
インタビュー収録日:2014年11月15日

今回は、今年7月31日に銅鑼湾(コーズウェイベイ)にオープンした「秀殿(Hidden)」のDirector、小川泰明さんにフォーカスしています。
秀殿といえば、香港では知らない人がいないくらい、とろふわオムライス屋で話題になったお店です。日本人はもちろん、地元香港人にも人気が高いお店でしたが1年で閉店。時代の流れが速く、トレンドに敏感な香港社会で次に勝負したのは、串揚げと焼酎でした。常に食のパイオニアでいたい。新たなスタートを切った今、お話を伺いました。
楢橋
小川さん、今日は宜しくお願いします!落ち着いた素敵な空間ですね。ジャズが流れていて、もう少し照明を落とすと本当にBarみたいです!
小川
ありがとうございます。座席数は15席と決して多くはないので、お客様がゆっくりとお食事を楽しんでいただける雰囲気にこだわりました。
楢橋
ずらりと並んでいる焼酎も目を惹きます!まるで焼酎バーのようですね。どのくらいの銘柄を置いているのですか?
小川
80種類近くあります。香港では、まだ焼酎というものをよく知らないお客様が多いので、そういう方のためにも日本のアルコール類のひとつとして知っていただきたい思いでおいています。
楢橋
なるほど。ここでしか飲めないものはありますか?
小川
日本でもプレミアとされる焼酎は人気ですね。「森伊蔵」「魔王」「村尾」の3Mと言われているものも置いています。多くの銘柄の焼酎を飲んでいただきたいと思い、すべてグラス売りで提供しています。特に日本食通の香港人のお客様からは大好評ですよ。
楢橋
メニューを見ると、串揚げも充実していますね。
小川
今は串揚げだけで30種類近くありますし、それ以外のメニューも増やしています。注文されて1本1本揚げていくので、香港人のお客様の中には、「これまでの揚げ物の概念を覆されたほど、美味しくて食べやすい」と話される方もいるくらいです。
楢橋
ところで、元々は「秀殿」という名前のオムライス屋を営業されていて、そこから串揚げ屋へのビジネス転向を図りましたが、その理由は何だったのでしょうか?
小川
オムライス屋を1年で閉じた大きな理由が、シェフが一人で切り盛りをしていたということでした。オムライスがメインの店だったので注文される方は多かったのですが、特にランチ時ですと20席近いお客様が同時に頼むことが多く、同時に皆さんにお出しできなかったんですね。
店をたたむのが本当に惜しかったのですが、オペレーションに限界があったのが理由です。
店をたたむのが本当に惜しかったのですが、オペレーションに限界があったのが理由です。
楢橋
他にスタッフを雇うことは考えなかったのですか?
小川
いえ、実際にスタッフは雇いましたし、トレーニングもしました。しかし、弊社が考える「最高の状態のオムライス」を作れるのがうちのシェフしかいなかったので、なかなか上手くいきませんでした・・・
楢橋
確かに、あのとろふわのオムライスを食べれば、そう簡単には作れないことが、よくわかります。
小川
ありがたいことに、未だにオムライス屋をやっていると勘違いされることが多いです。その後香港のお店が秀殿のオムライスを真似したり、実際にオムライス屋もできました。一石を投じ市場拡大はできたと思っています。
ただ、今回閉店させたことを無駄にしないためにも、どんな店がこの場所に合っているか、考えました。銅鑼湾(コーズウェイベイ)は飲食の激戦区ではありますが、深夜遅くまで開いている飲食店が多くありません。お客様の選択肢が限られてくる中で、気軽にお酒を楽しんでもらえる場所を作りたいと思いました。
あともう一軒行きたいな、と考えるお客様が一人でも多くなるかもしれない、という希望をもって4時半までの営業をすることにしたのです。
ただ、今回閉店させたことを無駄にしないためにも、どんな店がこの場所に合っているか、考えました。銅鑼湾(コーズウェイベイ)は飲食の激戦区ではありますが、深夜遅くまで開いている飲食店が多くありません。お客様の選択肢が限られてくる中で、気軽にお酒を楽しんでもらえる場所を作りたいと思いました。
あともう一軒行きたいな、と考えるお客様が一人でも多くなるかもしれない、という希望をもって4時半までの営業をすることにしたのです。
楢橋
午前4時半という、だいぶ遅くまで営業しているなか、お客様の入りはどうですか?
小川
お蔭様で深夜3時過ぎても満席になることがあるくらいです。
楢橋
そんな時間帯でもですか?!
小川
他の飲食店のスタッフの方がお客様と一緒に来られることも多いです。営業時間としては当たったという感じですね。
