
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
前回に引き続きマカオ特集をお届けします!成田から片道4~5時間のフライトで行けるマカオ。香港からはジェットフェリーで1時間の場所にあります。カジノ色が濃いマカオではありますが、歴史的建造物の観光スポットも多くあります。近年では非ゲーミングエリアにも力をいれています。
後編は「マカオの観光スポット」を中心にご紹介。世界遺産が30か所あるマカオは歩いているだけで絵になる場所がいたるところに点在。しかもフォトジェニックな場所ばかり!マカオ名物「エッグタルト」や「ポルトガル料理」などを楽しみながら、西洋と東洋が混在するエキゾチックな街並み歩いてみるのはいかがですか?
※1香港ドル=14円計算
※1パタカ=13円計算
> 初心者でも楽しめる!マカオ最新情報(前編)はこちら
■目次
・東西文化が織りなす美しい建物!「30カ所あるユネスコ世界遺産」
・パステルカラーのコントラストが美しい!「セナド広場」
・代表的な世界遺産「聖ポール天主堂跡」
・世界遺産でなくとも一見の価値あり!「澳門博物館」
・マカオの眺望抜群!「大砲台(モンテの砦)」
・中庭でまったり一休み「ロバート・ホー・トン図書館」
・スペインの修道会によって創設「聖オーガスティン教会」
・聖フランシスコ・ザビエルの骨が納められている聖ヨセフ神学院と聖堂
・アジア初の西洋式劇場「ドン・ペドロ5世劇場」
・気分がアガル!「アズレージョ」の道案内
・マカオエッグタルト発祥の名店「Lord Stow's BAKERY」
・伝統的なポルトガル料理を楽しめる名店「Restaurante ESCADA」
およそ400年にわたって東西貿易の拠点として栄えてきたマカオ。1557年からポルトガルの植民地となり、東西の文化が織りなす文化が生まれました。ポルトガルの食・生活文化に大きく影響を受けているため、マカオの街並みはいたるところに美しいコロニアル様式の建築物を見ることができます。
2005年に世界文化遺産に登録された「マカオ歴史市街地区」は、8つの広場と22か所の歴史的建造物の合計30か所からなっており、街全体が歴史博物館のよう。マカオ自体大きくないので、1日かければ全て回れます。街を少し歩くとそこにはヨーロッパを感じさせる風景があり、さらに歩くと今度は中国語が書かれた中華料理の老舗にぶつかったり・・・。
西洋と東洋が混在するレトロでノスタルジックな風景は、歩いているだけでもワクワク!それがマカオなのです。今回は30か所すべては回れませんでしたが、その中でも特におススメの場所をご紹介しましょう。
30か所ある世界文化遺産のなかで多くの観光客が訪れる人気の観光スポット「セナド広場」。広場には1929年に建てられた郵便局や真っ白な建物が青空とのコントラストに映える「仁慈堂大楼」「民政総署」など歴史を感じさせる美しい建物がずらり。広場中央にはポルトガルの大航海時代を象徴する地球儀をモチーフにした噴水もあり、市民の憩いの場になっています。パステルカラーの多いマカオはまさにフォトジェニックな世界。
住所 |
Senado, Square, Macau > 周辺の地図はこちら |
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「マカオといえばここ!」とイメージする人も多いのではないでしょうか。セナド広場から徒歩10分の場所に位置するマカオの代表的な世界文化遺産「聖ポール天主堂跡」。多くの観光客が訪れる世界文化遺産スポットです。高さ25.5m、横23mのバロック様式の建物。どことなくアジアの雰囲気を漂わせています。
1582年に建設され、1601年の火災で焼失した後の1620年頃から再建されることになったのですが、日本では徳川家康が禁教令を公布した時代(1613年)と重なっていた事から、日本を追われたキリスト教徒がマカオへと難を逃れ、画工や彫刻工として現地の職人達と共にファサードの再建の一端を担ったとされています。そして、1835年の台風時の火災により再び焼失し、ファサードと68段の階段のみ残った現在の姿になりました。
「聖ポール天主堂跡」はマカオ、ポルトガルだけでなく当時の日本の芸術文化にも触れることができる貴重な建築物なのです。ちなみに年末には壁面に映像を投影する「プロジェクションマッピングショー」が行われるなど、歴史的建造物が地元のイベントで使われるのは、まさにマカオならでは!
