中国株投資家の皆さん、こんにちは。
16日(月)の上海総合指数は僅かに高寄り後、前場は上値を試す展開となりました。
しかし、上値は重く、後場に入ると利益確定売りに押され、終値は0.03%高の3517.34ポイントで引けました。
セクター別では、ホテル・レストラン、レジャー施設・旅行、空港空運、ガス・水道、石油開発などが買われました。
一方、非鉄金属、新材料、国防軍事工業などが売られました。
16日(月)の創業板指数は1.31%安となりました。
16日(月)の上海50指数は0.15%高となりました。
16日現地時間10時に発表された7月の月次経済統計は予想を大きく下回りました。
鉱工業生産は6.4%増と前月と比べ▲1.9ポイント低下、市場コンセンサスと比べ▲1.4ポイント低下しました。
自動車生産は▲15.8%減(前月と比べて▲2.7ポイント低下)、鋼材は▲6.6%減( 〃 ▲9.6ポイント低下)、セメントは▲6.6%減( 〃 ▲3.6ポイント低下)、原油加工量は▲0.9%減( 〃 ▲6ポイント低下)となるなど、生産の鈍化は明白です。
前年6月が既に新型コロナ禍からの回復過程に入っていたことを考えれば、伸び率鈍化はある程度予想されてはいましたが、それでも予想以上の鈍化となりました。
ITセクター、教育関連セクターに対する粛清政策が産業政策全体に対する見通しを悪くしています。
他のセクターは無関係であるし、こうした政策は長期的にそれぞれの産業の発展に有利であると当局は説明しています。
しかし、政策の背後には、行き過ぎた自由経済への戒め、広い意味での市場の失敗を正すといった目的が潜んでいます。
社会に悪影響を及ぼしているような産業、行儀の悪い企業が多い産業などで同様な粛清がないとは限りません。
政策面、ファンダメンタルズ面でネガティブな要因がある上、金融面では流動性が緩和されるような動きはみられません。
地合いは悪化しています。
個別セクターでは、新型コロナ禍で影響を受けるセクターが逆に買われています。
7月下旬から8月上旬にかけて、感染者数が拡大する兆候がみられました。
中国でもデルタ株が流入しており、感染力が強いだけに、感染拡大が懸念されたのですが、今のところ、感染者数の増加は抑えられています。
これまで物色対象となっていたところに買い疲れがみられ、それらの受け皿として新型コロナ禍で影響を受けるセクターに資金が流れたということだと思います。
消極的な理由で買われたわけですが、全面安でない分、投資家の買い意欲はまだ幾分残っています。
材料待ちです。