
みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
今回は「薬膳ドリンク・スープ」をピックアップ!香港では自宅で薬膳スープを作って飲む習慣があり、日常生活に欠かせないもの。様々な効用のある薬材がたっぷり入ったスープを飲むと日ごろの疲れも吹き飛びそう。今回は気軽に立ち寄れるお店から、お土産として重宝される薬膳スープパッケージまでご紹介します。
ところで、昨今のデモ活動により、香港旅行を躊躇される人も多いかと思います。9月下旬現在の香港の様子をお伝えしますと、主に週末に違法デモ活動が開催されていますが、デモ隊の活動範囲に近づかなければ問題ありません。一時的に駅が閉鎖され、多くの店舗が店じまいしますが、デモ隊のいる場所から離れれば基本的には安全で通常と変わりなく滞在できるとかと思います。香港の状況や最新ニュースは、ブログやオフィシャルフェイスブックでもお伝えしていきますので合わせてご覧ください。
※1香港ドル=約14円計算
■目次
❏秋~冬に食べられる「蛇スープ」はスタミナたっぷり
❏10種以上の"オーガニック薬膳スープ"が揃う、薬膳スープ専門店「燉(Stew)」
❏街中で気軽に買える薬膳スープ&ジュース「健康工房」
❏期間限定!老舗ホテル「六國酒店」で薬膳スープを含んだコースメニュー開催
❏漢方薬の相談もできるマッサージサロン「華夏保険(Vassar Healthcare)」
❏お土産にも便利な「薬膳スープパッケージ」
中秋節が過ぎ暦の上では秋。少しずつ夜風が気持ちよくなる涼しい季節がやってきました。特にこれからの季節に食べられるのが「蛇料理」。昔から高級食材として主に広東省、広西チワン族自治区、香港、マカオなどで食べられてきました。この時期の蛇は脂がのってて美味しいといわれます。
特に「蛇スープ」は、陳皮(乾燥させたみかんの皮は、風邪の症状改善やリラックス効果)や菊の花(肝臓や目の疲れに効果)が入っています。ぽかぽかと体が温まり、風邪予防としても食べる習慣のある香港では、この時期はマストです!
さて、ご紹介するのは香港島にある西營盤(サイインプン)周辺のお店。駅から近く、しかもお値打ち価格で「蛇セット」が食べられる「蛇王海」。
35年前に創業した同店は10席ほどのこぢんまりした店内。一時期店じまいしていましたが、今年9月に復活。蛇メニュー3品を楽しめる「皇悂セット」は9月7日からスタートしました。
同店では毎日8時間煮込んだキノコ類や木耳などとともに5種類の蛇肉がたっぷり入ったとろみあるスープ「五蛇羮」や、疲労回復などに効く漢方薬材の一種ヒカゲツルニンジンや蛇肉でしっかりと出汁をとった濃厚蛇出汁スープ「五蛇湯」、一度炒めて蒸して風味が広がる、キノコと腸詰めの炊き込みご飯「靚單腸糯米飯」のセットで88香港ドル(約1,200円)。
具だくさんのスープにはレモンの葉にサクサクの小麦粉でできた「薄脆」をパラパラとかけて食べるのが一般的な食べ方。
生臭くなく、さっぱりと食べられますし、小ぶりサイズなので女性も食べやすいセットメニューとなっています。持ち帰りも可能です。
施設名 | 蛇王海 |
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電話番号 | +852-2549-3326 |
所在地 |
G/F, 119 First Street, Sai Ying Pun, Western District > 周辺の地図 |
営業時間 | 11:00~23:00 |
備考 |
支払い方法:現金のみ 言語:広東語、標準中国語、英語 |
薬膳スープを専門に扱うレストラン「燉(Stew)」は、化学調味料不使用の薬膳スープの専門店。現在、香港各地に3店舗ありますが、このほど湾仔(ワンチャイ)ヘネシーロード沿いに9月16日に4店舗目がオープンしました。店内は100席近くあり、広々としています。
メニューは、花膠螺片燉雞(魚の浮き袋とタニシと鳥のスープ)など具がたっぷり入った薬膳スープ12種類をメインに、蟲草花肉肉餅蒸飯(冬虫夏草と豚肉ハンバーグの蒸しご飯・29香港ドル・約400円)といった、しっかり食べられるメニューも。
店イチオシのメニューの、高級食材である「魚の浮き袋」を使った「原隻燜冬菇花膠(シイタケと魚の浮き袋スープ・199香港ドル・約2,800円)、そして温かなデザートなど、豊富に揃っています。さらに飲み物は、豆乳(8香港ドル・約110円)や、清熱祛濕茶(熱と湿を取り除くお茶)など全6種類(20香港ドル・約280円)。
オーダーは厨房脇のカウンターで伝え、その場で支払います。番号を呼ばれたら取りに行く「フードコートスタイル」。
今回私が、オーダーしたのは、スタッフの方に勧められた「澳洲野生黑邊鮑魚燉雞(オーストラリアの野生黒淵アワビと鳥肉のスープ・78香港ドル・約1,100円)」。
