中国株投資家の皆さん、こんにちは。
30日(木)の上海総合指数は高寄り後、前場はやや上値が重かったのですが、後場に入ると上昇基調となり、終値は0.90%高の3568.17ポイントで引けました。
セクター別では、電力、石炭、電力設備、化学、非鉄金属、機械などが買われました。
一方、銀行、証券などが軟調な値動きとなりました。
30日(木)の創業板指数は2.19%高となりました。
30日(木)の上海50指数は0.07%安となりました。
本土市場は明日(10月1日)から国慶節休場となります。
例年通り5営業日休場なので、取引再開は7日(木)からとなります。
薄商いの中、小型材料株を中心に上昇しています。
長い休場期間中に悪材料が出て、明け後に大きく下げて寄り付くリスクを心配するよりも、好材料が出て高寄りしてしまうリスクの方が高いと考える投資家が多いということなのでしょう。
景気に関しては、悪材料がありました。
30日寄り付き前に発表された9月の官製・製造業PMIは景気判断の分かれ目となる50を割り込んでしまいました。
前月と比べ0.5ポイント低く、市場予想よりも同じく0.5ポイント低い49.6となりました。
当局が環境関連政策を強化しています。
そのため、石炭の生産量が不足しています。
石炭不足は生産、受注に悪影響を及ぼしていて、輸送面でのボトルネックなどから輸出入も振るいません。
その結果、予想外の悪い結果となりました。
ただし、ご覧の通り、上海総合指数には、ほぼ影響がありませんでした。
個別セクターでは、石炭価格、川上製品価格の上昇などに反応して、石炭、化学が買われています。
電力不足については、新エネルギー関連の設備投資拡大期待などに繋がっており、電力、電力設備などが買われています。
つまり、景気の悪いことには反応せず、個別ではポジティブな影響のあるところが買われるといった展開となりました。
創業板指数は2.19%高と大きく上昇しており、小型材料株の上昇が目立ちました。
大型株で構成される上海50指数は前日比マイナスとなっており、明暗を分ける形となりました。
上昇した小型材料株の中では、リチウム電池、リチウムといった新エネルギー関連の上昇が目立ちます。
当局は環境対策を強化していますが、それは石炭不足、電力不足といった悪影響を招いていますが、一方で、新エネルギー、新エネルギー自動車の開発加速と言った形で、関連業界にはポジティブな政策として意識されました。
電池の原材料となるリチウムの不足からリチウム価格が上昇しています。
そうした理由から新エネルギー関連が買われているのでしょう。
政府が経済に対して積極的に働きかけると、悪影響を受ける産業が出てくると同時に、好影響を受ける産業も出てきます。
政策自体に景気を拡大させる即効性がなくても政策発動で株価が動きやすい理由は、物色意欲が刺激されるからです。
国慶節明けは、新たな政策が出やすい時期でもあります。
そうした期待が30日の本土市場の上昇を引き起こしたといった見方もできます。
不動産に関する材料もありました。
人民銀行、銀行・保険業監督管理委員会は29日、不動産金融業務に関する座談会を開きました。
国務院から、不動産政策について、地価、不動産価格、期待(将来の見通し)を安定させるといった方針が打ち出されています。
これを受けて中国人民銀行金融政策委員会は24日、四半期ごとの定例会議において、初めて、"不動産市場の健全な発展を維持し、住宅に関する消費者の合法的な権利を維持する"といった金融界が行うべき方針を示しました。
この方針に関して話し合うために座談会が開かれたということです。
最も重要なのは、"不動産は投機の対象ではなく、住むためのものである"といった共産党の大方針に基づき、不動産向けの貸出政策を行うことが強調された点です。
不動産開発企業の経営はしばらくの間、圧迫されることになるでしょう。当局が指導して投機用不動産、高級マンション、高級別荘の開発を縮小させ、利益率の薄い中・低価格不動産の供給を増やさせることになります。
中国の経済・金融業界は西側諸国と違い、国有の度合いが強く、政府の管理統制能力が非常に高いということです。
企業の実際の自主経営権について、我々の知っている企業と同じであるなどと考えるべきではないということです。
ですから、日本の不動産バブルと比較してもあまり意味がありません。
少なくとも、ほとんどの本土投資家は不動産バブルが崩壊して、それが金融危機に繋がるというようなことは考えていません。
恒大集団の破綻によって、中国発、世界同時金融危機のようなことが起きるなどと、心配する必要はないでしょう。