
記事公開日:2016年5月11日

みなさま、こんにちは。楢橋里彩です。
今でこそ当たり前のように飲まれている「缶コーヒー」。商品の誕生は1969年、UCCが開発に成功し、世界のコーヒー業界に大きな革命をもたらしました。今回はUCC COFFEE SHOP CO.,(HK) LTD.のゼネラルマネージャー、清水省吾さんに缶コーヒーの誕生秘話から多様化する今のコーヒー市場のトレンドについて伺いました。
<後半の記事はこちら>
楢橋
UCCといえば缶コーヒー。本日は世界初の缶コーヒーの誕生秘話から香港での事業について色々とお話を聞かせてください! 宜しくお願いいたします。
清水
こちらこそ、宜しくお願いします。
楢橋
今年で創業82年を迎えておりますが、日本のコーヒーの歴史は古くはないんですよね。
清水
はい。日本でのコーヒーは、1866年に初めてコーヒーなどの輸入関税が決まり、1900年代頭にようやく飲まれ始めたものなのです。
弊社創業者の上島忠雄は、もともと神戸出身であり、当時は神戸の港周辺には外来品などが多く輸入されてきたなかで、コーヒー豆の卸しを始めたと聞いています。
創業してからカフェや工場での製造など幅広く展開するようになり、その形は今も引き継がれています。
弊社創業者の上島忠雄は、もともと神戸出身であり、当時は神戸の港周辺には外来品などが多く輸入されてきたなかで、コーヒー豆の卸しを始めたと聞いています。
創業してからカフェや工場での製造など幅広く展開するようになり、その形は今も引き継がれています。
楢橋
缶コーヒーはその過程で生まれたのですね。
清水
1969年に誕生しました。当時は駅構内で販売されていた瓶入りコーヒーを飲むのが主流でしたが、飲み終わった瓶は返却しなければならず、車内に持ち込むことができませんでした。
上島は、よく慌てて飲み終える人の姿を目にし、「缶コーヒー」を作ればゆっくり飲むことができると発案したわけですね。
上島は、よく慌てて飲み終える人の姿を目にし、「缶コーヒー」を作ればゆっくり飲むことができると発案したわけですね。
楢橋
そうなんですね。今でこそ当たり前のように飲まれている缶コーヒーですが、とても画期的な発案だったのですね。
清水
研究開発には相当な年月がかかったと聞いています。何といっても「世界初の商品開発」ということもあり、前例がないなかでの挑戦だったため、問題点が多く浮き彫りになり、かなり難航したときいています。
例えば、開発当初からコーヒーとミルクを一緒にいれた缶コーヒーを作ろうとしていたのですが、缶のなかでコーヒーとミルクが分離して混ざらない、缶のなかの鉄イオンが液体の中に染み入ってしまいコーヒーが変色してしまうなど、品質上の問題がたびたび起こりました。
例えば、開発当初からコーヒーとミルクを一緒にいれた缶コーヒーを作ろうとしていたのですが、缶のなかでコーヒーとミルクが分離して混ざらない、缶のなかの鉄イオンが液体の中に染み入ってしまいコーヒーが変色してしまうなど、品質上の問題がたびたび起こりました。
楢橋
なるほど。苦戦を強いられたわけですね。
清水
そのたびに研究してきた社員が挫折しそうになっていたのを見た上島は「一度決めたことは最後までやり抜くぞ」と叱咤激励し、信念を通したと聞いています。揺るぎない思いがコーヒーの歴史を大きく変えたのですね。
