
仮想通貨がブームになっています。この2年間で、その価値は17倍にもなりました。ただ、仮想通貨が何かについては、多くの人が「よく分からない」状態だと思います。今回は、株式会社クロスブリッジ代表取締役の三浦洋一氏に、ビットコインをはじめとする仮想通貨の基本について教えていただきました。
※記事内の数字は、2017年11月11日時点のものです。
最近は、金融機関もフィンテックの一環として仮想通貨の研究に力を入れ始めました。私はもともと金融機関のシステム開発などを手掛けていて、2011年に独立した時は、Meta Trader4システムのパッケージ開発・販売・導入・サポートをメインの事業にしていたのですが、2014年から仮想通貨に俄然興味が湧き、以来、仮想通貨のキモともいえるブロックチェーンを利用した金融システムの開発にも携わっています。
なぜ、2014年なのか、ということですが、この年、仮想通貨の世界ではとても有名な、MTGOX(マウントゴックス)の事件が起こり、それがきっかけとなって仮想通貨への関心が高まったのです。
MTGOX事件とは、渋谷にあった世界最大のビットコイン取引所だったMTGOXで、85万BTC(ビットコインの通貨単位)と現金28億円が消滅し、破産したという事件です。これによって一時期、仮想通貨に対する信頼が大きく揺らぎました。覚えていらっしゃる方も多いと思います。
これによって仮想通貨、とりわけビットコインの認知度が一気に広まったわけですが、恐らく多くの人は、「仮想通貨=ビットコイン」というイメージが強いと思いますが、実際のところ、ビットコインはたくさんある仮想通貨のひとつに過ぎません。仮想通貨はビットコインも含めて1200以上あります。
ただ、1日あたりの取引高ランキングを見ると、当然1位はビットコインなのですが、取引高が2位の10倍くらいあります。圧倒的にビットコインが取引されているわけです。したがって、「仮想通貨=ビットコイン」というイメージが強いのは、当然と言えば当然のことなのです。
そのビットコインですが、今は日々、どんどん値上がりしていることで、多くの人に知られるようになりました。ビットコインに投資して「億り人」、つまり億円単位の資産を築いた方も大勢いらっしゃいます。
どのくらい値上がりしたのか、ご存じでしょうか。私がブロックチェーン技術に注目した当時、今から3年ほど前のことですが、会食などで仮想通貨の話になると必ず、私は「これはきっと値上がりしますから、買っておいた方が良いと思います。買わなくても今日、この瞬間の値段を覚えておいてください。そして、次回お会いする時に、それを思い出して下さい。きっと、大きく値上がりしていると思いますよ」などと申し上げたものです。
実際、どうなったと思いますか。時の値段は、米ドル建てで1BTC=350ドル程度でした。それが今は6800ドル(2017年11月11日現在)。瞬間的に7500ドル近辺まで上昇したこともあります。ピーク時の値段で考えると、20倍以上にもなった計算です。
一方、円建ての1BTCの値段を見ると、2016年1月が5万円前後でしたが、2017年1月には12万円になり、2017年11月現在では87万円です。もし、2016年1月に100万円で20BTCを買って、そのまま放置しておけば、今頃1740万円に増えたことになります。
当然、これだけ急に値上がりすれば、株式やFXでトレードをしている人たちの関心も高まります。なので、今はかなり短期の投資家も取引に参加しているようです。仮想通貨は一応、「通貨」なので、それを使ってモノやサービスを購入できますが、決済目的で仮想通貨を入手している人は、ほとんどいないでしょう。大半は投機目的、ということになります。
ちなみに、最初にビットコインを使った決済が行われたのは2010年5月22日に、2枚のピザと1万BTCを交換したという話があります。2枚のピザの値段は25ドルですが、当時のビットコインの価格は、1BTCあたり1セント以下だったそうです。もし1BTC=87万円だとしたら、1万BTCは何と87億円です。
仮想通貨には、ブロックチェーンの技術が必要不可欠です。ブロックチェーンとは、お金のやりとりの情報が含まれているブロックが10分おきに生成され、それがチェーンのようにつながっているものです。そして、このブロックにはハッシュ値といって、お金のやりとりを記したデータが改変されていないかどうかを確認するための値が入っており、前のブロックに含まれているものとは常に違う値になっています。
