
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
毎年11月に行われるマカオの一大モーターイベント「マカオグランプリ(GP)」。11月19~22日の4日間にわたり行われました。天候に恵まれ、日中の気温は連日28度まで上がったものの、決勝戦が行われた21日にはおよそ約27,000人、22日は約28,700人が観戦、期間中は8万人近くが熱戦に酔いしれました。世界初の「FIA(国際自動車連盟)GTワールドカップ」も加わった今回のマカオGP。その魅力に迫ります!
総勢200名のドライバー参加した今年のマカオGP。コースの特徴は公道であり、険しい山道を6.2キロ走ること。常設サーキットとは異なり、マカオの市街地に設営されるサーキットは一般公道のため、期間中の4日間は封鎖されます。選手たちはレース前に道路状態を確かめることはできないのです。
鈴鹿サーキットよりも長いコースですが、場合によっては道幅が7メートルしかないところもあり、クラッシュすると危険な場所もあります。1周を最速2分10秒で走り抜けるレースは、まさにスリリングで命がけです。
1954年から始まったマカオGPはオートバイ、WTTC世界ツーリングカー選手権)、F3(フォーミュラ3)の世界最高峰のレーサーたちが世界一を競い合うイベント。当時、ポルトガル植民地だったマカオでは、富裕層のためのいわゆる「草レース」から始まったものです。F3規格での国際レースが行われたのは1983年でした。
現在は15周コースですが、当初は40周。最初の年に優勝したのはアイルトン・セナ。歴代優勝者にはミハエル・シューマッハ(1990年)、デビット・クルサード(1991年)、ラルフ・シューマッハ(1995年)、そして佐藤琢磨(2001年)らが名を連ねます。
上位入賞しているドライバーがその後F1にステップアップ、世界的に大活躍する、まさにF1への登竜門。ちなみに1983年のF3が規格レースになって以来「YOKOHAMA TIRE(ヨコハマタイヤ)」がワンメイクサプライヤーを務めています。
ピットと呼ばれる、競技車両を整備するサーキット場の施設前のエリアは、前方に大型モニターが設置されている上に屋根がある、観客満員の人気エリアです。今年はピットからもレーシングカーを見ることができました。
間近でみるレース前の入念なエンジンチェックの様子や、クラッシュしたマシンを慌ただしくチェックしていく光景。観戦席からは感じられない何ともいえない緊張感がありました。
ピットではF3マカオグランプリに出場されたことがあり、1988、1999年の2年連続でF1チャンピオンにもなったフィンランド出身のミカ・ハッキネンさんにお会いすることができました!メルセデスAMGのブランドアンバサダーでもあるミカ・ハッキネンさん。マカオGP期間中、マカオ内のショッピングモール内でサイン会が行われるなど、今も根強い人気です。
レースクィーンたちが動くたびに多くのカメラマンが大移動!撮影ポジションの争奪戦が激しく撮影するのも一苦労でした。
今大会では28台が参戦したF3決勝戦。優勝したのは、ポールポジションからスタートしたフェリックス・ローゼンクビスト(SJMセオドールレーシングバイプレマパワーチーム)。予選レースでは2位だったのですが、1位だったアントニオ・ジョヴィナッツィ(カーリン)が予選レース開始直後の事故の原因を作ったため、20秒加算のペナルティが科せられ、繰り上がりました。
ローゼンクビスト選手はF3ヨーロッパシリーズで優勝しており、今回のマカオGPでは史上二人目となる2年連続の優勝でした。日本人ドライバーも大健闘。15位には山下健太選手(Tom's)、16位には関口雄飛選手(B-Max)、金丸悠選手(カーリン)が24位、高星明誠選手(B-Max)はクラッシュに巻き込まれ、修理したものの、マシンコンディションが悪く走行を断念しました。
いかがでしたでしょうか?動画を見た方はお分かりかと思いますが、とにかく音が大きいです!耳栓がないと耳がおかしくなるくらい、レーシングカーの音が大きいんです。
レースを初めてする人も、会場の雰囲気などを感じていくうちに、だんだんと面白くなってくるのがわかります。写真や動画ではわかりづらいと思いますので、来年のマカオグランプリは皆さんもぜひ観戦しにきてください!
香港のグルメやイベント情報は、私のブログ「彩り亜細亜地図」でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
