みなさん、こんにちは。楢橋里彩です。
秋に入ると、香港を賑わす食べものといえば高級食材「上海蟹」。中国語では「大閘蟹」と書きます。毎年この時期になると街中のレストランでは「期間限定・上海蟹のプロモーション」が始まり、レストランの前や街頭では、生きた蟹が紐や藁で縛られた状態で売られています。
というのも、香港ではレストランではなく、生きた上海蟹を買って自宅で蒸して食べるのが一般的なのです。今年は昨年に比べやや値上がりしているものの品質は上々とのこと。これからの季節に香港に来られる方、まだ上海蟹を食べてないという方、必見です。美味しく上海蟹を食べたい！という方のために、今回は食べ方と、美味しい上海蟹を食べられるレストランを一挙にご紹介します。
＜2015年香港秋のグルメ特集第1弾はこちらからご覧ください＞
＜2015年香港秋のグルメ特集第2弾はこちらからご覧ください＞
上海蟹の旬は中国では「九圓十尖」といいます。つまり旧暦１０月（今年は１０月１３日から）には、産卵期に入る直前のメスは卵がぎっしり詰まっているため美味しく、旧暦１０月（１１月１２日から）にはオスが美味しい時期を迎えます。
上海蟹はモズク蟹の一種であり、実は上海で獲れるものとは限りません。主な産地は長江流域を中心に遼寧省から広東省の湖で獲れます。特に有名なのは江蘇省の陽澄湖産や太湖産のもの。
海の蟹と比べるとやや小ぶりで、脚の肉もほとんどないので、日本人にとっては、食べるところが少ないと、がっかりされる方もありますが、上海蟹の一般的な食べ方は、身を食べるというより、蟹味噌を食べることがメイン。
むしろ脚の肉を食べない人も少なくありません。蟹味噌はとっても濃厚で栄養価も高くタンパク質やビタミンも豊富なのです。
腹部が大きな楕円状になっているのがメス。目印は、お腹に横線しかないものです。そして、お腹が三角形に割れているのがオス。こちらの目印はお腹にある縦の２本線です。近年、市場への出回りが早まっていますが、従来ですと産卵を前にした肉付きの良いメスが最もおいしく食べられるのは今の時期。オスは１１月以降が最もおいしいと言われています。
路上では上写真のように、生きた蟹を藁や紐で結んだ状態で売られています。これは輸送されている間に傷つくことを防止するため。一般的に、店先で買って自宅で蒸します。蒸し時間は１５分～２０分ほどで深緑色した蟹が徐々にオレンジ色に変わります。
今の時期、香港の多くのレストランでは「上海蟹の特別メニュー」を展開中！早速、老舗上海料理レストラン「滬江大飯店 Wu Kong Shanghai Restaurant」銅鑼湾店に行ってきました。
レストランは、駅から目の前、タイムズスクエアの対面にあるLee Garden Theatre Plazaの中に入っています。年々値上がりしているものの、このレストランでは手頃な値段で上海蟹のコースを堪能できます。中華というと、大勢でいくイメージがありますがこのお店の上海蟹メニューは一人分コース（４９８香港ドル）。少人数でも気軽に行けますね！
上海蟹のコースを頼んだら、出てきたのが「ビニール手袋とはさみと小さなスプーン」。
テーブル前には蒸す前の生きた状態のものを、必ずお客さんに差し出し確認をしてもらいます。ちょっと触ると動きます。このレストランが取り扱っている蟹は「江蘇省太湖産」。まさに上海蟹として有名な産地で獲れているものなので、安心して食べられます。今回頂いたのは、オスでした。上海蟹特別メニューは１２月いっぱいまで楽しめます！
（左から）
・蟹粉魚翅（Braised Hairy Crab Meat in Shark's soup）・・・フカヒレ入り蟹味噌スープ
・清炒豆苗（Sauteed Sugar Peas Shoot）・・・豆苗炒め
・蟹粉籠仔粢飯（Hairy Crab Meat with Sateamed Sticky Rice）・・・蟹肉と蟹味噌たっぷりのおこわ
（左から）
・蟹粉小籠包（Hairy Crab Meat with Pork Dumpling）・・・蟹味噌入り小籠包
