HOME > 酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 > 新年明けましておめでとう御座います。|為替ランドスケープ 2021年1月号
新年明けましておめでとう御座います。|為替ランドスケープ 2021年1月号
公開日:2021年1月04日

新年明けましておめでとう御座います。

コロナに始まり、コロナに終わった2020年が終わり2021年の新年が始まった。

昨年の金融市場を振り返ってみると、年初は秋の米大統領選挙を控えて株価、為替相場も比較的穏やかに始まったが、3月に入ると新型コロナ・ウィルスの猛威により世界各地で急激な景気減速が顕著となり、日経平均は安値16,358.19、ダウ30種平均は18,213.65まで急落した。

為替市場においてはリスク・オフ(投資家がリスクを取る事を逡巡し、新規投資を控えて保有資産の圧縮を図る。)の動きが顕著となり、安全資産と目されるドルと円が買われてユーロ、ポンド、豪ドル等が対ドルで昨年の最安値(ドルの最高値)を付け、ドル・円相場は円買いがドル買いを凌駕して円の最高値(ドルの最安値)の101.17を付けると言う奇妙な動きが見られた。

一言で言えばコロナ・ショックでドルは円以外の主要通貨に対しては最高値を付け、円に対しては最安値を付けたことになる。

米連邦準備委員会(FRB.)はこの混乱に対して二度に渡って計1.5%の緊急利下げを行い、またQE.と呼ばれる量的緩和や各国中央銀行に対してドル資金の供給を行ったため、市場は急激に値を戻し始めて株価の反転上昇と共に今度はリスク・オン(投資家が積極的にリスクを取り、新規投資を図る。)の動きとなって安全資産と目されるドルと円が売られ、ドル・円相場は円売りがドル売りを凌駕してたった半月の内に戻し高値の111.71を付けることとなった。

(2020年ドル・円相場の日足ローソク足。)
※画像クリックで拡大します。

3月のコロナ・ショックの後トランプ大統領の再選に赤信号が灯り出して一気にバイデン候補の大規模財政出が脚光を浴びだし、米連邦準備委員会(FRB.)の積極果敢な金融緩和政策と相まって株価の騰勢が止まらず、リスク・オンの動きが続いてドルと円が売られる傾向が続き、株高と主要通貨高で年を終えることとなった。

主要指標の昨年の年初と年末の値を比べてみよう。

ドル・円ユーロ・ドル日経ダウナスダックJGB米債10年
1月 108.54 1.1171 23,204.86 28,868.80 9,092.19 -0.025% 1.877%
12月 103.29 1.2217 27,444.17 30,606.48 12,888.28 +0.020% 0.916%
-4.8% +9.4% +18.3% +6.0% +41.8% +0.045% -0.961%

(注:1月は為替相場、ダウ、米債10年は1月2日のニューヨーク市場の終値、日経、JGBは1月6日の東京市場の終値。
12月は日経、JGB.は12月30日の東京市場の終値、為替相場、ダウ、米債10年は12月31日のニューヨーク市場の終値。)

これらの値を見て、ふと感じること。

-財政支出拡大と金融緩和継続期待でナスダックの上げが尋常ではない。
-コロナ・ショックによるネガティブ、ポジティブな銘柄を有するダウの上昇は穏やかなものであった。
-ニューヨーク株式市場の好調につられて日経平均株価も18.3%上昇して30年来の高値を更新し、健闘している

此処からはドル安&円高の相場観を持っている筆者の感想である。

-ユーロ・ドルの上昇(ドルの下落)の9.4%に比べて、ドル・円の下落(円の上昇)の4.8%は相対的に小さい。
-米債利回りが0.961%下落し、JGB.のそれが0.045%上昇して10年の日米金利差が急激に縮まったにも拘わらず上述通り、ドル・円相場の下落が小さく見える。
(実は債券利回りの名目金利差の縮小だけでなく、インフレ期待率を引いた日米実質金利差も縮小している。)

先月の為替ランドスケープ12月号でご紹介した様に、今年の相場予想は圧倒的に株高とドル安を見る向きが多い。

財政支出で金が余り、中央銀行が緩和政策を続ければ株価が上がってドルが下がると読むのは難しくはない。

このシナリオが崩れる可能性のあるリスク要因も考えておく必要があるかも知れない。

それらのリスク・シナリオとしては、

-新型コロナ・ウィルスに対するワクチン開発に後遺症やアレルギーなどの思わぬブレーキが掛かる。
-昨年は膠着状態となった米中対立再燃。
-米ロ対立の顕在化。
-株価上昇と景気過熱に対する予防としてのFRB.による金融緩和期待の後退。
-米国長期金利上昇。
-米国によるドル高政策の放棄。

などが考えられようか?

2021年のドル・円相場は103円前後での静かな幕開けとなったが、早速1月5日には波乱の展開が予想される。

米大統領選挙はバイデン候補が当選を確実としたが上院の2議席が未だ確定せず、5日にジョージア州で行われる決戦投票で残り2議席を争う。

現在は共和党50議席、民主党48議席で現在共和党員が持つ残りの2議席が何方に行くかで共和党が過半数の50議席以上を獲得するかどうかの瀬戸際となっている。

もしこの2議席を民主党が獲得すれば下院は共和党50議席対民主党50議席のタイとなり、最後は民主党のハリス副大統領の採決に任されることとなって、下院も民主党が制して大統領、上下院全てが民主党となり所謂ブルー・ウェーブ(民主党一色)となる。

そうなれば増税案、財政支出拡大案など全て民主党の思い通りとなる可能性が高く、ウォール・ストリートはかなり緊張感を持って身構えていると聞く。

年末12月31日の最後の取引日にダウ、S&P.共に史上最高値を更新するなど株価の騰勢は止まらないが、思わぬ調整が起きる可能性については留意したい。

株価の調整が起きればドルが買い戻される場面も見られようが、その時はドル・ショートを増やす絶好の機会となるのではなかろうか?

基本的にはドルが上昇したら売りを増すという、Sell on rallies.の戦略を続けたい。



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄 さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

トレードトレードブログ:
酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」

  • はてなブックマーク
アンケートに答えて500円相当のビットコインをゲット!
トレトレ会員無料登録はこちら
第7回 ゴールデンアワー
500円相当ビットコインプレゼント
アンケートに答えて500円相当のビットコインをゲット!
カンボジア再大手、アクレダ銀行口座開設サポート
HSBC香港ラクラク口座開設キット
損保ジャパン日本興亜 新・海外旅行保険OFF!
CCM香港 海外法人設立Wキャンペーン
香港ポスト
マカオ新聞

▲ TOPへ戻る

スマホサイトを表示