
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
香港に来るとき、特に気になるのはホテルの宿泊料ではないでしょうか。「香港は東京以上に高いんでしょ?」と聞かれますが、すべてのホテルがそうとは限りません。前回公開した「5万円の弾丸旅特集」(※前回の記事はこちら)では5000円前後のゲストハウスをご紹介しましたが、好評につき今回は「オシャレなのにリーズナブルなホテル」を2軒ご紹介します。
1泊5,000円~10,000円前後で休憩&宿泊可能な場所は、まだまだあります!
まずは、日本のカプセルホテルのようなオシャレなホテル「SLEEEP」をご紹介します。
2016年12月にオープンした香港初のカプセルホテル「SLEEEP」。ホテルは香港島の中環(セントラル)と上環(ションワン)の間。セントラルにあるSOHOエリアよりやや北側にあるNOHO(ノーホー)と呼ばれるエリアに位置します。
中環(セントラル)駅から徒歩20分、上環(ションワン)駅から10分ほどです。ホテルから「世界一長いエスカレーター」として知られるヒルサイド・エスカレーターへはおよそ400m、香港~マカオ間を結ぶ「香港マカオフェリーターミナル」へは600mほどで、最高の立地条件のカプセルホテルです。場所は石段の間の入り組んだ場所にあります。通過しそうになるのでご注意。
カプセルホテルといっても、とてもオシャレで落ち着いた空間。
中に入ると、黒を基調とした落ち着いた空間が広がります。香港の中心にあるとは思えないほどの静けさ。面積が367スクエアフィート(約34平米)ほどの空間には8つのベッドが置かれています。決して広いスペースではありませんが、不思議とそう感じさせないのがこのデザインの素晴らしさ。広く見せるよう収納庫などはすべて埋め込みにしています。
さらにコンシェルジュサービス、Wi-Fi、トイレ、床下暖房のはいったシャワールームが完備。シャワールームの脇には服や貴重品を掛けられるフックがあり、さらに濡れないように専用の防水カーテンがつけられているというきめ細やかさ。シャンプー、トリートメントなどもすべてオーガニック商品で揃えています。
各部屋はしっかりと厚めのフェルト生地で遮断、外に光が一切漏れないようになっており音も漏れにくい作り。室内のライトにもこだわりがあります。読書用の小さなライトと、天井についているライトはともに温かな色。天井のライトをオフにするときは、いきなり暗くなるのではなく、目にも優しくゆっくりと暗くなるように配慮しています。各ベッドにはエアコン調整ボタンがあるので、室温を自分なりに調整できるのもありがたいですね。
さらに睡眠だけでなく休息場所としても利用する人が多いSLEEEPならではの工夫も。枕、マットレスともに2種類から選択。オーガニックコットンを使用しており、わずかな時間の滞在でも十分に休息をとってもらえるよう徹底されています。
「皆さんには実際に居心地を確かめていただいてから選んでもらっていますね」と話すのはオーナーのJun Riverさん。部屋でもカプセルとはいえ一人一人がまるで自分の部屋のようにゆっくりと過ごせるようになっていますよ。
「気軽に誰もが安らげる空間と時間を提供したい」というコンセプトの下、生まれた「SLEEEP」。
ここのスタッフの皆さんはとてもフレンドリーで、気配り、目配りも完璧! リピーターが多いというのも頷けます。他にも宿泊(1泊599香港ドル~/約8,400円~)だけでなく、休息時間の利用が可能なことも魅力的。休息は、1、2、4、8、12時間の利用(1時間149香港ドル/日本円2,120円~)から選べます。賃貸料が高くなっている今の香港だからこそ、こうしたリーズナブルなホテルはとても貴重な存在。しかも中心街のど真ん中でこの値段で実現させたのにも、少しでも多くの人に高品質の環境のなかで気軽に安らぎと癒しを提供したいという思いから。
Junさんによると、宿泊者と(休息)利用者はちょうど半々位なのだそう。宿泊者は、欧米方面から来られる一人旅の人が多いそうですが、最も人気があるのは「休息2時間利用者」なんだとか。これはちょっと意外でした。
「オープンして気づいたことが、香港のビジネスマンたちもどこかでちょっとした休憩したい場所を求めていること。特に金融街で働く人たちは朝早くから動いています。ほんの数時間休めたら・・と思う人は多いはず。そんな声をいろいろと聞いてきたのなかでタイミングよくオープンさせました。まさに今の時代のニーズに合ったスタイルなんだと思います」(Junさん)