このハッシュ値を探し当てるのが、マイナーと呼ばれる人たちです。ハッシュ値を探し当てるのに成功したマイナーは、その報酬として12.5BTCを受け取ることが出来ます。
ただ、マイナーとして新しく作り出されたハッシュ値を探し出し、12.5BTCを報酬として受け取るためには、もはや一個人が自分の家にあるパソコンをいじって何とかなるようなものではありません。今や世界的に、この計算競争が激しく行われているため、自宅にあるパソコンでは到底、太刀打ちできないのです。
今、世界で最もビットコインを発掘しているのは中国です。マイニングファームといって、ハッシュ値を探し出すために何万台ものサーバを用意し、それをフル回転させることによって、24時間体制で発掘をしていますが、これだけ多くのサーバを動かせば、当然のことですが、電気代は掛かりますし、多数のサーバを動かせば、熱も放出します。したがってマイニングファームは、電気代が安く、しかも気温の低いところに集中しています。
そして、このブロックチェーンという仕組みは、今まで一度たりとも、ハッキングやクラッキングされたことがありません。また、ブロックの中身を、外部から変えることもできません。非常に信用度の高いシステムになっています。だからこそ、私自身も仮想通貨は広まると思ったのです。
さて、個人がマイナーになるのは難しいわけですが、仮想通貨は取引所を通じても入手できます。一般的には、これが最も簡単にビットコインなどの仮想通貨を入手できる方法です。仮想通貨取引所における需給で仮想通貨の価値も変わってきます。前述したように、今のビットコインは物凄い値上がりを見せていますが、それだけ取引所における需給がタイトであることを物語っています。
仮想通貨投資をする場合は、まず詐欺に十分注意してください。怪しい仮想通貨はたくさんあります。これは仮想通貨の時価総額ランキングを見れば一目瞭然で、このランキングにない名前の仮想通貨については、基本的に詐欺通貨であると考えて良いと思います。
MLMに絡んだ案件も少なくありません。いわゆるマルチですね。なぜか会員になり、その会員に対して仮想通貨が割り当てられ、それを他の投資家に販売すると、売上の10%とかが、手数料で入ってくる仕組み。典型的なマルチ商法です。
最近、話題のICOにも注意してください。ICOとはInitial Coin Offeringの略で、仮想通貨を用いた資金調達手段のことです。ただ、ICOには法律がありませんし、上場審査もありません。単なるクラウドファンディングです。結論としては、個人が仮想通貨を取引するなら、取引所を通じて買った方が良いということです。
レバレッジにも注意してください。最近、15倍、20倍というようなレバレッジを掛けられる仮想通貨取引所が出てきました。正直、仮想通貨は値動きが激しいので、このように最大のレバレッジをかけて取引すると、簡単にお金を失う恐れがあります。レバレッジは掛けずに取引することをお勧めします。
最後に、通貨は信用力が大事であり、それは仮想通貨も同じです。何をもって信用力を担保しているのか、という点は大事です。たとえばイーサリアムという仮想通貨は、マイクロソフトのような大企業と提携しています。有名企業との提携の有無や、提携しているとしたら、どこと組んでいるのか、という点は、信用力の担保として重要です。そういう点に注意して、仮想通貨取引を楽しんでみて下さい。
アメジスト香港様主催で、後半に仮想通貨に関するセミナーを行っています。次回の開催は12月20日(水)です。参加費は無料で、インターネット環境があればPC、スマホのどちらでも視聴が可能です。定期的に開催しているようですので、この記事を読まれてご興味が湧きましたら、一度参加されてみてはいかがでしょうか。
セミナーの詳細とお申込みは以下のリンクからご確認いただけます。
> 海外法人設立&仮想通貨セミナー
商号 | 株式会社クロスブリッジ |
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設立 | 2010年7月 |
代表者 | 代表取締役 三浦 洋一 |
主な事業 | [1]MetaTrader4システムのパッケージ開発・販売・導入・サポート [2]ブロックチェーンを利用した金融システムの開発 [3]金融機関へのマーケティング及び企画 [4]金融機関への市場調査及びコンサルティング [5]金融機関へのシステム開発 [6]WEB制作及びコンサルティング |
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