
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
ゴルフの祭典、マスターズが終わり、タイガー・ウッズが1打差で14年ぶり5度目の大会制覇を果たした。
タイガー・ウッズは離婚や膝と腰の故障などで一時はまともなプレーも出来ず世界ランクも4桁台に沈み、殆んど忘れられていたのだが見事なカムバックを成し遂げた。
月曜日の殆どのアメリカの新聞の第一面には『Tiger is back.』(タイガーが帰って来た。)の文字が躍った。
実は来月、マスターズが開催されたジョージア州オーガスタに在るオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブに招待されているのだが、招待してくれた友人から『見たか、見たか?タイガーが帰って来たぞ!』と興奮気味のメールが入って来た。
勿論見ましたよ。
テレビで観戦された方はお分かりだと思うが、あのオーガスタのフェアウェイの狭さは半端ではない。プロの選手はその狭いフェアウェイのど真ん中に打ってくるのだから凄い。勿論それくらいの腕前が無ければマスターズでは勝てない。11番ホールから13番ホールは『アーメン・コーナー』と呼ばれ、文字通り「アーメン」と祈りながらボールを打つらしい。上手く行けば天国、失敗すると地獄行きとなる。
かつて中島常幸選手が13番ホールで13打叩いた事は今でも語り草になっている。
今回も最終日トップでスタートしたイタリアのモリナリ選手が12番と15番でクリーク(小さな川)に打ち込んでダブルボギーを叩いて自滅し、結局5位に後退した。
さて、もう既に『ゴルフは止めた。』と宣言している筆者はこの難コースをどう攻めるのか?オーガスタを始め所謂名門コースと呼ばれているコースは勿論物凄く難しいのだが、それは勝つ為に無理をしなくてはならないからである。
モリナリ選手がクリークに入れて自滅したが、これは同組で回っていたタイガー・ウッズの猛追を受けて無理をしてクリーク超えを狙って失敗したからである。もしも5打差位有ったら無理をしないで刻んでクリークには入れない。
我々の様な下手は最初から無理をしないで刻んでリスクを取らない様にすれば良い。
『もしナイス・ショット出来たら。』とか『もしクリークを超えられれば。』といった『タラレバ』は必ず失敗する。
普段中々ナイス・ショットが出ないのに、ここぞと言う時に出来る訳が無い。だから最初から謙虚に安全策を取れば良い。
目標はダブル・ボギー。パーより2打多い計算なのでパー72+2×18=108 だ。
さあて108以下で回れたらお慰み!

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
