HOME > 酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 > 為替ランドスケープ 2019年10月号
為替ランドスケープ 2019年10月号
公開日:2019年10月07日

今月から『為替ランドスケープ』と銘打って月初に当月のドル・円相場の個人的な見通しをご披露させて頂きます。

今回が初めてなので年初から先月までの動きを簡単にまとめました。

1月

東京市場が正月休みの中、3日早朝わずか数十分の内にドル・円相場は108円半ばから104.43まで急落し、フラッシュ・クラッシュ呼ばれた。

この背景にはアップルの売り上げが下方修正されて米国景気後退懸念が広がった為だが、当時シカゴIMMの投機筋が円・ショート10万2千枚(約118億ドル相当のドル・ロング)のポジションを保持しており、ドルの急落に伴って損切りを迫られ、売りが売りを呼んだ。

12月の高値113.81から実に約10円の下落となり、波乱の幕開けとなった。

2月

パウエルFRB議長が1月31日のFOMC後の記者会見でハト派的(金融緩和寄り)意見を述べて当面は利上げを見送ることを示唆し、これを好感して市場はリスク・オン(投資家がリスクを取り、新たな投資を試みる。傾向として安全通貨とされる円が売られる。)株価は上昇し、ドル円も111.50まで値を戻した。

3月

20日~21日のFOMCを控えて将来的な金融緩和観測が広がり株価は大きな動意が無い中ドル・円相場はじり安となって月初に付けた高値112.13から徐々に値を下げて安値109.70を付けた。

4月

労働市場を始め米国経済の底堅さを感じた市場はドルの買い戻しを行い、一時今年の最高値となる112.40を付けたが、FRBの緩和姿勢、4月12日に迫ったEU離脱前の欧州議会の混沌、そして米中貿易協議進展無しなどからドル下落の兆候が見られ始めた。

5月

米国政府が2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する追加関税率を従来の10%から25%へと引き上げると発表し、ドル・円は高値111.66から108.28まで下落。

米中貿易戦争の始まりと言っても良かろうか。

6月

パウエルFRB議長が講演で利下げも辞さないと述べ、株価は上昇したが2月と違って市場はリスク・オフ(投資家がリスクを取ることを嫌い、新規投資を控え、既存の投資を引き上げる。傾向として安全通貨とされる円が買われる。)となってドル円は108.79から106.77へとじり安となった。

7月

夏休みを控えて静かな展開となり ドル円は高値108.99、安値107.20の狭いレンジ内に留まった。
嵐の前の静けさか?

30~31日のFOMCで0.25%利下げ。

8月

トランプ大統領が中国からの輸入品の内これまでは制裁の対象外だった約3000億ドル分に9月1日から事実上第4弾制裁関税となる10%の制裁関税を課すと発表。

株化は急落、債券は急上昇(利回り低下)、ドル・円は109.31から今年の最安値に近い104.44まで急落。

米中関係悪化懸念が広がった。

9月

中国と経済関係の深いドイツ経済減速懸念が広がり、7月1.1370であったユーロ・ドルが大きく下落して9月には安値1.0885を示現した。

実に4.3%の下落である。

ユーロ安=ドル高であり、ドル円は月初105.73の安値から108.47まで上昇して現在に至る。

FOMCで2回目の利下げが行われたが市場は既に織り込み済みで、殆ど影響は無かった。

ドル円相場日足チャート

 

さて戻し基調のドル円相場は10月はどうなるであろうか?

上でも述べた様に円はリスク・オフとなった場合に買われる傾向が強く、そのリスク・オフ要因は数多く有る。

⁻益々混沌とする米中関係。
⁻相変わらずきな臭い中東情勢。
⁻韓国のGSOMIA破棄による朝鮮半島の地政学的リスク増大。
⁻弾劾問題に揺れるトランプ政権に対する不信。

同時にドルに対する需要も有る。

昨日も話題になったが我々の年金を運用する世界最大の機関投資家であるGPIF.=(年金積立金管理運用独立行政法人)や一般機関投資家はマイナス金利の我が国国債には投資出来ず、どうしても金利の高い例えば米国債券に投資せざるを得ない。

米国債券を買うにはドルが必要である。

言い換えればドルを買う必要が有る。

10月もリスク・オフによるドル売り&円買いの動きと、機関投資家などの実需によるドル買い&円売りの綱引きとなる可能性が有り、レンジとしては106.00~109.00と言ったところか?

リスク・オフとなる時は必ずニュースのヘッドラインが出て来る。

例えばトランプ大統領がツイッターで呟いたとか、北朝鮮がミサイルをぶっぱなしたとかである。

常にアンテナを広げ、ニュースに敏感になりましょう。



酒匂隆雄氏プロフィール

酒匂隆雄 さこう・たかお

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

トレードトレードブログ:
酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」

  • はてなブックマーク
500円相当ビットコインプレゼント
新型コロナウイルス抗体検査キット
Vegi&Fishお食事券
八木橋泰仁氏最新書籍「ビットコイン大破産時代の到来」プレゼント企画
アンケートに答えて500円相当のビットコインをゲット!
「これから始めるHSBC香港口座超入門書」2018年8月版
HSBC香港ラクラク口座開設キット
損保ジャパン日本興亜 新・海外旅行保険OFF!
CCM香港 海外法人設立Wキャンペーン
香港ポスト
マカオ新聞

▲ TOPへ戻る

スマホサイトを表示