スープは基本無味なので、塩コショウなど、好きなようにアレンジしてくださいとスタッフに言われましたが、実際にいただくと、そのままでも十分美味しく飲めました。
ほんのりとした甘みとコクがあり、最後まで調味料を使わずにいただきました。周りで飲んでいた方は皆さん、スープ以外にも食事をオーダーしており、さらに豆乳を飲んでいる人が圧倒的に多かったです。
香港の人は豆乳好き。コンビニでもスーパーでも豆乳は豊富な種類が売っています。もしかしたらお茶よりも豆乳を飲まれる人が多いかもしれないと思うくらいです。午後10時まで開いている薬膳スープ店は、食後に、小腹がすいたときに、夜食に重宝します。
施設名 | 燉(Stew) |
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電話番号 | +852-2886-4882 |
所在地 |
湾仔軒尼詩道303號華創大廈地下B1舖 > 周辺の地図 |
備考 |
支払い方法:現金 言語:英語、広東語、標準中国語 ▶公式Facebook |
薬膳スープとジュースを販売している代表的な店「健康工房」。現在、香港各地に20店舗構えており、その多くは地下鉄駅構内にあります。さっと買ってその場で食べたり飲んだりするイートインスペースを持つ店舗多く、気軽に立ち寄ることができるのが人気のポイント。自身も体調が優れないな...と感じたらとりあえずすぐに駆け込む、まさに日常的に利用している場所です。
店内では、旬の食材を使用した「ジュース」や「漢方茶」がおよそ20種類、「スープ」は10種類、また「精進饅頭」「焼売」などバラエティー豊かに取り揃えてあります。ほかにも、3タイプの亀ゼリー(45~60香港ドル)も販売されています。それぞれ、解毒作用や、内臓熱を取る、腸を整える、疲労、睡眠不足解消、免疫力を高める、血流の流れを良くするなど、様々な効果があり、期待できそう。ただし、亀ゼリーは漢方薬が入っているので食べすぎにはご注意を。
「ジュース」や「漢方茶」は種類が多いのでどれを選ぶか迷ってしまいますが、ペットボトルについているタグに効能が、英語と中国語で書いています。
中秋節が過ぎたとはいえ、まだまだ暑い香港。今、人気の飲み物をスタッフの方に伺うと、湿を取り除く「香荷冬瓜薏米露(冬瓜とハトムギのお茶)30香港ドル・約420円」と、精神安定、疲れを取り除く効果のある「舒肝玫瑰花薄荷露(バラとミントのお茶)30香港ドル・約420円」の2種類なのだそう。
今回私が買ったのは「香荷冬瓜薏米露(冬瓜とハトムギのお茶)」と「ごぼうと3種類のマッシュルーム入り精進饅頭(肉まんのようなもの)16香港ドル・約220円」の2点。
ジュースまたは漢方茶と「肉まん」または「焼売」を買うとセット価格で40香港ドルと、お得。
さて味の方はというと、飲み物はあっさりしてて甘みが抑えられて飲みやすく、精進饅頭は、味は思ったほど濃くなくごぼうのシャキシャキ感を感じる食べ応えある餡の量。饅頭の皮はもちもちで、美味しかったです。
これからの時期は季節の変わり目ということもあり、体調を崩しやすくなるので、ちょっと調子悪いな、と感じたらお店に入ってスタッフの方に相談することもできますし、症状を伝えて見合ったものを選んでもらうこともできます。
店舗の詳細については下記の公式サイトを参考にしてください。
湾仔にある老舗ホテル「六國酒店」の2階にある広東料理レストラン「粤軒(Canton Room)」では、9月16日からおよそ2か月にわたって秋の特別メニューコースとして「●然銷魂飯3.0套餐」を提供中。これは、周星馳(チャウ・シンチー)の映画『食神』に出てくる"究極のチャーシュー目玉焼き載せご飯"で、今回は工夫を重ねた最新版をバージョン3として提供。ファンにはたまらない一品となりそうですね。コースのなかには、薬膳スープも含まれています。
コースメニューは以下の通り。
◇19年香港国際食品賞「シルバー賞」を受賞した「虎爪金龍(金沙蝦頭拌陳皮椒絲大蝦)エビと陳皮のあえもの」
◇「羊肚菌螺頭燉鶏(クコの実、ナツメ、アミガサタケとタニシと鳥肉のスープ)」
(※アミガサタケは、医食同源の代表的な食材として知られています)
◇「●然銷魂飯 3.0(チャーシュー卵のせご飯)」
【●=黒へんに音】
◇「金腿▲瑰酥 / 大紅袍茶皇糕▼(金華ハムパイ/大紅袍ゼリー」
【▲=王へんに枚のつくり、▼=米へんに窯のつくり】
計4品で、338香港ドル(10%サービス料別途。2名から)。
ディナーのみ。
同レストランのエグゼクティブシェフ馬栄徳さんは「昔ながらの懐かしい味わいを楽しんでいただくととともに、モダンな創作料理も楽しんでいただきたい」と話しました。
期間限定メニューは11月20日まで開催中です。
施設名 | 粤軒(Canton Room) |
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電話番号 | +852-2866-3806 |
