
楢橋
マカオのカジノ経済が後退し始めたのはいつ頃だったのですか?
勝部
2013年下半期から徐々に後退し始めました。ただマカオ政府は売り上げが伸びていた時から財政備蓄をしっかりしてきました。今、経済は足踏み状態ですが歳出5年分くらいの貯金をもっているのです。
楢橋
なるほど。経済的に絶好調の時にしっかり蓄えてきていたのですね。
勝部
そうです。少なくとも、あと5年間は歳入ゼロでも十分にやっていけるということなのですね。ですので、経済的に厳しくなっていると言われている中、橋梁、タイバ島の新ターミナル、マカオ周辺での埋立地5ヶ所造成など、マカオ市民の生活をより良くするインフラを整え、新たに観光客を呼び込もうという余裕すらあるわけなのです。ちなみに2015年のカジノ売り上げは前年比で3割以上落ちています。
楢橋
3割以上も落ちているのですか?
勝部
一見大きく落ちたようにみえますよね。ですが、この3割減の状況というのは、金額ベースで2011年と同じなのです。依然カジノの売り上げは好調です。
楢橋
様々なニュースを見ているともっと厳しいのかと思っていたのですが、そうでもなかったのですね
勝部
そうなんですよ。マカオのカジノオペレーター各社は、今もまだ黒字なんです。さきほど話した「スタジオシティ」、「ウィンパレス」が6月に、「パリジャン・マカオ」が9月に、「MGMコタイプロジェクト」は2017年初頭にオープン予定です。また「グランド・リスボア・パレス」ができますし、巨大カジノリゾートは続々作られています。
マカオは国ではなく、香港同様、中国の特別行政区です。しかも面積は30平方キロ、人口は64万人なんですね。3割減とはいえ、歳入は3兆数千億円にのぼり、税収が1兆3千億円です。64万人の人口でどうやって使うんだという話ですよね(笑)。こうしたもののほとんどは、財政備蓄に回されます。
せっせと貯金をして財政準備金を増やしているわけです。今まで良すぎたということで、今の状態が悪化しているというわけではありません。日本のメディアなどで低迷しているなどと報道しているものをよく目にしますが、実はそこまでネガティブなものではないのです。
マカオは国ではなく、香港同様、中国の特別行政区です。しかも面積は30平方キロ、人口は64万人なんですね。3割減とはいえ、歳入は3兆数千億円にのぼり、税収が1兆3千億円です。64万人の人口でどうやって使うんだという話ですよね(笑)。こうしたもののほとんどは、財政備蓄に回されます。
せっせと貯金をして財政準備金を増やしているわけです。今まで良すぎたということで、今の状態が悪化しているというわけではありません。日本のメディアなどで低迷しているなどと報道しているものをよく目にしますが、実はそこまでネガティブなものではないのです。
