
川口
実は、今年から少し真剣に投資をしているのですよ。そのために、自分で決めたルールをきちっと守ることを心掛けています。月10%を目標にしているのですが、今年は1~5月まで10%ずつ取っています。自分のルールを守るのは大事ですね。
酒匂
それは同感。利食いはともかく損切りが大事。利益は小さいのに、大きくやられるケースが多い。だから損切りを入れる。私自身は、月2%程度のリターンで年24%も稼げれば十分だと思います。
川口
確かにポジションを解消する時こそが難しいのですが、一番難しいのは、ポジションを持たずに休むことだと思います。マーケットの外に出ると簡単に見えるのに、マーケットの中に入ると、欲に駆られて判断がおかしくなる。ところでアベノミクスについてはどう評価しますか。
酒匂
金利を下げても株価は上がらないし、円安にもならない。量的金融緩和の効果は、もう賞味期限切れ。マーケットがバカにしていますしね。
川口
日銀が国債の3割を持っています。日銀の資本金は1億円。純資産は3兆円。ETFが1万2000円だと含み損が3兆円超えますから、もう債務超過です。三菱東京UFJ銀行がプライマリーディーラーの資格を返上し、仮想通貨をやり始めました。日銀に対する信用が落ちているように見えます。
酒匂
あまり悲観的なことを言うつもりはないが、GPIFは運用成績の発表を先延ばしにしています。これは、運用が相当、ひどいことになっているのではと、勘繰りたくなります。
川口
三菱東京UFJ銀行が仮想通貨を出せば、他の銀行も黙っていないでしょう。他の銀行も、必ず出してくるはずです。そうなると、仮想通貨の発行量が増えます。こうして通貨の流通量が増えれば、インフレになります。だから、日銀も許したのではないでしょうか。
酒匂
すでにビットコインもあるしね。
川口
米国の大統領選挙についてはどう見ていますか。
酒匂
トランプが大統領になったら大円高。ヒラリーは保護主義的であり、中国と日本は金融政策で自国通貨安にした結果、米国の労働力が失われたと考えている。恐らく、トランプとヒラリーのどちらが大統領になっても、円高が進むでしょう。ただ、トランプの方がマグニチュードは大きい。そのように見ています。
川口
トランプは大統領選挙に負けても、最終的には勝つのではないかと思います。つまり、今までの政治は皆、ダメだったということを、トランプの躍進が物語っているように思えるのです。最後に、相場をやるうえで、これだけはやってはいけないということがあれば、教えて下さい。
酒匂
個人投資家の立場で言うと、わからない時はやらないこと。そして1、2に損切り。3、4なくて5が損切り。この2点をしっかり守っていただきたいですね。
川口
ありがとうございました。
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