

公開日:2016年6月8日
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
香港グルメ特集第2弾「オシャレな点心を楽しもう!」をお届けします。今回はラグジュアリーな空間で食べる点心、また中華とフレンチを融合した、ちょっとオシャレな点心をご紹介。週末の弾丸旅や夏休みに香港への旅行を考えている方は必見!きっと新しい点心の味に出会えます。

広東料理レストラン「隆濤院」 (Loong Toh Yuen)は尖沙咀のど真ん中にある観光スポットとして有名な「1881Heritage」の中にあります。まずはこの施設をご紹介します。「1881 Heritage」という建物は、1884年から1996年まで「香港警隊前水警総部」(水上警察署)として使用されていました。
イギリス植民地時代の名残を残すコロニアル建築で、建築物文化遺産に認定されています。現在はスイートルーム10室のみという超高級ホテル「Hullet House」をはじめ、高級ブティックショップ、ジュエリーショップ、レストランなどが入った複合施設。終日観光客が絶えない人気スポットです。特にライトアップされるナイトタイムはうっとりするほどの美しさです。
3年前にオープンして常に多くの観光客や地元人たちのリピートが絶えない広東料理レストラン「隆濤院」 (Loong Toh Yuen)。オーセンティックな空間はまるで時間が止まったかのようです。ここで楽しめる点心はビュッフェスタイル(食べ放題)の点心ランチとアラカルトの2種類。平日なら208ドル(週末・祝日は248香港ドル:約3500円)。平日が断然おススメのレストランです。
オープン当初から点心のヘッドシェフを務めている呉さんによると、観光客と地元の人が半々だそうですが「圧倒的に日本人のリピーターが多い」のだそう。毎月メニューの入れ替えをしており、いつ来ても楽しめるように工夫されています。今回は特に観光客に大人気の点心を呉さんに選んでいただきました。
蟹籽鮮蝦燒賣: 68香港ドル(約950円)
Steamed Pork Dumpling with Shrimp and Crab Roe
蒸し蝦の上に大粒の蟹卵。北海道産の蟹卵を贅沢に使った一品。ほんのり塩味がきいていてタレにつけずに美味しく食べられます。口のなかでプチプチと鳴る食感がたまらない。

珍寶香檳蝦餃: 68香港ドル(約950円)
Steamed Rose Champagne Flavored Shrimp Dumpling with Bamboo Shoot
ロゼシャンパンで皮がうっすらピンクの蝦餃(ハーガウ)です。口にいれるとふんわりシャンパンの味が広がります。見た目も食感も素晴らしく、オーダー必須メニューです。

鮮蝦滑腸粉: 68香港ドル(約950円)
Steamed Rice Flour Roll with Fresh Shrimp
代表的な点心のひとつ叉焼入り腸粉。腸粉とは蒸してつくるライスヌードルの一種。筒状に丸められたなかに具材を詰め込むもので、形が豚などの腸に似ていることが由来。もっちりした腸粉に濃厚なソースをたっぷりかけていただきます。

蜜汁叉燒包: 38香港ドル(約530円)
Steamed Barbecued Pork Bun
叉焼パン。点心では欠かせないメニュー。ふわふわしっとりのパンのなかにぎっしりつまった叉焼。こちらも甘さ控えめなのでいくらでも食べられます。他店に比べてやや小ぶりに作られているのも、ちょっと嬉しい。

三文魚春卷: 48香港ドル(約670円)
Spring Roll with Salmon and Shrimp
濃厚な味わいのサーモンが入った春巻き。さすがサーモンが大人気の香港だけあって、こちらは定番の人気メニューだそう。パリパリッと音をたてていただく春巻きとほんのり塩味がついているサーモンのハーモニー。上品な味わいです。

皮蛋子薑蝦筒: 48香港ドル(約670円)
Shrimp Roll with Preserved Duck Egg and Young Ginger
蝦とピータンと生姜の揚げ物。生姜がなかに入っているのには驚きましたが、ピータンとの味わいがマッチした不思議な食感の点心。ピータンが得意じゃない私も美味しくいただきました。

香芒凍布丁: 48香港ドル(約670円)
Chilled Mango Pudding
定番マンゴープリン。果肉が大きく甘さが控えめなため満腹になってもいくらでも食べられるほどの美味しさ。


店舗名 | 隆濤院 Loong Toh Yuen |
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営業時間 | <月~金> ランチ:11:30~14:30 ディナー:18:00~23:30 <土日祝日> ランチ:11:00~13:00、13:15~15:00(2回制) ディナー:18:00~23:30 |
住所 | G/F, Hullett House, 1881 Heritage, 2A Canton Road, Tsim Sha Tsui, Hong Kong 最寄り駅:MTR尖沙咀駅 (地図はこちら) |
電話番号 | +852-3988-0107 |
備考 | <点心ビュッフェランチ> 月~金・・・大人208香港ドル(約3000円)、 子供138香港ドル(約2000円) 土日祝・・・大人248香港ドル(約3500円)、子供168香港ドル(約2400円) |

