若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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コロナウィルス禍のNY

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筆者はNY在住37年を経過した。アメリカの国籍も持っている。

日本への出張から帰国したのが3月16日(月)である。乗ったフライトはJALでガラガラだった。40人の席があるところ乗客は4人であった。これが長続きすると航空会社は危ないと感じたものである。

前の晩家内と連絡したときの話では、丁度ヨーロッパからのフライトが3月15日で乗り入れ禁止になったので、NYのJFK空港での入国審査に6-7時間もかかったというニュースだったらしい。こちらも数時間はかかると覚悟していた。

家内の話では入国に6-7時間はかかるから、着陸2時間前の機内食はとにかくしっかり食べることとの指示であった。筆者は糖尿病なので、血糖値の降下剤を嚥んでいる。食べ物を食べないと逆に低血糖になって危険なのである。

着陸したのが午前11時15分ぐらいで、空港ビルについたのが11時半、さっそく家内に連絡して無事着陸を報告したら、6-7時間かかるから晩ご飯の用意はしておくとの話だった。

入国審査はもともと乗客がほとんどいないので米国国籍所有者用の機械処理で5分ぐらいで、入国管理の係官のところへ行くと、過去2週間中国に行っていないかと聞かれた。"NO"というと税関の書類にポンとスタンプを押してくれて"OK" というから本当にこれでいいのか、"ALL Set ?"と聞くと彼は"ALL Set!" といって身振りで行きなさいと。この間1分。

それでそのあとに、保険の係官がいて、身体検査や体温を測ったり、その他の質問をするのだろうと思っていたら、それらしき人達もまったくいない。

入国審査が終わったらいきなりLuggage Collectionとなり、10分も待つと荷物が出てきた。

荷物を持って税関(誰もいない)を通り抜けると、いつもの運転手が外で待っていて、そのまま車に乗った。12時ぐらいだったと思う。帰りの車は何時も混むVAN WYCKハイウェイがガラガラで(普通1時間15分、空いている日曜日の朝などは45分)35分でマンハッタンの自宅マンションに帰り着いた。

11時15分タッチダウンで12時40分自宅到着というのは圧倒的な最短記録である。

その時に思ったのは、米国のウィルス対策の甘さであった。あんな調子では、ひどいことになるのではないかと直感した。

トランプは1月27日に中国からのフライトを制限したと自慢しているが、2-3月にヨーロッパでウィルスが猛威を振るっていたのに、ヨーロッパからのフライトの制限はなかった。

 

NYタイムズの調べではその2-3月に欧州からのフライトはニューヨーク州のJFK空港、ニュージャージー州のニューアーク空港の両空港に合計で12000便、3百万人が到着したといわれている。

したがってNYがこの欧州初のウィルスの洗礼を受けて圧倒的な米国のウィルス中心地となったわけである。

3月16日(月)にNYに帰国したがNYでは既に毎日200人以上の死者が出る状態になっていた。NYタイムズに努める長男が心配して、我々老夫婦を長女の住むNY郊外の(車で30分)のニュージャージー州のリッジウッドという住宅地に疎開することを決めてしまった。NYは住居が垂直になっているから猛烈に密度が高い。このNY近郊の村は全部1軒屋なので密度が低い。Grocery Shoppingは長女がやってくれるので、老人は家にいて一日一回散歩をするだけである。長女の家には15歳の高校生の女の子、13歳の男の子の孫がいるが、彼らも学校閉鎖で家に缶づめである。長女の旦那は在宅勤務である。

4人家族だからそこへ2人が転げ込むと6人となるが、日本の家と違って圧倒的に広いので旦那とはほとんど顔を合わすこともない。

ということで。3月21日(土)にこちらに疎開をしてきて7週間が経過している。

その間NYの死者は一日に最高805人から大分下がって、今は毎日230人ぐらいまで落ちてきている。全米ではいま毎日2100人前後が亡くなっている。

愚かな大統領は自分の再選しか頭になく、どうせ死ぬのだからといって、むりやり経済を再開させようとしている。最低の人間である。

さて50日も疎開していると、いくら娘の家といっても人間関係がぎすぎすすることはあるので、家内はそろそろNYに帰りたいと言い出している。筆者も賛成である。夜10時頃から見るネットフリックスのドラマも旦那と趣味が違うので、見たいものがみられないとかいうこともある。食べ物の趣味もティーンエイジャーとは全然違うので、そのあたりも面倒である。

というので5月15日が一応NY州知事の州シャットダウンの期限なのでそろそろNYへの帰還を考え始めている。

1週間に1回スーパーへ行く。マスク、ゴム手袋(使い捨て)できっちり武装をして行く。

きちんとそれをやれば、何とかなるだろう。

うちのNYのマンションには感染者が出ている。もう4週間ぐらいになるので、そろそろそちらのほうも大丈夫だろう。マンションの11階なのでエレベーターでの昇降だが、空いている時間帯で誰とも乗り合わせないようにする。ボタンを押すときは必ず手袋をしている手で押す。帰宅したら必ず手を洗う。スーパーに行ったときに着ていたものはすぐ洗濯に回す。これで、とりあえず本来の生活に近づこうと思っている。

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