
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
今回は香港から出てマカオへ行ってきました。香港・マカオ・中国本土の珠海市を結ぶ橋「港珠澳大橋」が2018年10月に開通して以降マカオへの行き方の選択肢が増えました。そこで今回は「乗り物対比シリーズ①」として、シャトルバスに乗っていく方法と、従来からある高速船「ターボジェット」と比較し、時間、料金がどう違うかを検証します。他にもマカオのホテル最新情報やスイーツ情報もあわせてご紹介します。
※1香港ドル=14円計算。
■目次
❏珠海、香港、マカオを繋ぐ「世界最長の橋りょう」が誕生
01 ―シャトルバス編―
❏空港から、街中から、気軽にマカオに行ける直通シャトルバス
1)香港国際空港からすぐ!香港口岸にある「シャトルバスターミナル」
2)九龍半島・佐敦から出ているシャトルバス「港澳1号(ONE BUS)」
3)西九龍のエレメンツから行けるシャトルバス「港澳快線」
❏街のど真ん中「佐敦(ジョーダン)」からマカオにGO!
❏香港口岸では出境手続きをするため一旦下車
02 ―高速船「ターボジェット」編―
❏香港から高速船に乗って60分でマカオに
❏「オクトパスカード」でラクラク乗船
マカオ最新情報(1)日本人パティシエがつくる"和のエッグタルト"が人気
マカオ最新情報(2)"世界初"外骨格型ホテル「Morpheus(モーフィアス)」が18年にオープン
香港・マカオ・中国本土の珠海市を結ぶ橋りょう「港珠澳大橋」が2018年10月24日に開通してはや半年。構想からおよそ25年かけて中国国家プロジェクトとして作られたもので、港珠澳大橋は香港新界離島区ランタオ島から広東省珠海市とマカオ花地瑪堂区までの全長55キロを海上橋と海底トンネルで結ぶ世界最長の橋りょうとなります。
2016年の開通を予定して工事を進めていたものの、香港側人工島建設の環境アセスメントをめぐる住民との裁判が起こり、香港側は着工が遅延。この代償は大きく、遅れによる建設費の高騰で建設総額は1,000億香港ドル(約1兆5,000億円)と言われています。
開通によって経済効果が大きく期待される点は、珠江対岸の広東省西部、ひいては中国西南部からの貨物を陸路で香港の港湾まで運び輸出することが可能となることです。また香港国際空港と直結するため、旅客は香港に入境しなくとも、陸路でそのままマカオや珠海に行けるようになります。
これまで香港~マカオ間の移動は高速船ターボジェットのみでしたが、昨年開通した「港珠澳大橋」により、シャトルバスが運行開始しました。香港国際空港から近い場所に位置する「香港口岸シャトルバスターミナル」や香港の中心街から出ているシャトルバスまであり、気軽にマカオに行くことができます。
港珠澳大橋のシャトルバスターミナルは、香港国際空港東側の「香港口岸」にあります。
香港国際空港から香港口岸までは、New Lantao Bus Route B4(新大嶼山巴士B4線)をご利用ください。
市街地から空港へ行く場合もバスがあり、香港口岸まで延長運行しているバスもありますので、それぞれのルートを確認してください。
ルート | 香港口岸~澳門口岸 |
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所要時間 |
約30分 24時間運行 ※ピーク時は5分間隔、通常は10~15分間隔、深夜は15~30分間隔で運行 |
チケット購入 予約方法 |
バスターミナル1F出発エリアカウンター 自動販売機で購入可能(オクトパスカード利用可能) |
料金 |
・午前6時~午後23時59分 65香港ドル ※12歳以下で身長120㎝以下の子供、65歳以上、身体障害者の特別料金は33香港ドル ・午前零時~午前5時59分 70香港ドル ※特別料金は35香港ドル |
備考 |
▶ シャトルバスターミナル公式サイト |
九龍半島・佐敦(ジョーダン)エリアが始発点で、マカオ側はサンズ・マカオ、ザ・ベネチアンマカオ、パリジャン・マカオに停車します。今回はこちらを利用しました。
■所要時間約2時間前後
公式サイト https://www.onebus.hk/en/
プリンスエドワードの上海街、西九龍のエレメンツから乗車し、マカオはギャラクシー・マカオ、グランドリスボアなど多くのホテルを経由。
■所要時間約2時間
公式サイト https://www.hkmoexpress.com/#/
今回利用したのは、今年3月から九龍半島・佐敦(ジョーダン)エリアに発着場所を移動した「港澳1号(ONE BUS)」。
香港を出たら停車するマカオのホテルの順序は次の通り
■サンズ・マカオ
■ザ・ベネチアンマカオ
■パリジャン・マカオ
※所要時間は約2時間


バス乗り場は、佐敦駅から改札口Aを出て徒歩5分圏内にある廣東道にあります。
バス乗り場前には、緑のバスがお出迎え!