・清蒸大閘蟹（Steamed Shanghai Hairy Crab）・・・蒸した上海蟹
・薑茶湯圓（Rice Dumplings in Ginger Tea）・・・白玉入り生姜湯
| 店舗名 | 滬江大飯店 Wu Kong Shanghai Restaurant（銅鑼湾店） |
|---|---|
| 営業時間 | 月～金：11:30～15:00、18:00～23:30 土日祝：11:30～23:00 |
| 住所 | 17/F., Lee Theatre Plaza 99 Perceival St.,Causeway Bay,Hong Kong 銅鑼湾駅から徒歩約10分 |
| アクセス | 地図はこちら |
| 電話番号 | +852-2506-1018 |
１．ハサミを根元から切り落とします。
２．腹部の「小さな三角形」（ふんどしのような箇所）をもいでいきます。
３．腹部全体を取ります。
４．丸印の箇所は、上海蟹の胃と心臓にあたる部分なので、食べないようにしてください。下の丸印の両脇の白い部分はエラにあたります。ここもハサミで取っていきます。
５．エラと胃を切り、足を切ったところで、胴体を真ん中から半分に折ると、写真のように蟹味噌がつまっています。
６．３で切り離した殻にも味噌が付いているので、お酢をかけて食べましょう。
切り落とした足にも身が付いています。足にハサミで切れ目を入れ、お箸かスプーンで身を取っていきましょう。
やり方がわからない場合は店員に伝えれば手際よくほぐしてくれます。カニは体を冷やす食べ物。食べるときはショウガ入りの酢醤油をたっぷり浸けて食べることをお勧めします。コースの最後にでてきたのは生姜が入った甘目の生姜湯。ぽかぽか温かくなりました。
ちなみにレストンでは、こうしたメニュー以外にも上海蟹アラカルトメニューも多くあります。他にも、１２人用の豪華な上海蟹メニュー（５２８０香港ドル）も用意しています。大勢で行くときには要チェックです！
| 店舗名 | 上海緑楊邨酒家 Green Willow Village Restaurant |
|---|---|
| 営業時間 | 11:30～15:00、17:30～0:00 |
| 住所 | 11/F, World Trade Centre Shopping Arcade, 280 Gloucester Rd,Causeway Bay,Hong Kong 銅鑼湾駅から徒歩約7分 |
| アクセス | 地図はこちら |
| 電話番号 | +852-2881-6669 |
| 店舗名 | 老上海飯店（Lao Shanghai Restaurant） |
|---|---|
| 営業時間 | 11:00～23:00 |
| 住所 | 1st Basement, 238 Jaffe Road, Wan Chai, Hong Kong 灣仔駅から徒歩約11分 |
| アクセス | 地図はこちら |
| 電話番号 | +852-2827-9399 |
| 店舗名 | 上海鷺鷺酒家 Lu Lu Restaurant |
|---|---|
| 営業時間 | 11:30～15:00、18:00～23:00 |
| 住所 | Basement, South Pacific Hotel, 23 Morrison Hill Road, Wan Chai, Hong Kong 灣仔駅から徒歩約13分 |
| アクセス | 地図はこちら |
| 電話番号 | +852-2827-9399 |
いかがでしたでしょうか？今回は、今が旬の食材「上海蟹」にフォーカスしました。これから上海蟹のメスが繁殖時期になり、今とはまた違った楽しみ方ができます。日本の蟹とはちょっと違いますので、今の時期にもし香港へお越しの際は、旬の上海蟹を味わってみてはいかがでしょうか。
香港のグルメやイベント情報は、私のブログ「彩り亜細亜地図」でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
