
楢橋
今の香港は、本格的な日本食を求める人たちが多いような気がします。
坂根
私もそう思います。香港に来て3年ですが、日本食を熟知している人たちが多いのに驚かされます。日本食進出が目覚ましいというのもありますし、同じくらい日本を観光する人が増えていますからね。香港の方は、リピーターとして日本を何回も訪ねる人が多いと思います。
楢橋
特に都市部より地方にレンタカーで行かれる人が多くなっていますね。
坂根
日本が好きな地域性なので日本食に関して強いこだわりをもった人が多いのも、香港ならではです。ショッピングだけで日本に行くというより、ちゃんと日本の文化を体験したい、自分のものにしたい、そういうこだわりをもって日本に旅行される方が香港には多いと思いますよ。
香港の一人あたりのGDPが上がり、所得、知的水準も高く、日本という国、産品に対して信頼をおいてもらっています。これが全部作用して今の日本食が支持されている形ができているのだと思います。
香港の一人あたりのGDPが上がり、所得、知的水準も高く、日本という国、産品に対して信頼をおいてもらっています。これが全部作用して今の日本食が支持されている形ができているのだと思います。
楢橋
JFC香港が卸している商品のなかで需要が高いのは何でしょうか?
坂根
着実に需要が増えているのは日本酒です。私自身も酒アドバイザー(FBO)の資格を持っているので力をいれています。アルコール類などの輸入が無税(アルコール度数30%以下のもの)ですから、日本酒は身近な存在になりつつあります。こうしたことも、日本と同じものを安易に求められているという点では、香港はやはり強いですね。
そして、特に人気の商品が牛肉です。日本産のクオリティの高さは皆さんよく知っているので需要が広がっています。毎年夏に開かれるフードエキスポでは、和牛を扱うブースはとにかく人気ですよ。
そして、特に人気の商品が牛肉です。日本産のクオリティの高さは皆さんよく知っているので需要が広がっています。毎年夏に開かれるフードエキスポでは、和牛を扱うブースはとにかく人気ですよ。
楢橋
ところで香港は広東料理、中国料理といった味の濃い食文化で和食は対照的ですよね。なぜ今日本の食が注目されているのでしょうか?
坂根
その要因の一つとして、香港の方々が健康志向になっていることがあります。特にヘルシーな料理というと、日本料理はまさに世界を代表するような料理です。脂っこくなく、素材を生かして、余計な手を加えません。これが受け入れられていると思います。もう一つ言えるのは、ただ健康志向だからというだけでなく、体に良いものにはある程度お金をかけて食べたいという人も多いと思います。
そうした流れもあるので、日本の製造業や生産農家にとっては千載一遇のチャンスなのです。外にむかってどんどん進出していこうと考えている積極的な企業が増えています。和食はまさに世界に認められた料理なのだと思いますね。