チケット販売所はこちらになります。
住所 |
Shop B, G/F, The Lodge, 535 Canton Road, Jordan, Kowloon ▶ 周辺の地図はこちら |
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営業時間 | 月~日 午前8時30分~午後6時30分 |
電話 | +852-3703-3981 |
備考 |
▶ 公式サイト |
チケットの購入方法は、オンラインまたは窓口で直接購入。購入方法は画面に従いメールアドレスとパスワードを登録して、希望の行き先、日時を入力すれば購入完了。
支払い方法は、VISA、MasterCard 、We Chat Pay、ALIPAYが可能です。
オンライン購入の場合は、佐敦のチケット販売所にて、QRコードまたは予約番号を提示してチケットと交換してもらいます。この日担当してくださったスタッフは日本語ができる方でした。話を聞くと日本人観光客の利用も増えているそうです。尚、マカオ各ホテルにはチケット購入窓口を設置しています。詳細は公式サイトをご覧ください。
≪料金≫
午後6時まで:160香港ドル(約2,280円)※3歳以下60香港ドル・約855円
午後6時以降、または土日・祝日:180香港ドル(約2,560円)※3歳以下80香港ドル・約1,140円
香港発マカオ行きの運行時間は、午前9時~18時までで、ほぼ1時間ごとに出発しています(13時台のみ無し)。※こちらのバスは24時間運行していませんのでご注意ください。
今回は窓口で直接購入しましたが、朝一番の9時発のバスが完売で、10時に変更。購入した直後にまた10時台も売り切れてしまっていたので、窓口で購入するよりオンライン予約が安心です。出発20分前にはバスが乗り場に到着、チケットをスタッフに見せ、シールをもらい、中に入ることができます(全席自由席)。
※シールは、イミグレーションでいったん下車し、また乗車する際、誤って他のバスに乗らないための目印です。
―◆ワンポイント!◆―
一旦動き出したらトイレ休憩など一切なく次の目的地まで行きますので、お手洗いなどは先に済ませておくことをお勧めします。
直通シャトルバスは、そのまま乗っているだけではマカオには入れません。出発してしばらく走ると「港珠澳大橋」を渡る前に大橋の開通と同時にできた香港口岸に到着します。
ここでは荷物を全て持って一度バスを降りて、出境手続きを行う必要があり、手続きを終えたら、すぐにシャトルバス乗り場へ移動します。なお、マカオ入境カードを記載する必要はありません。
大橋は週末にも関わらず、ほとんど車が走行しておらず目立つ混雑はありませんでした。香港でよくみられるドライバーの"荒い運転"もなく最後まで快適に車内で過ごすことができました。
―◆ワンポイント◆―
香港口岸はとても広いので迷子になりがちですが、そんな時に役にたつのがチケットとともにもらう"シール"。乗客はカバンや服に着けているので、同じシールを付けている人についていくと安心です。
香港からマカオに行く場合は、香港国際空港、香港島の上環(ションワン)または九龍の尖沙咀(チムサーチョイ)にあるフェリーターミナルから噴射飛航(ターボジェット)に乗ります。上環にある港澳客輪埠頭(香港マカオフェリーターミナル)には、香港駅から歩道橋で繋がっているので雨天でも傘要らず。
マカオには、マカオとタイパの2カ所にフェリータミーナルがあるので、場所を間違えないよう行き先の確認をしましょう。香港からマカオまでの所要時間はおよそ1時間。運航時間は基本的に24時間です。ちなみにマカオ行きは7時から23時59分までは15分おきに運航され、タイパ行きは30分おきです。それ以外の時間帯は本数が減ります。座席はエコノミークラス、スーパークラス、プレミアグランドクラスの3つ。チケットは窓口、自販機、オンラインで購入のEチケットがあります。
平日と週末でも料金は変わり、7:00~17:00のデイタイムと、17:30~06:30のナイトタイムでも料金が変わります。また香港行きとマカオ行きでは料金も異なりますのでご注意ください。
料金例: 香港→マカオ エコノミー:160香港ドル~(約2,280円)
スーパークラス:335香港ドル~(約4,470円)
▶ ターボジェット公式サイト
