中国株投資家の皆さん、こんにちは。
23日(木)の上海総合指数は高寄り後、上昇したのですが、すぐに利益確定売りに押されました。
ただ、下値も堅く、売り買いが一段落すると、その後は狭いレンジでの値動きが続きました。
終値は0.38%高の3642.22ポイントで引けています。
セクター別では、製紙、環境エンジニアリング、種苗林業、不動産開発、レジャー設備・旅行、国防軍事工業などが買われました。
一方、石油、石炭、非鉄金属、化学などが売られました。
23日(月)の創業板指数は0.57%高となりました。
23日(月)の上海50指数は0.18%高となりました。
上海総合指数は3営業日続伸となりました。
2日間の中秋節休場開けとなった22日(水)には安寄り後大きく戻しており、上昇率こそ0.40%と大したことはなかったのですが、日足は大きな陽線を付けました。
本土の投資家は、香港や国際市場の投資家とは異なり、恒大集団の債務危機について、それほど深刻には考えていないということが分かります。
そもそも、恒大集団はなぜ債務危機に陥ったのでしょうか。
その点ついて、正確に理解する必要があります。
全ての始まりは、昨年9月1日付で大手を中心に試験的に開始された「三条紅線」政策です。
これは不動産開発会社を総負債、純負債、流動性に関する3つの指標で分類し、融資を制限するといった政策で、この時点で恒大集団は、3つの指標すべてでレッドライン(赤、橙、黄、緑の4つに分類される中で最も悪い水準)を超えていました。
ですから、真っ先に財務レバレッジの縮小を迫られたのです。
中国人民銀行、銀行保険業監督管理委員会は2020年12月31日、「銀行業金融機関の不動産貸出集中管理制度作成に関する通知」を発表しました。
これにより、金融機関はグループ分けされ、グループごとに不動産向けの貸出比率、個人住宅ローン比率に制限が課せられることになりました。
3月に開かれた全人代で発表された政府活動報告では"住宅は住むものであり、投機の対象ではない"といった文言が再び強調されました。
つまり、当局は1年がかりで不動産バブルを断固として抑える政策を実施しているのです。
不動産業界の中で、特に財務レバレッジが大きく、不動産バブルを助長している恒大集団は、当局によって、債務圧縮を迫られた上に融資まで制限され、債務危機に陥っているということです。
習近平国家主席が主導し、国家体制改革など国家の重要事項を議論する場である中央財経委員会会議(第十回)が8月17日に開催され、共同富裕を促進させる方針が決まりました。
この"共同富裕を促進させる方針"が不動産バブルの縮小政策を助長させているのですが、そのことよりも注意しておきたいのは、この中央財経委員会会議では、共同富裕の促進以外に、"重大な金融リスクの防止・解消"、"金融の安定的な発展"が議題となっていたことです。
恒大集団をはじめ各不動産企業の債務状況について、当局は完全に把握しており、ストレステスト、倒産させた場合のシミュレーションなどもしっかりと行っているはずです。
こうした点を理解している投資家が本土には多いので、国際市場のようには崩れなかったということです。
9月22日には、国務院常務会議が開かれ、"景気変動の波を小さくし、合理的期待を安定させ、経済の安定的な成長を維持する"方針が確認されました。
第十四次五か年計画における新型インフラ建設計画の審議が通過しました。
内需の拡大、産業構造の転換を推し進める方針が示されました。
8月の経済指標を見る限りでは、景気の減速傾向が顕著になってきたところだったので、こうした政策は投資家に安心感を与えてくれます。
株式市場も安定させることが当局の政策目標です。
本土市場は崩れにくいということです。