元々はJunさんが以前、東京・大阪に1年間滞在している間にカプセルホテルを体験したことからヒントを得て、香港でも作ろうという動きになったもの。
2014年から本格的に物件探しなどで動いていたそうですが、当時は経済的に上昇していた香港で空き家を探すのに時間がかかりました。いざ営業をしようと香港特区政府にホテル営業許可の申請をしようにも、カプセルホテル運営の前例がないため許可の取得にも時間がかかったのだそう。「色々と手間と時間をかけてようやくできあがったホテルなので、愛着はひとしおです。
カプセルホテルというと男性向けが多いのですが、女性の方にも気軽に泊まりにきていただきたいですね」。今後はさらに香港でも事業拡大し、将来的には香港から世界に発信していきたいと話されました。
これまでにない香港の新しい形のカプセルホテル「SLEEEP」。宿泊に、観光旅行や仕事のちょっとした合間に、利用してみてはいかがでしょうか。
名称 | SLEEEP |
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所在地 | 242 Queen's Road Central, Sheung Wan, Hong Kong |
電話番号 | 852-9604-6049 |
チェックイン / チェックアウト | 午後3時 / 午前11時 |
支払い | 現金またはクレジットカード(VISA、JCB、マスターカード、アメリカンエクスプレス、ダイナースクラブ) |
言語 | 英語・広東語・中国語 |
備考 | 公式サイト |
ホテルを探すときには観光にショッピングに利便性の良いところを探しがちですが、せっかく旅行で来た時くらいはゆっくり過ごす時間もほしいもの。そんな時にお勧めなのが「翠雅山房(Heritage Lodge/ヘリテージ・ロッジ)」。MTR美孚(Mei Foo)と荔枝角(Lai Chi Kok)の間の青山道沿いにあります。
地下鉄MTR美孚(Mei Foo)駅と荔枝角(Lai Chi Kok)の駅からはそれぞれ徒歩10分~15分圏内、香港国際空港からは25分ほどの場所に位置します。
(※無料シャトルバスあり。詳細は備考欄のリンクよりご確認ください。)
「翠雅山房(Heritage Lodge)」は「饒宗頤文化館(Jao Tsung-I Academy)」という施設の中にあります。この建物は元々は旧・茘枝角病院とその跡地。1920年初頭には、「茘枝角監獄」として使用され、1938年には茘枝角病院に。その後修復され2014年6月より複合商業施設としてオープンしました。
敷地面積は3万2000平方メートル強、大小異なる10棟以上の建物があり、これらは3級歴史建築に指定されています。同館は香港特区政府が進める歴史建築物再開発プロジェクトの一環として2億4000万ドルを投じて建てられ、施設内は上区、中区、下区の3つのエリアに分かれています。上区には89室を備える宿泊施設、中区にはミニシアターやミーティングルームなど多目的に利用できる食堂、下区には芸術館やレセプション、ギフトショップなどが置かれています。ちなみに文化館の名前の由来は「国学大師」と呼ばれる学者で書道家、画家でもある饒宗頤氏。御年99歳の今も現役で活動されています。
歴史的建造物を改装する再開発プロジェクトが進んでる香港。前回の記事で紹介したセントラルPMQと同様、新たな形に生まれ変わり今も尚、地元の人たちに親しまれている場所になっています。
小高い高台をのぼると、5棟のコテージ風のホテル「翠雅山房(Heritage Lodge)」が見えてきます。リフトや階段を使って登らないといけないので少々時間がかかりますが、ここからの眺望は最高! 中心街 の高層ビルの光景とはまた違った郊外の良さを感じられます。
小さなエントランスドアを開けると、そこはもうモダンチャイナの世界。室内はブラウンを基調とした重厚感ある作り。モダンな家具や絵が置かれており、シンプルで、落ち着いた空間が広がります。
全室89部屋(うち5部屋がスイート)、部屋はスタンダート(ツインまたはダブルベッド。3人利用時はエキストラベッド有(別途料金)500香港ドル~/約7,050円~)、フィーチャー(20~24スクエアフィート、ツインまたはダブルベッド。3人利用時はエキストラベッド有(別途料金)。700香港ドル~/約9,880円~)、スイートルーム(32スクエアフィート、ダブルベッド1000香港ドル~/約14,000円~)の3タイプ。
