
インタビュー収録日:2014年6月8日

今回は香港でジュエリー会社O's Creation Ltd. Hong Kong を経営されている、代表の松浦修さんにフォーカスを合わせました。今香港は、貴金属の店がコンビニエンスストアの数をもしのぐ勢いで増加しています。昔からある地元の店から大手チェーン店まで、たくさんのジュエリー店が軒を連ねる香港で、日系ジュエリー店としてどのように参入し、生き残って来たのか。香港でのビジネス戦略などについてインタビューしました。
楢橋
松浦さん、本日はよろしくお願いいたします。
松浦
はい。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
楢橋
松浦さんは香港を拠点にジュエリーのビジネス展開をされているとお聞きしましたが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
松浦
主にブライダルリングの製造と卸し、そしてお一人おひとりのお客様にオリジナルのジュエリーデザインをして、製作をさせていただいています。他には、同業の方へ海外進出のアドバイス、コンサルタントなどの業務も行っています。
楢橋
コンサルティングの具体的な内容はどういうものですか?
松浦
海外に起業するにあたり、ビザの問題、会社設立、銀行口座の開設などの基本的なことはもちろん、人材選定、事務所の場所、家賃交渉の有無など幅広く行っています。
楢橋
なるほど、香港なども人気なのですね?
松浦
はい。香港だけでなく、アジアや豪州など、ここ5年の間にジュエリー関連企業の進出が目立っていますので、それだけ需要がありますね。意外と海外進出は容易ではないのですよ。
楢橋
海外進出を考えている方々に、共通して抱えている悩みなどはありますか?
松浦
やはり、単純ですが「事業として成り立つかどうか」ですね。赤字になったとしても、どれほどの期間を要すれば黒字転回して経営が成り立つのか、それを行うにはどんな商品が必要なのか、を明確にする必要があります。
その上で海外進出する企業の強みとは一体何なのか、自分たちが今まで培ってきたノウハウをどのようにして海外で活かすのか、など徹底的に追及していかなければなりません。
その上で海外進出する企業の強みとは一体何なのか、自分たちが今まで培ってきたノウハウをどのようにして海外で活かすのか、など徹底的に追及していかなければなりません。
楢橋
海外進出は、想像以上に厳しい世界なのですね。
松浦
それはもう。日本を出たらそこは別世界です。いくら日本で成功しているからといって、アジアで簡単に成功する保証はありませんから。まず、日本で成功したという事実を切り離して考えることが大事です。
楢橋
日本も同じアジア圏内なのに、大分価値観が違うのですね。
松浦
よくあるケースとして、「日本ではこんなことをしてきた」「日本ではこんな素晴らしいモノ・サービスがある」と考える人がいますが、本当にアジアでそれを求める人がいるのかということを検証する必要があります。
日本のサービスは完ぺきで最高だと評価する国が多いのは事実です。しかし、この業界に限らず、日本と他国には温度差があるということも知っていないとダメです。
日本のサービスは完ぺきで最高だと評価する国が多いのは事実です。しかし、この業界に限らず、日本と他国には温度差があるということも知っていないとダメです。
