが始まる。
何処に行っても混むから何処にも行かないで家でじっとしている積りである。
そして連休の最終日となる5月6日にシカゴ経由でオーガスタに出発する。
オーガスタに招待してくれた友人はシカゴに住んでいるのだが、先日罪作りなメールをくれた。
I will be departing Tuesday morning the 7th. I will fly down via NetJets. Takao, if you want to depart from Chicago, let me know; you are welcome to join me.
(私は7日の火曜日に発ちます。NetJets(プライベート・ジェット)で行く積りなのでTakao(筆者の事)、もしシカゴ経由で行く積りなら教えて下さい。一緒に行きましょう。)
はいはい、有り難いお申し出ですがToo late.(遅過ぎる。)ですよ!
既に成田-シカゴ-シャーロット-オーガスタ-オーランド(フロリダ)-シカゴ-成田のフライトを予約しており、シカゴ-シャーロット-オーガスタ間のフライトに乗らないとオーランド-シカゴ-成田の予約がパーになるのだ。
オーガスタ-オーランドは別途American Airlinesを予約している。
"早く言ってよ!"、喜んでプライベート・ジェットに乗ってあげたのに。
ところで年金生活者の筆者は贅沢は出来ないので海外旅行に行く時はアップグレード出来るエコノミー・クラスのチケットを買ってマイレージを使ってビジネス・クラスにアップグレードして貰う。
ところが最近の飛行機は小さくなってしまってビジネス・クラスの席数が少なくて直ぐにはアップグレードして貰えない。
昨年のシカゴ往復も行きも帰りも乗る二日前にやっとアップグレードしてくれた。
今回も未だ連絡が無い。
さて、ビジネス・クラスに乗れるか、それとも初めてエコノミー・クラスに乗る羽目に陥るか?
結果は次回の5月14日の遊楽三昧でオーガスタ紀行と共にお知らせします。

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
