
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
正直言って野球の事は良く知らない。従って贔屓のチームも選手も居ない。
40年以上読売新聞を購読しているのだが、もう30年以上にもなるであろうか、ある日読売新聞の販売所のおじさんがニコニコしながら「横浜大洋ホエールズ(現在の横浜ベイスターズ)と読売ジャイアンツの観戦チケットを2枚差し上げます。坊ちゃんを連れて観に行かれませんか?」と親切に言う。
「あ、折角ですが私も息子も野球には興味有りませんので何方か他の方に差し上げて下さい。」と答えると「へーっ、ジャイアンツ戦のチケットを断られたのは初めてです。」とたまげていた。それ以来再度のお誘いは無い・・・。
正直言ってサッカーの事は良く知らない。従って贔屓のチームも選手も居ない。
以前住んでいたマンションの隣に横浜マリノスのラモン・メディナベージョ、1階下にグスタボ・サパタと言うアルゼンチン出身の選手が住んでいて時々言葉が通じない時に助けてあげていたので良く挨拶を交わす仲であったがメディナベージョは1994年ワールドカップにおけるアルゼンチン代表メンバーであり、またサパタも有名な選手だとはちっとも知らなかった。
二人が帰国した後サッカーファンの友人にその話をしたら「えーっ、サインを貰って欲しかったなあ!」と偉くがっかりしていた。だってそんなに凄い選手だって知らなかったんだもん・・・。
現在ロシアでサッカー・ワールドカップが開催されていることは知っている。先週、格上と言われているコロンビアに2対1で勝利したことは知っている。そんなに凄い事なのかは良く知らない。日本が勝ったからと言って夜中に渋谷交差点に大勢が集まって、知らない人同士がハイ・タッチしている光景は奇異に感じる。
昨日の早朝、格上と言われているセネガルと2対2で引き分けたことは知っている。そんなに凄い事なのかは良く知らない。多くの人にとっては週の初日の月曜日未明までテレビ観戦して日本を応援し、テレビの視聴率が30%を超えたと聞き、「へー、ご苦労様にも3人に1人が起きてテレビを観ていたんだ!」と感心した。
昨晩友人3人と食事をしたが何とその3人全員が起きて観戦していたそうな。「得点は鮮やかだったが、失点がお粗末だった。キーパーの・・・(名前は忘れた。)が弾いたのは最低だった。ポーランド戦に向かって課題だね。」と饒舌に説明してくれたが余りピンと来ない。
次の戦いはこれまた格上のポーランドが対戦相手と言うが、此処でふと疑問が湧いた。コロンビアは南米、セネガルはアフリカ、そしてポーランドはヨーロッパ。何で対戦相手が世界でバラバラなんだ?
普通だったらアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、そしてオセアニア各地で勝ち上がってきたチーム同士で戦うのが常識的な感じがするのだが・・・。抽選なのかなあ?まあ、どうでも良いか?
ところで先週の対コロンビア戦の後、日本のサポーターが会場のゴミ拾いを行ったことを英公共放送『BBC』が「サムライブルーのサポーターは、一度もこの良きマナーを欠いたことがない。」と報じ、国際大会で習慣化したこの行動を高く評価した。
これは素晴らしい行動であり賞賛に値すると思うが、同じ様なサポーターが渋谷で徒党を組んで騒ぎ、機動隊に規制されているニュースを見ると『どっちが本質を表しているんだろうか?』とふと考えてしまう。
別にゴミ拾いに対してケチを付けている訳ではないのだが、海外のメデイアにああも美化されるとこそばゆいと感じるのは天邪鬼の性(さが)か?
実はこの点についても昨晩友人と話したら、「まあどっちが本質を表しているかなんか考えなくても良いんじゃない。渋谷で騒ぐ若者がもしロシアのサッカー会場に居たら恐らく一緒になってゴミを拾うだろうし、サッカー会場でゴミを拾っていた若者が渋谷に居たらやはり騒ぎますよ。ファンの心理なんてそんなもんじゃない?」とあっさりと説明してくれ、納得した。
以上スポーツ音痴のじじーの独り言で御座いました。
何れにせよ、「頑張れサムライブルー!」

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