お店は骨董通りとしてお馴染みのハリウッドロードのすぐに下にある摩羅上街、通称「キャットストリート」にあります。キャットストリートは観光客の間でも人気のストリート。骨董品やレプリカなど様々な雑貨が売られていて、掘り出し物などを見つける楽しみがある場所です。
ハリウッドロードといえば香港最古の道教寺院「文武廟(Man Mo Temple)」がある場所で知られていますが、ここから一本おりるだけで、とても静かな場所になります。
「Man Mo Cafe」は2014年にオープンしたばかりのコンテンポラリー点心店。スイス出身のオーナーのニコラスさんは6年前に来港しました。レストランをオープンするまで様々なレストランでマネジャーとして携わってきたそうですが、「東洋と西洋が混在している香港で、これまでにないカタチの点心を作りたい」と一念発起、独立され「フレンチと中華の融合」というこれまでなかった点心専門のレストランを開きました。
シェフは点心で有名な鼎泰豐とロブションで腕を振るってきたシェフを起用。一度食べたら忘れられない美しく繊細な点心を楽しむことができます。取材時はランチタイム後でしたが、それでも続々と遅めのランチを取ろうと欧米系のお客さんたちが入ってきてはワインとともに点心を楽しむ人たち。お客さんに話を伺うと、点心はさることながら毎月変わるアーティストの作品を見ながらのお食事を楽しまれる方も。
絵をみながら点心を食べる新しいカタチの点心の楽しみ方を味わうには最高の場所です。ニコラスさんイチオシの点心を紹介していただきました!どれもこれもフレンチスタイルがしっかりと土台になっており、みごとな融合に感動の連続。
今回ご紹介するメニューの他にも、ロブスタービスクのヌードル、サーモンタルタルワンタンなど、中華店では味わう事ができないメニューがいっぱいです。ぜひお気に入りの点心の味を探してみてください!
Veggie Dumplings 2pieces: 48香港ドル(約670円)
モッツアレラチーズがとろ~りとでてくる野菜餃子。バジルソースをたっぷりかけていただくともはや点心であることを忘れてしまうくらい。

Raratouille 2pieces: 48香港ドル(約670円)
目に鮮やかな美しいトマト色の皮の蒸し餃子。中には濃厚でフレッシュなトマトにラタトゥイユがたっぷり入っています。こちらもバジルソースをかければ、口に入れた瞬間、もうイタリアンな気分に!

French Peking Duck 2pieces: 68香港ドル(約950円)
フレンチ北京ダックって?と思ったのですが、ごらんのように薄力粉で作った皮で包まれたもの。こんな色の北京ダッグの包みは見たことない!初めていただきました。本来の北京ダックとは異なりとても食べやすくジューシー。癖になりそうな美味しさです。

Mushrooms 2pieces: 48香港ドル(約670円)
様々な種類のマッシュルームの香りがふんわり。パルメザンクリームをたっぷりかけていただく濃厚かつオシャレな一品。

Truffle Brie 2pieces: 58香港ドル(約800円)
黒トリュフとカマンベールーチーズが入った焼き餃子。トリュフとチーズの絶妙なバランスが最高です。個人的にはこのメニューが一番のお気に入り。

Hong Kong Egg lemon Tart 1piece: 20香港ドル(約280円)
香港名物のエッグタルトとフランス生まれのレモンタルトを合わせたデザート。しっかりとしたメレンゲに爽やかなレモンの風味とサクサクのタルト。一見濃厚に見えますが、食後にさっぱりといただける一品です。


店舗名 | Man Mo Café |
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営業時間 | <火~土> 12:00~23:00 <日曜日> 12:00~17:00 ※定休日: 月曜日 |
住所 | 40 Upper Lascar Row, Sheung Wan, Hong Kong 最寄り駅:MTR上環駅 (地図はこちら) |
電話番号 | +852-2644-5644 |
いかがでしたでしょうか?一口に点心と言っても、ここまで進化を遂げている点心があったとは!取材するまで知らないことも多く、また点心の奥深さを感じました。
お店の人が皆共通して話していたのは「点心離れが進んでいる今、香港の食文化を守るために新たに作った」という点。香港に住んでいる私としては正直ピンとこないのですが、地元の友人にきくとやはり点心は好んで食べなくなったそうです。
多くの理由は、以前のように手軽な値段で食べられなくなったからです。経済の減速が著しい中、未だに物価の上昇が止まらず、いつのまにか点心は地元の人たちにとって手の届かないものとなってしまいました。
個人的には値段の高い凝った点心よりも昔のように気軽に食べられる安価な点心が街にあふれてこそ、広東風の食文化が守られるのではないかとも思います。
