
皆さん、新年明けましておめでとうございます。楢橋里彩です。
今年も香港、マカオ、中国本土の最新情報をお伝えしていきます。どうぞ宜しくお願いいたします。今回は、まもなくやってくる「旧正月イベント」についてご紹介します。
今年の旧正月休みは1月25日~28日(香港のみ)。香港に住んでいると、旧正月が来るとようやく新しい年が明けたという実感がわくほど、街のなかは、赤やゴールドカラーに包まれ、いっそう煌びやかな時期が到来します。今年の旧正月は昨年6月からのデモ活動により、イベント内容が一部変更になっているものがありますので、香港の最新ニュース情報とともにご紹介します。
※1香港ドル=約14円計算
■目次
❏暖冬の香港、1月の気温&服装は?
❏今年の香港の旧正月は1月25日~28日まで
❏年の初めは「黄大仙」で参拝を
❏冬のファイナルセールも旧正月まで
❏ハーバーフロントで楽しめる期間限定の遊園地「The AIA Great European Carnival 2019」
❏花市(フラワーマーケット)、今年は物販屋台はなしに
❏毎年旧正月2日目に開催される「ビクトリア湾花火大会」、今年は?
❏最新情報をピックアップ!
⌊ 牛丼の「すき家」が旺角にオープン
⌊ 日本の店が続々香港進出
⌊ 日本政府観光局(JNTO)広州事務所が開設
⌊ クリスマスの本土からのツアー90%減
❏香港の2020年の経済動向は?
昨年はどの月も例年に比べて気温が高く、12月に入っても日中の気温が20度前後と暖冬となりました。1月に入っても大きな変化はなく日中の気温は18度~23度前後。温かな時期がしばらく続きそうですが、油断は禁物です。
例年1月~2月は日中の平均気温は10度~15度ですので、今後急に気温が落ちることがあります。雪は滅多に降りませんが、山間にはみぞれが降ることもごくたまにありますので、暖かな服装でお出かけください。
「香港彩り情報」で何度もお伝えしていますように、香港は暖房設備が整っていない場所が多く、特に公共施設(ホテル、レストラン、ショッピングモール、バス、地下鉄など)は、一年を通してクーラーが利いている場所が多いです。そのため室内のほうが外より寒いという場合もしばしばあります。観光スポット「山頂(ビクトリアピーク)」は特に風が強くて寒い日が多く、気温差がかなりありますので、香港にきて風邪をひいてしまった...ということがないようにしっかりと防寒対策をしておきましょう。
旧正月は1月25日(土)~28日(火)。土曜から始まるということもあり、旧正月4日目となる28日までを祝日にしています(本来は旧正月3日が休み)。
中国の春節の飾りつけは、赤、黄、ゴールドをメインとしたきらびやかなもの。日本のお正月飾り、門松・しめ縄のようなものに値する春節飾りが中国圏にもあります。その代表的なものは「福字」・「春聯(しゅんれん)」です。見たことがある人もいるかと思いますが、福字とはその名のとおり、"福"と大きく書かれた飾り物で、家の門や壁に貼ります。この福字は家によっては逆さまに貼ることが多いです。その理由は、「倒」と「到」の発音が同じことから、「倒福(福が逆さま)」=「到福(福が訪れる)」の意味を表すためです。
春聯は対句の一種で、家の門や入り口に貼ります。そこには新しい年を祝い、豊年を祈り、事業が栄え、人が健康であることを祈る言葉などが書かれています。この時期にしか見られない風物詩であり、ようやく新しい年の到来を感じさせる時期になります。
また、この時期によく挨拶で使われるのが「恭喜発財(ゴンフェイファッチョイ)」。意味は「お金が儲かりますように」。人に会うときには誰にでも気軽に「ゴンフェイファッチョイ!」と声をかけ合います。新年の挨拶の一つなので、ホテル、レストランなどでスタッフに一言発すると喜ばれますよ。香港で新年によく見かける言葉はこちら。
◆新年快楽(あけましておめでとうございます)-サンネンクアイラ
