
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
先日、運転免許証更新の為に高齢者講習なる物を受けた事をご紹介したが、無事に更新が終わった。
> 酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」第145回 【高齢者講習】
どうやら随分長い間違反を犯していなかったらしく(自分では自覚は無かったが、そう言えば最近スピード違反で捕まってないな...)高齢者講習を受けた証明書と免許証を近所の所轄の警察署に持って行ったら直ぐに手続きをしてくれ、先日新しい免許証を受け取りに行ったら、何と免許証がゴールド免許になっている!
『優良』の文字もあるぞ!
何だか嬉しくなってしまった。
ん?
でもよく見ると交付平成30年8月10日で『眩いゴールド』の枠の中は平成34年9月8日になっているではないか?
あれ、免許証って有効期間は5年ではなかったっけ?
そこではたと気付いた。
そうか、71歳の誕生年に更新したから平成34年に75歳になってしまうので有効期間が4年で切られてしまうんだ!75歳になると高齢者講習を受講する前に『講習予備検査』の受検が必要で、この検査で記憶力や判断力を測定し、この検査を受けることで引き続き運転をしても問題無いかどうかが判断されると言う。
検査の内容は『時間の見当識問題』、『手掛かり再生問題』、『時計描画問題』の3つの問題で構成されており、『時間の見当識問題』では、『今年の西暦』、『現在の月』、『現在の時間』など検査を受けた時の年、月、曜日などの時間の認識について問題が出題され、現在の年月や時間、自分が今どこにいるのか、自分の置かれている状況を正確に認識しているかを調べるのだ。認知症の検査などでも実施されているテストらしい。
『手掛かり再生問題』では計16枚のイラストを記憶し、試験官の出題する問題を回答して記憶力の状態を確認することで、認知症の症状の代表ともいえる『物忘れ』があるかどうかを判断する。
『時計描画問題』では試験官が時刻を言い、その時刻の時計の絵を描くことを要求される。時計を正確に書けているかどうか、数字が足りているか、時計の針が時刻を正しく指しているかなどから認知症の可能性があるかどうかが判断されると言うが、何だか幼稚園の試験みたいだな。
71歳のじーさんが時計の絵を描いている姿は滑稽ではありますな・・・。
ところで書こうか、書くまいかと迷っていたのだが、矢張り書くとしよう。
差し障りがあると良くないので詳細は省くことにする。実は凡そ5年くらい前にスピード違反で覆面パトカーに停車を命じられた。ご存知の方も多かろうが白バイ、パトカー、覆面パトカーの何れにせよスピード違反で検挙する為には赤色灯を点けて違反車の後ろについてある一定の距離を同間隔で追尾してスピードを測定する必要がある。
テレビの『警察24時何とかかんとか』で時々違反車を追尾しているパトカーのお巡りさんが「122、124、122、122、はい122で測定。」と二人で確認しながらやっているあれである。
先ず赤色灯であるが、これを点けて初めて警察車両が緊急自動車となり、これでやっと堂々と違反車を追尾出来るのだ。(緊急自動車でさえ最高速度は時速80キロメートル、高速自動車国道の本線車道のうち、対面通行でない区間は時速100キロメートルであるのをご存知かな。)言い換えれば赤色灯を点けていなければ緊急自動車の制限速度は我々一般車と同じである。
次に同間隔での追尾であるが、巷では凡そ200~300メートルと言われている。
時速120キロで走っているとしよう。
300メートルの距離を追尾するには赤色灯を点けて何秒追尾しなくてはならないか?
時速120キロは、時速120,000メートル。
分速(120,000÷60)は2,000メートル。
秒速(2,000÷60)は33.33メートル。
300メートル÷33.33=9秒。
200メートルの距離を追尾するには赤色灯を点けて何秒追尾しなくてはならないか?
200メートル÷33.33=6秒。
ストップウォッチを見て、6秒を計ってみて下さい。結構長く感じるでしょ?そう、正しくスピード違反を検挙するには『少なくとも』6秒間追尾しなくてはならない筈である。
筆者は車の運転が好きであり、結構運転は上手いし慎重に運転していると思っている。高速道を走行中も常に後ろをよく見て運転している積りだ。で、今回停止を命じられた時もピカッと赤色灯が点いた途端にブレーキを踏んで減速した。(何キロから何キロまで減速したかは申し上げられない。)
「前の横浜ナンバーの白い車の運転手さん、少し先の路肩に止めて下さい。」とスピーカーで言われたので減速したまま暫く走って路肩に止めた。走っている最中は赤色灯がグルグル回っていた。免許証を持参して覆面パトカーの後部座席に座り、話が始まった。
運転席と助手席の間に在る丸いスピードメーターの様な物にある数字(Aとしよう。)が出ている。
「速度違反です。Aキロで計測しましたから〇キロ速度超過です。」
「確かに瞬間Aキロ位出していましたが、赤色灯が点いた途端に減速しその後は赤色灯が回っている間はBキロで走っていましたからBキロの筈です。」
ちょっと此処からの会話は上で言った様に差し障りがあるので省くとするが、結果的には無罪放免となった。お陰でゴールド免許を貰える事になった。
筆者と同じ様に話をしろと言う気は毛頭無いが、少なくとも状況をきちんと話せば警察官は話を聞いてくれる。お互いに納得すれば筆者の様に無罪放免となる事が有るかも知れない。
まあ皆さんはくれぐれも法定速度を超えて運転しない様にして下さい!!

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
