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コロナショック|為替ランドスケープ 2020年4月号
公開日:2020年4月01日

コロナショック

先月の「為替ランドスケープ」で新型コロナウイルスを新たなリスク要因として捉え、リスクオフの動きに注意を促したが、このひと月で金融市場は大混乱となった。

3月31日現在で新型コロナウイルスの世界感染者数は80万人を超え、死者数も3万3千人へと激増したが、このウィルスが猛威を振るうにつれて金融市場は世界経済の大幅減速を懸念し、手元流動性確保の為に保有資産の売却と新規投資抑制に走り(所謂リスクオフの動き)、ダウ30種平均株価は一時2万ドルの大台を割り込み、金や原油価格などの商品も大幅に下落して大パニックとなった。

株価、商品価格の下落により約12兆ドル(約1400兆円)とも言われるマージンコールが発生し、マージンコールに充当する為の現金の確保=保有資産の売却=更なる価格の下落=更なるマージンコール発生の悪循環が続き、2008年に起きたリーマンショックを上回る金融大混乱となった。

正にコロナショックと呼んでもいい衝撃であった。(過去形で呼ぶには未だ早いかも知れない。『衝撃である』とすべきか?)

この動きに翻弄されたドル円相場は3月10日に安値101.19を付けた後急激に値を戻し、3月24日には戻り高値111.71を付けた後、今週になって107円台まで急落し落ち着きの無い動きを見せている。


<画像クリックで拡大します>

米連邦準備委員会(FRB)はこの混乱に対して二度に渡って計1.5%の緊急利下げを行い、またQEと呼ばれる量的緩和や各国中央銀行に対してドル資金の供給を行い、最悪期を脱したかに見えるが未だ予断は許さない。

FRBによる果敢な追加金融緩和策にも拘わらずダウ30種平均株価は3月31日の終値ベースで21,917.16ドルと2月12日に付けた高値29,551.42ドルから約26%安の水準で取引されている。
先週発表された21日終了週の米国新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比300万1000件増の328万3000件と、過去最多となった。
新型コロナ・ウイルスの感染拡大を抑えるための厳しい対策によって経済活動が急停止し、レイオフが急増した為だが、恐らくアメリカの失業者数はこれから益々増えていくことは間違いあるまい。

ところで今回のコロナショックでトランプ大統領再選に注意信号が灯りだしたかも知れない。
米国の大統領選挙での再選に向けた選挙期間中にリセッション(景気後退)に陥った例は過去2回あるが、どちらも現職が敗北している。
1度目は1980年で、イラン革命による原油価格の高騰で米国はリセッションに陥り、カーター大統領は再選されなかった。
2度目は1992年で、ジョージ・W・ブッシュ大統領(父)は湾岸戦争による景気減速で再選を妨げられた。

今回のコロナショックで米国がリセッションに陥る可能性が大だと思われるが、America first !を標榜していたトランプ大統領が再選されないと株価は下がり、ドルも下がるであろう。

こう見まわすとドルにとってネガティブな要因ばかりが目に付くが、実は我が国の状況も極めて厳しい。

日本経済は、2019年10-12月期GDP.(実質国内総生産)の前期比年率-7.1%に続き、2020年1-3月期GDPは新型コロナ・ウイルス、4-6月期GDPは東京オリンピック延期によるマイナス成長の連続が予想されており、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高まっている。

巷では東京都の封鎖(ロックダウン)が行われるかも知れないと言う風評が有る。
風評だけであって欲しいが、もし封鎖が行われればその経済的ダメージは相当なものになるであろう。
ロックダウンが実施されれば株価は当然下げるであろうが、ドル円相場がどうなるかが良く分からない。
日本株が下げれば円安と言うイメージが浮かぶが、リスクオフとなって円へのレパトリ(Repatriation.= 外貨資産を引き揚げて自国内での資産に移したり、自国通貨に換金したりすること.)が起きれば円高となる。

ドル円に関しては、暫くはドル安と円安の綱引きになるのであろうか?

筆者は50年近く為替取引に従事してきたが、今回のコロナショックの様な先の読めない、ボラティリティーの高い相場展開は初めてである。

上で『ドル円相場は3月10日に安値101.19を付けた後急激に値を戻し、3月24日には戻り高値111.71を付けた後、今週になって107円台まで急落し落ち着きの無い動きを見せている。』とご紹介したが101.19から111.71への10円52銭の上昇は昨年の安値104.44、高値112.22の年間値幅である7円96銭をたった2週間で更新したことになる。
そして高値からたった1週間で111.71から今週の安値107.13迄4円58銭も下げたのである。

小池東京都知事の言葉を借りれば、これらの動きは正に『異常事態』であり、下手をするとおおやけどをする。

上げ相場で買うも良し。
下げ相場で売るも良し。
そして『異常事態』の折は休むも良しなのである。

皆さんもどうか無理をしないで、この異常事態が収まるのを待って満を持して戦線復帰致しましょう。

コロナウイルスに感染しない様、くれぐれもご自愛下さい。

 



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄 さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

トレードトレードブログ:
酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」

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