◆恭喜発財(財産が増えますように)-ゴンヘイファッチョイ
◆吉祥如意(物事が円滑に進みますように)-チィシャンルーイー
◆龍馬精神(竜馬のように勢いよく進みますように)-ロンマーチンシャン
香港各地には様々な寺院がありますが、旧正月に限らず一年中参拝客が訪れる道教寺院といえば「黄大仙(ウォンタイシン)」。年間300万人以上が訪れる黄大仙で、旧正月の参拝はぜひ押さえておきたいところ。
以前に「香港彩り情報」の取材でご紹介しましたが、個人的にも毎年この時期には訪れています。日本からだけでなく、世界中から参拝客が訪れ特にこの時期は賑わいますが、敷地内では今年の運勢、おみくじ鑑定などを占い師により占ってもらえる場所もあります。
過去記事では、日本語対応する占い師の方を取材しました。ぜひ参考にしてくださいね。
占い師の方によりますと、日本語対応可能な占い師のブースは特に旧正月期間は混むのだそう。日によっては数時間待ちなどになることもあるそうなので、ランチタイムは避けて朝早い時間などがいいそうです。行く前に確認されるといいかもしれません。
施設名 | 黄大仙(ウォンタイシン) |
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所在地 |
Won Tai Sin, Lung Cheung Rd., Kowloon ※MTR観塘線 黄大仙駅B2出口徒歩1分 ▶ 周辺の地図 |
営業時間 | 7:00~17:30 |
香港では年に2回、夏と冬に大きなセール時期がきます。夏のセールは6月~9月くらいまで、そして冬のセールは10月くらいから旧正月頃まで開催されます。旧正月時期のセールは、クリスマスや年末のセールよりさらに割引されることが多いためこの期間は見逃せません。
通常価格ではなかなか...と思うような高級ブランド商品がお値打ち価格で購入できるのも香港の旧正月期間のファイナルセールの魅力。お店やショッピングモールによっては、ファイナルセール期間が異なる場合がありますので、ショップの公式サイトなどを確認して行くことをお勧めします。
「The AIA Great European Carnival2019」が中環(セントラル)にあるハーバーフロントにて只今開催中。20年2月16日まで行われます。会場では、遊園地・サーカスなどの他にもジェットコースターや、絶叫系アトラクションなど満載!
ハーバーフロントに設置されているので、夜には目の前にみえる香港・九龍半島の夜景を見ながら過ごすこともできる場所として特に人気の高い遊園地です。この機会にご家族で、お友達と行かれてみてはいかがでしょうか。
2020年旧正月前に毎年開催される「花市(フラワーマーケット)」。今年は1月19日~25日に、香港各地15か所で7日間にわたり開催されます。
「花市」では、縁起の良いとされる桃やスイセンの花が最も人気があり、多くの人が購入します。スイセンは良い香りが幸せを運んでくると言われており、桃の花は、『良縁を運ぶ』といわれることからそれぞれ人気ある花なのだそう。会場では毎年テーマを決めて様々なイベントが開催されますので、花を買うだけでなく地元の「お祭り気分」を味わうことができます。
尚、今回の「花市」では、乾貨(物販)屋台は設けないこととなりました。特区政府食物環境衛生署のスポークスマンによりますと、例年、花市は人で混雑し、高齢者や子供も訪れる場であることを鑑み、昨年の社会状況を考慮したうえで屋台は設けないとしたとのこと。また公衆の安全と公共秩序を守るため、会場の面積を拡大し通路を広めにして混雑の緩和を図るということです。ちなみに、「花市」の最終日は、25日の明け方頃まで。旧正月初日が始まるギリギリまで行われ、遅くまで賑わうのも香港の「花市」ならでは。
