
国内外の銀行で為替ディーラーとして活躍され、その華麗な取引手腕から「貴公子」と称された酒匂隆雄さん。為替ディーラーの第一人者の顔とは別に、レーシング、海外旅行、ワイン・グルメに温泉旅行と、様々な趣味をお持ちで、人生を楽しく過ごすことに関しても一流人です。
このコンテンツでは、楽しい話題や日々の生活、たまには為替マーケットについて語っていただきます。
10月31日はハロウィーンで、子供達が色々な格好をして「Trick or treat」(お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ)と言いながらご近所を回ってお菓子をおねだりする可愛いお祭りである。
我が家の孫達も、男の子はゲームのキャラクターのスプラトゥーンとやらの格好をし、女の子はカボチャの帽子を被り、同じくカボチャのスカートを穿いて黒いマントを羽織り、実に可愛い物であった。
子供達は可愛い!まあこの程度の仮装であれば大体何をやっても許される。『子供達は』である。
もし皆さんの中で似た様な事をおやりに成った方がいらっしゃれば申し訳ないが、大の大人が滑稽で奇抜な格好をして大騒ぎするのは本当に腹立たしい。渋谷の交差点で徒党を組んで交通を妨げたり、電車で奇声を上げて騒ぐのは、もう此れは犯罪と一緒だと思う。
ハロウィーン狂騒曲と呼んでもいいな。
Weblio辞書によると狂騒曲とは、『クラシック音楽で自由形式の曲を指す「狂想曲」にかけて、社会的な大騒ぎ、騒乱・狂乱といった意味で用いられる表現』とある。そう、騒乱・狂乱である。
昔は日本ではハロウィーンなんかで大騒ぎしなかった。誰かが紹介しておっちょこちょいの日本人とお調子者の外国人が乗って狂騒曲となった。実はスケールは違うがクリスマスやバレンタインデーなども同じだと思う。
クリスマスとはクリスチャンがイエス・キリストの誕生を祝うお祭りで、クリスチャンでもない日本人が大袈裟なプレゼントを交換して酔っぱらって大騒ぎをする日ではない。
バレンタインデーとは恋人たちの愛の誓いの日と言われて好きな人に花とか小さな贈り物をするらしいが、女性が男性にチョコレートを渡す日ではない。
あれは日本特有のもので、恐らく日本のチョコレート・メーカーの策略であろう。義理チョコとか言って会社の男性にチョコレートを誰彼となく渡し、男性はひと月後にホワイトデーとか何とか言ってお返しの物(チョコレート?マシュマロ?)を送ったり、食事にお誘いするなんて本当に馬鹿げているんじゃないかと思う。
筆者がある銀行の為替責任者であった頃にこの馬鹿げたイベントに対して禁止令を出したところ女性からは「義理チョコなんて本当に嫌でした。」とか男性からは「何時もお返しに頭を悩ませていました。」とか言われて本当に感謝された。
そう言えば、今はクールビズとかで夏はネクタイはおろか上着だって着ないが、あの頃(30年以上前)は銀行員は全員背広を着てネクタイを付けていた。銀行の為替ディーリングルームは熱を持つ機械が沢山入っていて夏は暑い。そこでお客さんに会う時以外はネクタイをしなくても良いと言うお触れを出したら、まあ大喜びされたものだ。
話が逸れたが、筆者は昔から結構リベラル(自由を重んじるさま。伝統や習慣にとらわれないさま。=大辞林)であったので御座います。
このリベラルな筆者でさえ、あのハロウィーンの狂騒は許し難い!
くどいのですが、子供達はいいんですよ、子供達は!
大の大人がみっともない格好をしてバカ騒ぎするんじゃないよ、お前の知能は子供並みかと言いたいだけである。(こんな事でガミガミ言うのは歳を取った証拠なんだろうな・・・)

酒匂隆雄 さこう・たかお
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