名前 | Ruins of St. Paul's - 大三巴牌坊 |
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住所 |
Rua de S.Paulo, Macau > 周辺の地図はこちら |
備考 | 澳門文化遺産 |
マカオ博物館はマカオが中国に返還される前の1998年に設立、今年20周年を迎えました。建物は17世紀にたてられた「モンテの砦」のなかにあります(※モンテの砦に関しては次に紹介します)。館内は3フロアで分野、時代別に構成されています。
展示されているのはマカオとポルトガルのそれぞれの歴史から文明の商業活動を中心に、宗教、文化など、東西の異なる文化がマカオでどのように混じり合い、どのようにマカオで独自の文化が発展していったのかがわかる内容。それぞれの時代のはやりの服や当時の食生活なども展示されており、興味深い展示品ばかり。
私が取材したのは火曜日で、ちょうど無料で入館できました(※毎週火曜日と毎月15日が無料)。世界文化遺産や観光スポットに行く前に、まずはここを訪れ、マカオの歴史を知ることからスタートするといいかもしれませんね。
ちなみに博物館では4月18日から7月31日まで「Treasure from the Deep Sea - Exhibition of Underwater Archaeological Relics of the Nanhai No. 1」が開催中。これは広東省沖に沈んだ南海1号に積まれていた数々の財宝の展示会です。期間限定公開ですので、貴重なこの機会にぜひ。
焼きたての甘い香りがたまらない、トロトロのエッグタルト。「Lord Stow's BAKERY」は日本にも店舗がありますが、やっぱりマカオに来たら一度は訪れたい。パリパリのパイ生地にしっとりクリーム。甘味が抑えられているのでとても食べやすいです(1個10パタカ:約130円)。
マカオや香港などで代表的なスイーツの「エッグタルト」ですが、実はポルトガルで生まれたもの。エッグタルトは1980年代にイギリス人、アンドリュー・W・ストウ氏がイギリスのタルトの要素を加えて新たに作ったものを、マカオで売り出したのが始まりです。
訪れたのはマカオ中心街にある「ザ・ヴェネチアン・マカオ」内の店舗と、コロアン島にあるカフェが併設されている店舗と2店舗です。ともに、その場でアツアツのエッグタルトをゆっくりと食べるスペースが充実しているのも嬉しい。
名前 |
Lord Stow's Bakery & Cafe - 安徳魯餅店及珈琲店 ※ザ・ヴェネチアン・マカオ内 |
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場所 |
Unit 2119a, Level 3, Shoppes Grand Canal, Venetian Macao > 周辺の地図はこちら |
営業時間 |
日~木:10:00~23:00 金・土:10:00~24:00 ※無休 |
電話番号 | +853-2886-6889 |
備考 |
公式サイト THE VENETIAN MACAU |
最初にご紹介した世界文化遺産のひとつ「セナド広場」から徒歩10分圏内にある名店「Restaurante ESCADA」。伝統的なポルトガル料理をお手ごろな値段で、しかも本格的な味を提供。中に入ると1階と2階があります。私はちょうど正午前後に入りましたが、すでに満席状態でした。メニューは日本語もあるうえ、写真もこのように大きくとても分かりやすい!初の観光旅行でも安心して行くことができるレストランです。オーダーしたのは特にお店の人気メニューという4品。
「ポテト入りチョリソーのスープ(萄國薯茸青菜湯)」
50パタカ(約650円)
「あさりのレモンとガーリックソース(檸檬炒蜆)」
148パタカ(約1,930円)
ピリッとスパイスがきいた「イワシのスパイシーソース(香辣沙甸魚)」
98パタカ(約1,280円)
そしてポルトガル料理といえばこれ!肉と出汁で炊いたご飯にポルトガルソーセージが入った香ばしいご飯「ダックライス(葡式焗鴨飯)」178パタカ(約2,320円)。
旨味とコクがしっかりあり、どれもおいしくいただきました。大人気店なのでランチ、ディナーともに予約は必須です。
今回の世界文化遺産スポット巡りは香港に移住した当初に行ったきりで、久々に訪れました。カジノ色が濃いと思われがちなマカオですが、エリアが変わると印象がまったく変わり古く長い歴史が刻まれているノスタルジックな場所なんだと改めて実感しました。
ちなみに今回の移動はタクシーが多かったのですが、初乗りは19パタカ(約250円)と利用しやすい料金。車内は清潔でクーラーがかかりすぎていることもなく、割と快適に過ごすことができましたのでお勧めです。言葉に自信がなければ漢字でかいたものをドライバーに見せるといいかもしれません。
次回は深圳IT産業特集です。目まぐるしい成長を遂げている深圳の今の様子を取材してきました。どうぞお楽しみに。
