
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
皆さん、車をお持ちですよね?
そして恐らく殆どの方が純正のカーナビを付けておられると思うのだが、これが時々陳腐化して余り役に立たない事がある。筆者は現在スバルのWRX S4に乗っているが、これは約2年半前に買った新車である。当然純正のPanasonicのカーナビをオプションで購入した。
問題はこのカーナビの道路情報を管理しているハードディスクが少なくとも車が生産された3年以上前の物(もしかしてカーナビ本体その物は5年以上前に生産された物であるかも知れない。)であり、この3年間に新たに出来た道路の情報は無い。
数か月前であるが以前は湾岸線大井ジャンクションから1号羽田線に迂回出来た道路は今は無くなり、知らないでそれに乗ったら無理矢理渋谷まで行かされた。その他知らない間に出来たナントカ圏央道とかは全くデータに無い。
要するに高い金を払って手に入れたカーナビは『大して役に立たない』事がある。
ところが、先日ふとした事から大変重宝なナビゲーション・システムを発見した。しかもタダである。
それはYahooカーナビ。Apple Storeから直ぐにインストール出来る。これは優れもので最新の道路情報を基にしておすすめ、高速優先、一般道の三つのルートを教えてくれる。コンピューターが考える最適のルートを選びたければおすすめ、多少高速料金を払っても早く目的地に行きたければ高速優先、のんびりと行きたければ一般道を選べばいい。
例えば火曜日午前10時過ぎの時点で我が家から横浜・八景島シーパラダイスに行きたいと思えば『目的地を入力』に横浜・八景島シーパラダイスとインプットすれば良い。それによると『おすすめ』のルートで行くと約25分。
『高速優先』で行くと約17分。『一般優先』で行くと約33分。
便利でしょ?
それと色々いじっていたら面白い使い方が有るのを発見した。『運転力診断』とやらでこれをオンにしておくと目的地までの走行診断をしてくれるのだ。先週末、親しい方が主催する千葉でのゴルフコンペに参加し、その帰り道に面白がってこの診断を受けたのだが、採点は69点。自慢ではないが運転には多少自信がある。
5~6年前にドイツ、ニュルブルクリンク・サーキットで死ぬ目に遭って帰って直ぐにスポーツカーは売り飛ばし、無茶な運転は止めたが69点には納得行かないなあ。
採点状況を見ると、加速の安定性5点、減速の安定性は満点の20点、コーナリングの安定性はこれまた5点、ハンドリングの安定性は19点でこれも良し、そしてふらつき運転の安定性はこれも満点である。
なんだい、これはどう言う事なんだ?
総合アドバイスとやらを見ると、「あなたの運転は安定性が高く穏やかな運転です。しかし、加速時やカーブ走行時、右左折などに安定性が低下する傾向があるようです。運転にあたっては、周囲の交通状況に目を配り、余裕を持った運転を心掛けるとともに確実な安全確認を実施してください。」とある。
ははあ、成程な。
実は筆者は最近はむやみやたらにぶっ飛ばすことはせず、必要となったら(?)えいやとレーン・チェンジしてフルスロットル(アクセル・ペダルを床まで踏んで急加速する。)して追い越す。診断を見ると67回急加速をしている。
急減速はゼロ!
たまにはエンジン回転数を最高まで引き上げてやるのはエンジンにとっても必要な事だ。そうでないともたもたするエンジンになってしまうのだ。
だから総合アドバイスをもっと分かり易く言うと、「あなたは運転は上手です。でも時々急にレーンチェンジをして猛烈に加速する傾向が有ります。もう少し安全運転に努めて下さい。」であろう。
大きなお世話だ。
ところで皆さん、ブレーキングには2種類あるのをご存じだろうか?
一つは曲がる為のブレーキング。
そしてもう一つは止まる為のブレーキング。
曲がる為のブレーキング?
そうなんです。これはサーキットで走る時のテクニックなので普通の交差点などではちゃんとブレーキを踏んで減速し、左折なり右折をして下さい。
皆さん高速道路を走った後、インターチェンジンジで降りる時にかなり急カーブでアンダーステア(カーブの外側に膨らんでしまう。)になっておっとっととなった事はありませんか?カーブの途中でブレーキをそーっと踏んで下さい。ガツンと踏んでは駄目ですよ。
ブレーキをそーっと踏むことによって車が前荷重となり、アンダーステアになることなくすーっと曲がれます。
止まる為のブレーキングはもうガツンとやって構いません。昔免許を取る時に教習所で「ブレーキはガツンと踏んではいけません。可能ならばポンピング・ブレーキ(ブレーキを掛けたり戻したりする。)を心掛けましょう。」と習ったと思うが、あの頃はブレーキにABS(アンチロック・ブレーキシステム)装置が付いていなかったからです。
今は殆どの車にABSが装着してあり、ガツンとブレーキを踏んでもタイヤがロックしないできちんと真っ直ぐ止まるし、カーブの最中に急ブレーキを掛けても慌てずにステアリング操作をするときちんと曲がれます。
さあ、安全運転を心掛けましょう!
※ABS【Anti-lock Break System】
アンチロック・ブレーキシステム。急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、 車両の進行方向の安定性を保ち、また、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置。

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
