
インタビュー収録日:2014年10月30日

国産米の取扱量と海外への出荷量ともにトップの株式会社神明ホールディング。その現地法人が2年前に設立されてからは、より香港の外食産業では日本米が広がっています。今回は神明亜洲有限公司、副総裁の矢野裕二郎さんにご登場いただきます。日本米の美味しさをもっとアジアに広げていくためにどんな工夫をされているのか、詳しく伺いました。
楢橋
矢野さん、本日はどうぞ宜しくお願いします!
この「あかふじ」の赤いパッケージの米袋、とても素敵ですね!
この「あかふじ」の赤いパッケージの米袋、とても素敵ですね!
矢野
有難うございます。2年前に香港に進出する頃、偶然この色に変わったんですよ。
楢橋
赤はこちらでは基調とされていますし、まさに香港カラーですね!
この「あかふじ」というお米は、日本では関西を中心に約半世紀にわたって売られている老舗ブランドですよね?
この「あかふじ」というお米は、日本では関西を中心に約半世紀にわたって売られている老舗ブランドですよね?
矢野
そうです。「あかふじ」自体は、品種でなくてブレンド米です。なぜブレンドしているのかというと、米は一年を通して食べられますが季節が変わると品質が落ちてきます。
常に美味しく食べて頂くためにも敢えてブレンドしています。ブレンド内容は公表していませんが、新商品の「パキッとシリーズ」は、パッケージ裏のQRコードから配合がわかるという仕組みにしています。
常に美味しく食べて頂くためにも敢えてブレンドしています。ブレンド内容は公表していませんが、新商品の「パキッとシリーズ」は、パッケージ裏のQRコードから配合がわかるという仕組みにしています。
楢橋
この「あかふじ」はいつから香港で販売されているのですか?
矢野
昨年から販売開始しました。実は「あかふじ」を売る前は、産地、品種を重視して販売していましたが、かなり苦戦しました。その後調査で、香港では日本産という原産国に対しての需要が強く、産地、品種にこだわる人が少ないことが分かりました。
楢橋
そうなんですか。でも日本米自体値段が高そうと思われませんか?
矢野
彼らの所得からすると決して買えない値段ではないのですが、高いイメージがあると思います。
それだけでなく香港では、全体の7割が長粒米(タイ米などといった細長いタイプ)を食べており、日本米のような短粒種はあまり食べられません。値段も安いので長粒米の方が手頃に買えるという点も大きいですね。
それだけでなく香港では、全体の7割が長粒米(タイ米などといった細長いタイプ)を食べており、日本米のような短粒種はあまり食べられません。値段も安いので長粒米の方が手頃に買えるという点も大きいですね。
楢橋
なるほど。常食品ですし毎日のことにそんなにお金をかけられないですよね。
矢野
そうなんです。ですので「あかふじ」はブレンド米ということでこれまでの日本米より、コストもかなり抑えることができました。大体2キロで100ドル(約1,300円)切れば安いと言われていますが、「あかふじ」は78ドルで売っています。
楢橋
そんなに安いんですか!
矢野
日本円にしたら1,000円くらいで、むしろ日本とあまり変わらない値段なんですよ。徐々に購買層もローカルの方が増えてきているのは嬉しいですね。