2020年を迎える香港の「カウントダウン花火」は、今年は中止となりましたが、旧正月に毎年開催される「ビクトリア湾花火大会」に関しては、現段階では中止になるという情報は入っていません。但し、その時期の社会状況を考慮して中止される可能性もあります。
毎年旧正月の2日目(2020年は1月26日)の夜、20時から2万発以上の花火が約23分にわたって打ち上げられます。毎年50万人近い人たちが見物するので尖沙咀のプロムナード付近は大混雑しますが、当日は早い時間帯から交通規制がありますので、待ち合わせ、移動する際は十分に気を付けてください。万が一花火大会が中止になった場合は、オフィシャルフェイスブックやブログでお伝えします。
あわせて、観光局公式サイトなどでも確認ができます。
▶ 香港政府観光局公式サイト(日本語)
大手牛丼チェーン「すき家」は2019年12月12日、旺角エリアで1号店をオープンしました。運営するのは香港ZENSHO有限公司で、香港店も日本国内同様で24時間営業となります。すき家は1982年に創業、現在世界でおよそ200国・地域に2000店舗を展開。使用する食材を調達から加工、流通、店舗での販売までを一貫して自社で運営し、一貫した安全管理体制を構築、高品質のよいものを手軽な価格で実現させています。また食の安全や品質を徹底して管理するため、全店舗を直営で運営しています。
海外店は中国本土、タイ、マレーシア、台湾、ベトナムなどに続き、香港は初進出。旺角店はカウンター席、テーブル席を含め全42席。日本人スタッフも常駐します。
日本同様に、米はコシヒカリ、牛肉は主にアメリカ産使用し、牛丼のタレも日本と同じものを使用します。丼サイズはS、M、L、LLあり、牛丼(S25香港ドル(約350円)、M29香港ドル(約410円)、L39香港ドル(約550円)、LL45香港ドル(約630円))を中心に、香港限定メニューとして「コンビネーション丼」が登場。焼肉と焼き鳥のコンビネーション(M72香港ドル(約1000円)、L75香港ドル(約1050円))や牛丼と焼肉のコンビネーション(M58香港ドル(約815円)、L61香港ドル(約860円))などを提供します。
香港ZENSHO有限公司の西川洋司・総経理は「親日的で、日本にも観光で食の都なので庶民の舌もこえている ここで認めてもらえたら嬉しい。今後も様子をみながら香港発信の新たなメニューをつくってきたい」と話しました。
店舗名 | SUKIYA すき家 |
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所在地 |
G/F, 31 Argyle Road, Mongkok, KLN ※旺角駅C2出口から徒歩3分) ▶ 周辺の地図 |
営業時間 | 24時間 |
飲食業界は昨今大きな打撃を受けているものの、日本の飲食チェーンは香港市場に商機があるとみて最近も続々と香港に進出してきています。日本の有名ラーメン店AFURIは20年1月15日に尖沙咀にあるショッピングモール「The One」に香港店をオープンします。
香港店では日本と同じメニューを使用し、ラーメン、つけめん、丼もの、軽食などを提供。特にゆず塩のラーメンが看板メニューとなります。回転ずしチェーンの「Sushiro(スシロー)」は先に佐敦に旗艦店をオープンしたのに続き2号店の開設を発表。20年1月22日に黄埔新天地享膳坊にオープンします。飲食店のほかにも化粧品のTokyo Lifestyle「東京生活館」が9月に香港に上陸し尖沙咀に2店を開設。ドン・キホーテの香港店「驚安之殿堂」(DON DON DONKI)も7月と12月に尖沙咀と荃灣(チュンワン)にオープンしたばかりです。
日本政府観光局(JNTO)は、このほど22か所目となる広州事務所を中国・広東省に開設しました。今後、広東省のほか、湖南省、福建省、広西チワン族自治区を管轄します。
