
以前は、業者がお勧めするカタログに基づいてメニューを作る飲食店が多かったのですが、最近の飲食企業の皆さまは、とても熱心に勉強されています。
たとえば、ご自身が気になった蔵元へ行ったり、メニューで使用している食材の畑などに出向いて生産者に会いに行かれています。飲食店の皆さまもより能動的になって、自分たちが扱っている食材そのもの対しての関心が、以前に増して高まっています。
ただの食材としてでなく、仕入れているもの一つ一つにストーリーがあって作られているものがお店に届いているという流れを大事にされている方が増えているように思います。こうした動きは2011年の東日本大震災以降にみられるようになりました。
そうですね。お客様の流れがぴたりと止まったという企業は多かったんですよね。当時の飲食店は、何日もお客様が来ない、計画停電で食材の保存管理や営業にも影響があるなど、苦労があったようです。本社から近い銀座の街も、節電のためにネオンが自粛され、街の灯りや活気がしばらく戻りませんでしたから。そういう時だからこそ、どう生き残るべきか、経営方針も含めて、真摯に向き合うきっかけになっているのだと思います。
今はエージング(熟成)肉が注目されるようになっています。
NYスタイルの「ドライエイジングビーフ」(Dry Aging Beaf)は「乾燥熟成された牛肉」のことを指します。牛肉は熟成されることにより、酵素の働きで肉質が柔らかくなり、うまみ成分のひとつ「アミノ酸」が増加していきます。また、ドライエイジングとあるように表面を乾燥させて熟成させるので、余分な水分が飛び、旨味と香りが内側に凝縮されたお肉になるんですね。また、こうした肉を懐石スタイルにするなど、見栄えを重視した、見せ方、作り方をしているんですよ。
差別化を図っていなければお客様も足を運ばなくなっていますしね。消費者も厳しい目をしています。他にも売り上げを伸ばす一つに、「ドリンクメニュー」があります。いかにお客様に喜んでいただけるか、商品開発に熱心に取り組み、トータルの客単価を上げていくかを考えます。こうしたなか、弊社は日本国内のお客様だけでなく今もっとも注力しているのは海外からくるお客様をいかに満足していただけるようにサポートするか、なんですよ。
ぐるなびに入社する直前まで、ワーキングホリデーでオーストラリア・メルボルンに滞在されていた山森さん。偶然にも私もオーストラリアに留学していたこともあり、インタビュー中、しばしオーストラリアの話で、盛り上がりました。メルボルンのコーヒー豆一つにしても、特徴や味わいないど、細かく描写され、聞き惚れてしまうほどでした。トレンドを分析された上での冷静なコメント。さすが食のエキスパートです!
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