施設内は無料Wi-Fi完備、エアコン、衛星薄型テレビ、セーフティボックス、専用バスルーム(無料バスアメニティ付)が備わり、一部の部屋には冷蔵庫が付いています。
これから夏にかけては繁忙期に入るとはいえ平日はまだ空きがあるそうで、スタッフによると一番人気は「フィーチャー」タイプの部屋。日本人の観光客もリピーターは多いそうですが、最初に紹介したカプセルホテル「SLEEEP」同様、日常の生活から離れて癒されたい地元の人たちも宿泊に来る人も多いのだとか。
食事はつかないので、この施設内にあるレストラン「Yi's Kitchen 頤膳房」で、中華、西洋料理がともに楽しめます。
ブレックファースト(午前8時~10時30分)、ランチ(午前10時30分~午後3時)、ディナー(午後6時~10時)だけでなく、香港ならではのアフタヌーンティタイム(午後3時~6時)も楽しめます。
他にも施設内にはカフェ「Pacific Coffee」、中国茶専門店「樂茶軒」なども併設。窓から広がる山々の景色、鳥のさえずりが聞こえ、香港にいるとは思えないほどの静寂に包まれながら、ゆったりとした、とっておきの時間を過ごしてみませんか。
名称 | 翠雅山房(Heritage Lodge) |
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所在地 | 800 Castle Peak Road, Kowloon, Hong Kong |
電話番号 | 852-2100-2888 |
チェックイン / チェックアウト | 午後3時 / 正午(午後0時) |
支払い | 現金またはクレジットカード(VISA、マスターカード、アメリカンエクスプレス、ユニオンペイ) |
言語 | 英語・広東語・中国語 |
備考 |
無料シャトルバスあり(詳しくはこちら) 公式サイト |
今年6月にリリースされたMONDO GROSSOのニューアルバム「何度でも新しく生まれ変わる」に入っている「ラビリンス」。女優の満島ひかりさんが透明感のある美しい歌声にのせて繰り広がる"満島ひかりワールド"。独特の世界観が描かれたこのMVは瞬く間に話題に。
公開3日目にして100万回を突破するほどでした。「ラビリンス」のMVの舞台は香港。MVの最初のシーンで使われたのは、香港島の鰂魚涌(Quarry Bay)にある「益昌大厦」という場所です。
ご覧のように超密集地帯!
では行き方をご紹介しましょう。
ここはトラムで行くのをお勧めします。「柏架山道(Mount Parker Road)で下車するとすぐ目の前。セントラル方面を背にして向かって右側にある、アパートです。海山楼、海景楼と書いてある入り口が2か所あり、ここから中に入るとロケ地となった中庭にたどり着きます。MTRを利用する場合は、太古(Taikoo)駅B2出口を出て英皇道をセントラル方面に向かって歩きます。近くに見える歩道橋が目印。その手前にみえるアパートが「益昌大厦」。
訪れた日は悪天候だったのにも関わらず、香港の女子学生たちがいろいろなポーズをしてすでに撮影会が始まっていました。聞くと満島ひかりさんのファンで「ラビリンス」のMVを見て来てみたとのこと。地元の人に人気のある場所なんですね。
ローカル色たっぷり!香港ならではのド迫力満点のスポットに行くなら、ぜひこちらに。
名称 | 益昌大厦 |
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所在地 | 1046 King's Road, Tai Koo |
名称 | アパート中庭にあるタイ料理「泰小食」 |
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所在地 | G/F, 1048 King's Road, Tai Koo |
営業時間 | 11:00~00:00 |
支払い方法 | 現金のみ |
定休日 | なし |
電話番号 | 852-9016-3729/852- 5398-0311 |
NHK宇都宮放送局キャスター・ディレクターを経てフリーに。ラジオDJとして活動後2007年に中国に渡りアナウンサーとして大連電視台に勤務。現在はイベントなどのMC、企業トレーナー、執筆活動、番組コーディネーター、通訳と幅広く活躍中。
オフィシャルブログ「彩り亜細亜地図」では、香港のオシャレなお店や、見どころ満載の場所など、香港の耳寄りな情報を紹介。ブログに掲載されている専用フォームより司会や通訳などのお仕事の依頼を行うことができます。