所在地 |
1/F, Luk Kwok Hotel, 72 Gloucester Road, Wan Chai > 周辺の地図 |
営業時間 |
【月~金】 ランチ 11:30~15:00 ディナー 18:00~23:00 【土・日・祝】 ランチ 10:30~15:00 ディナー 18:00~23:00 |
備考 |
支払い方法:Visa Master Cash AE UnionPay JCB Diners 言語:英語、広東語、標準中国語 |
中国医学の先生が開業したマッサージサロン「華夏保健(Vassar Healthcare)」。様々なマッサージを施すだけでなく、漢方薬を取り扱っている本格的なサロンとして知られています。
場所は湾仔駅A3出口目の前の荘士敦道(ジョンストンロード)徒歩10分圏内。隣接しているスーパーマーケット「Wellcome」が目印です。階段を上がる途中から、漢方独特の匂いが漂うサロンは、今年で創業16年です。平日から常連のお客さんが訪れるなど、賑わいを見せます。
主なメニューは以下の通り。
全身マッサージ |
45分 350香港ドル(約4,900円) 60分 440香港ドル(約6,200円) |
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リンパマッサージ |
60分 470香港ドル(約6,600円) 90分 630香港ドル(約8,800円) |
フットマッサージ |
45分 280香港ドル(約4,000円) 60分 330香港ドル(約4,600円) |
子供向けマッサージ (0歳~10歳) |
45分 300香港ドル(約4,200円) 60分 380香港ドル(約5,300円) |
イヤーキャンドル | 30分 370香港ドル(約5,200円) |
他に、針治療があり、要予約:内科 90香港ドル(約1,300円)、針灸 400香港ドル(約5,600円)から。
尚、香港在住者(IDカード保持者)は、上記(繁忙時間)の料金以外に、非繁忙時間(10時~15時)があり、この時間帯に行くと25%割引になります。
日本語可能なスタッフは現在2名いるとのことなので、必要な場合は予約する際に確認をとることをお勧めします。足ツボマサージの部屋には、大きな専用チェアが6台、全身マッサージなど他のマッサージメニューの部屋は個室になります。施術のあとは漢方スープが無料でサービスに。
漢方薬の処方に関しては専門家のスタッフは常時いますが、要予約ですのでお気を付けください。ここでは、およそ300種近い漢方薬を取り扱っており、体調面で気になること、症状などを伝え、2日~4日分(150香港ドル(約2,100円)~)を処方してくれます。
またマッサージは不要で、漢方薬の処方のみを希望する場合も、問題ないとのことです。
施設名 | 華夏保健(Vassar Healthcare) |
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電話番号 | +852-2970-3228 |
所在地 |
1/F, Everwin Mansion, 18 Johnston Road, Wan Chai > 周辺の地図 |
営業時間 | 10:00~21:00(旧正月を除く) |
備考 |
支払い方法:現金、Visa、Master 言語:英語、広東語、標準中国語 |
香港のスーパーでは乾物「薬膳スープパッケージ」が販売されています。ご紹介するのは香港各地で展開しているスーパーマーケット「Wellcome(ウェルカム)」。
◇「霊芝のスープ」32.9香港ドル(約460円)
霊芝、ナツメ、クコの身などが含まれる。肝臓、腎臓に良く、血液を増やす効果あり。
◇「枇杷のスープ」32.9香港ドル(約460円)
枇杷の花と葉、ナツメ、アーモンドなど。肺を潤す効果あり。
◇「ワニのスープ」62.9香港ドル(約880円)
タイのワニの肉、ナツメ、アーモンドなど。咳を鎮め痰を減らす効果あり。
※作り方は裏側に書いています(英語・中国語)。
基本的にはグツグツ煮こむだけ。お好みに合わせて調味料を適宜加えて出来上がりです。
ワニのスープも薬膳スープパッケージになっているのは驚きですが、各セットにはそれぞれ効果が異なるので、ちょっとお土産に喜ばれそうですね。
昔から言われる「医食同源」の考え方が生活の隅々にまで浸透している香港。今回ご紹介できなかったのですが、コンビニやスーパーでも、漢方茶や豆乳などの健康ドリンクは売られており、その種類の多さに驚かされます。個人的には一日の疲れをとるのに行きつけのスタンドショップの「漢方茶」を飲むのが至福のひと時です。
さて、次回は年末に向けた「セール特集」。早いものでまもなく10月。そろそろクリスマス・年末年始解く大セールがスタートする頃ですね。人気モールとともに、今年のセール事情をお届けします。