12月19日に開催された開設式には、中国側からは、文化和旅游部二級巡視員の張西龍氏、広東省人民政府外事弁公室副主任の羅軍氏、広東省文化和旅遊庁副庁長の張奕民氏らが、日本側からは在広州日本国総領事館総領事の石塚英樹氏、観光庁長官の田端浩氏らをはじめ、政府関係者、現地業界関係者などおよそ210名が参列しました。
当面は広州市内中心部の仮オフィスを拠点とし、航空会社、旅行会社およびメディアとの連携等、BtoBの取り組みを中心にプロモーション活動を行っていき、本オフィスへの移転後は、BtoC の取り組みや MICEの誘致活動等へと活動の幅を広げていきます。同事務所の中山友景所長は、「広東省は、広州、深セン2大都市を有し、全国トップレベルの経済水準を誇る、非常にポテンシャルのあるエリア。近年の大湾区開発や日中関係改善による航空便の増加などにより、訪日旅行市場拡大の機が熟したこの時期を捉え、訪日旅行客の増加を図りたい」と述べました。
(写真あり)
クリスマスに中国本土から香港に訪れたツアー客は90%減となったことが分かりました。入境處によると、12月21〜26日の間に香港に入境した旅行者は約62万人で、前年同期比53%減。旅遊業議會主席の黃進達氏はツアー客は約90%減で、わずか10〜20組に過ぎないことを明らかにしました。
2019年の香港経済は第3四半期に10年ぶりの景気後退入りとなり、特区政府は通年の実質域内総生産(GDP)伸び率をマイナス1.3%と予測されています。2009年以降で初めての通年マイナス成長となりました。ですが、経済活動が停滞した昨年のどん底からの回復によって今年のGDP伸び率は最高で1.7%に達するともみられています。
とはいえ、香港の観光、小売り、ホテル、飲食、航空の各業界は過去数カ月に受けた打撃が深刻で、住宅価格も昨年5月に比べて約5%下落したと指摘。短期的には経済が引き続き悪化するとの見方はあり、今年も社会的動揺のマイナス影響を受けやすいものの、特区政府の250億ドルに及ぶ支援措置が経済成長を支えることになると思われます。
こうしたなか、特区政府は19年12月29日に、来年1月に正式に新たな中小企業支援措施を実施することを明らかにしました。新措置では「中小企資援組」を設置してサービスを提供し、1月から同チームの職員が中小企業と直接面会し、それぞれの企業に適した資金調達スキームを検討します。また「BUD專項基金」「市場推廣基金」には新たな資金を注入し、1月20日から企業の累計資金援助上限を現在の200万ドルから400万ドルに引き上げ、初回支給額の比率を75%に引き上げます。
一方、IMFは香港の昨年の経済活動は顕著に低迷し第3四半期は技術的にリセッション入りしたことを踏まえ、通年GDP伸び率はマイナス1.2%と予測しています。ただし今年は個人消費の回復が下支えとなって通年GDP伸び率は1%に回復するとみており、「米中貿易摩擦と目下の香港社会の政治情勢から短中期の経済成長見通しは下振れ傾向があるものの、粤港澳大湾区の発展が中期的な成長見通しにプラス効果を与えられる」との見方を示しました。
経済成長が鈍化しているとはいえ、香港の金融市場は健全な強さを維持しており、長年にわたる慎重なマクロ経済政策が香港に大きな緩衝地を築いていることもあり、こうした試練に対応できると評価しています。
香港の治安については読者の方から多くの問い合わせをいただきますが、デモ活動は昨年に比べ落ち着いた様子を見せており、現場に近づいたりデモに参加しない限りは身の危険はありません。
また香港各地の高級ホテルなどが現在特別割引などを実施していることが多いため、"お得"という見方もありますが、いずれにせよ自己責任で判断して行動すれば問題ないと思います。
今後も香港、中国本土(主に華南地区)、マカオの最新情報をお伝えしていきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
