
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
筆者の古い友人の一人にペンタゴン・チャートで有名な川口一晃氏(別名エルビス・川口氏)が居る。
どうしてエルビス・川口氏の異名を持つかと言うと、昔セミナーでご一緒した時に主催者が「川口さん、カラオケが上手だからセミナーの前にエルビス・プレスリーの曲を一曲歌って下さい。お客さん、大喜びしますよ。」と言ったら、本当にエルビス・プレスリーの衣装を着てセミナー会場に現れ一曲歌い、それ以来我々(と言ってもその主催者と筆者だけであるが)の間では『エルビス・川口氏』と呼ぶことになったのである。
因みに、本当に歌がお上手である。
ゴルフも上手い。
さぞかしカラオケ屋とゴルフ場にたんまり金を払って練習を積み重ねたのであろうか?
さて、そのエルビス川口氏であるが、最近得意のペンタゴン・チャートをもっと啓蒙する為に『THE PENTAGON』と言うプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトのLINEアカウントを追加してメールアドレスを登録すると毎日情報発信をしてくれる。
川口さんとは長い付き合いでありペンタゴン・チャートの事は良く知っていたが自分では利用したことは無かった。ここ4~5年川口さんとはアメジスト香港さん主催のセミナーで一緒に対談をすることがあり、その内容は殆どの時間は世界経済、為替などの真面目な話と、最後の方でお互いの趣味を話したりして極めてカジュアルの内容であったが、昨年の6月のセミナーの時に川口さんがペンタゴン・チャートについて今まで以上に熱く話したので興味を持って有料のメルマガを読むようになった。
筆者は47年に渡って為替に携わってきたがテクニカル分析には興味を持たなかった。所謂ファンダメンタルズ(経済的要因)、要人発言、市場の需給関係などの分析に重きを置いてきた。
ところが最近の為替市場はAI(人工知能)やアルゴリズムなどのシステムを使うトレード手法を駆使するファンド勢が幅を利かし、筆者が得意とする伝統的な分析は傾向として逆張り(相場動向に反してポジションを取る。)となり、中々勝てなくなった。相場が上がればポジションはショート(売り持ち)になっており、下がればロング(買い持ち)となるケースが多くなった。
AI(人工知能)やアルゴリズムなどは所謂順張り(相場動向に即して同じ方向のポジションを取る。相場が上がれば追随して買い上げ、相場が下がれば追随して売り下がる。)が基本で、相場が上がればポジションはロング(買い持ち)になっており、下がればショート(売り持ち)となるケースが多くなった。
其処で自分もテクニカル分析の重要さを認識し、その手始めとしてペンタゴン・チャートの勉強を始めたのである。テクニカル分析には、移動平均、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACD、ストキャスティクス、RSIなど、その手法は沢山有り一長一短である。
上の写真は筆者が参考にしているテクニカル分析であるが、あるインディケーターは買い(上向きの赤い矢印)を推奨し、あるインディケーターは売り(下向きの青い矢印)を推奨している。何れも共通するのは過去の相場の動きを分析し、将来の値動きを占うという事である。
此処でペンタゴン・チャートの登場であるが、黄金比率に基づいた五角形をチャートの中に描き、価格と時間の関係を一目でつかめるよう配慮されたテクニカル分析で、支持・抵抗のみならず、トレンドの有無や変化日の分析も容易となっている。細かい説明はLINEに登録してご自分で勉強されることをお勧めするが、実に面白い。
下はペンタゴン・チャートによる今週のドル・円の戦略であるが、
『上昇トレンドの上昇局面である。下落局面への転換価格(売りシグナル及びロスカット)は、終値で110円50銭を割り込むことである。』
とある。
ポジションは既に2月の第二週に@109.55でドルの買い持ちになっており、
『ドルは上昇トレンドです。現在のポジションをキープしなさい。ロスカット(損切り)は@110.50を下に切ったら行いなさい。』
と言うアドバイスである。現時点では約1円50銭の利益が出ており楽勝ですね。
為替には必勝法と言う物は無い。ペンタゴン・チャートも万能ではないかも知れない。
自分に一番合ったトレード手法を見付けてなるべく効率が良く、リスクの少ない取引を身に付けましょう。

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