▶ 過去記事
―◆ワンポイント◆―
中心地から行くシャトルバスのように、イミグレーションで一旦降りる、という手間はかからないので、スムーズに移動できるのは嬉しい点。ただし、天候によっては揺れが激しいこともありますので、船酔いが気になるという方は、シャトルバスでのんびり移動もいいかもしれません。
香港で利用されているICカード「オクトパス(八達通)」が昨年末からターボジェットで利用可能で、現在「乗り継ぎキャンペーン」を実施中。これは「ワン・タップ・トゥ・ボード・ウィズ・オクトパス(八達通一拍即登船)」というサービスで、香港島の上環、九龍の尖沙咀、新界の屯門の各フェリーターミナルにおいて、搭乗ゲートでオクトパスカードをタップすれば、空席のある最も出発時間の近い便に搭乗することができます。
乗り継ぎ割引キャンペーンは、香港からMTRを利用してフェリーターミナルへ行き、「ワン・タップ・トゥ・ボード・ウィズ・オクトパスサービス」を使ってマカオ行きのターボジェットを利用する乗客が対象です。ターボジェットの搭乗ゲートでオクトパスカードの残額から運賃を引き落とす際に自動的に割引される仕組みで、割引額は最大30香港ドル(約430円)。2019年末まで実施しています。
マカオに行ったら絶対食べたいのが「エッグタルト」。ポルトガル風エッグタルトはしっとりしたパイ生地の上に濃厚なカスタードクリームがのっています。甘さが控えめなので、一度食べるとやみつきになるおいしさ。以前にマカオ特集の記事で「Lord Stow's BAKERY」をご紹介しましたが、今回は昨年からじわじわと人気が高まっている日本人パティシエによる新しいテイストを楽しめるエッグタルトをご紹介しましょう!
場所はマカオ半島の中心部に建つカジノ付き大型リゾートホテル「グランドリスボア」にあるカフェ「ラウンド・ザ・クロック・コーヒーショップ」。2018年7月より新たな商品として「バニラ」「宇治抹茶」「柚子」「塩カラメル」の4つのフレーバーでバリエーション展開した「カルテット」シリーズを発表しました。
パティシエは、同ホテルのエグゼクティブ・パティスリー・シェフの村中徳仁さん。村中さんは日本やフランスの有名店で経験を積んでおり、繊細さとユーモア性に溢れたエッグタルトは、マカオ市民だけでなく世界から訪れる観光客もあいだでも人気が高まっている注目のスイーツ。
今回は「抹茶」をチョイスしました。京都の宇治抹茶を使用しており、抑えられた甘さと抹茶の苦みが絶妙なバランス。15MOP(約210円)で味わえるものとは思えないほど上品な風味。同カフェでは午前11時~午後8時、その日に焼き上げたものを限定販売しています。これまでとは一味違う和のテイストを感じるエッグタルト、一度お試しあれ。
昨年6月にマカオ南部に位置するコタイ地区にできたホテル「モーフィアス」は、「シティ・オブ・ドリームズ マカオ」内にあります。モーフィアスとは、ギリシア神話のなかに出てくる「夢の神・モーフィアス」に由来しているもので、ご覧のように斬新かつ独創的なデザインはいたるところに垣間見られます。
またこのホテルは"世界初"となる外骨格型ホテルとしても世界的にも注目されています。デザインは2016年に逝去した建築家ザハ・ハディッド氏によるもの。約1,208億円もの建設費をかけて造られた高さ160メートル、40階建てのホテル内には、約770室の客室、会議室やイベント施設、エンターテインメント施設、レストラン、カフェ、スパ、屋内プールが入っています。
まるで万華鏡のような美しいデザインの天井ガラスに日の光が差すと、様々な表情をみせてくれて飽きのこない空間設計。グランドフロアにあるレセプションの対面に入っているピエール・エルメ氏とのコラボレーションのによるショップラウンジのデザインも、この通り。他では味わえない近未来的かつ贅沢な空間がここにあります。
今回初めてシャトルバスに乗りましたが、時間さえ気にならなければのんびりマカオへ移動するのも"あり"だと思いました。とはいえ、シャトルバスでは2時間かかるところを高速船ならたったの60分というのはやっぱり魅力ではあります。
取材した帰りは悪天候のなか高速船を利用しましたが、船内はかなり揺れました。個人的には船酔いがやや気になるので、時間に余裕があればまたシャトルバスに乗ってマカオに行ってみたいと思いました。
