
1年経った時の査定の機会に給与アップを直談判し、それが受け入れられないと、実績を持って他社へ移籍する事が少なからずあります。最初、母国から日本に就職する際は、ビザや住居など解決しなければならない問題がありますが、日本在住であれば次の転職先は容易に見つかります。
その為、より良い給料を提示する企業へ移籍します。日本人の感覚ですと、お世話になった人・会社へ恩義を感じたりしますが、外国籍の方は恩よりも生活を重視するというポイントも理解しておかなければならない、と感じています。
まず進出した理由ですが、香港の優秀な人材を確保するためです。香港のように、多国籍の人材が集まっている場所であり、英語が話せて、さらに日本語も話せるようになれば、他国と比較しても十分に語学力が秀でていることが最大のメリットです。中華圏ということもあり、多少なりとも日本語の「漢字」を理解できるというのはかなり大きいですね。
通常、他国へ目を向けた際、その母国の人間が多くなってしまいがちですが、香港は香港人だけでなく多国籍の優秀な人材が集まってきていることが香港市場のメリットだと感じています。
応募はあるものの、眼鏡にかなう人材は正直まだ少ないですね。日本語を話せる人は多いのですが、学校でIT分野を学んでいない学生が多いのです。これは香港という場所柄、IT人材がこれまで育っていないという背景もあるのでしょうね。ですがこれは想定の範囲内でした。現在香港では学校に出向いて講演を行なっています。
そうですね。まず、日本で就職することに興味がある学生に召集をかけて、大学で講演をします。昨年から香港の大学などで定期的に行っており、主に話す内容は「日本の就職事情」です。ここで日本文化の話をしたり、IT業界にも触れます。その後、問い合わせを受けたりしながら面接に入るのが大筋の流れです。また、今後はジョブフェアの開催等も検討しています。
為替、株価は不安定ですが、内情はリーマンショック後に比べると随分良くなっているんですよ。むしろどの業界も人材が足りないくらいです。日本での就労の魅力は、香港では習得できない最先端の技術を身に着けることが出来ることです。
また、企業の大規模プロジェクトに関わることができることも魅力の一つと考えます。実際に今年にはいって5月に1人、8月に1人、香港人を採用いたしましたが、大手企業でプロジェクトに参加することが出来て、やりがいを感じている様です。まだ香港人の採用は少ないものの、言語が堪能な方が多いのでそこが魅力ですね。
ただ、今後はよりITスキルは磨いていかなくてはならない、とも私は感じています。弊社は、採用後も手厚くサポートしています。たとえば、メンタルケアも大事な事業の一環です。彼らの日々の業務や生活を把握できるよう、コミュニケーションツールをしっかりと作っています。
採用して企業に紹介して「ハイ、おわり」ではなく、SNSやメールで時折連絡をとり、会社で困っていることがないか、生活面は問題ないか、などのヒアリングを行うなど異国で暮らすためのメンタルケアも行っています。
見知らぬ土地で慣れない文化のなかで溶けこんでいくのは、誰もが最初は大変です。ここでつまずいて帰国の途につく人たちを多く見てきました。せっかく採用した優秀な人材を失わないためにも、あらゆる対策を講じているのが弊社の強みだと自負しています。
