中国株投資家の皆さん。こんにちは。
15日(月)の上海総合指数は安く寄り付いた後、一旦前営業日比プラスに転じる場面もあったのですが上値は重く、売りに押される展開となりました。
大引けにかけて少し戻したものの、終値は0.96%安の3419.95ポイントでした。
セクター別ではホテル・レストラン、名所旧跡、空港・空運、港湾・水運などが買われました。
一方、半導体、電子部品、飲料(白酒など)、証券、医療機器サービス、種苗・林業などが売られました。
15日(月)の創業板指数は4.09%安となりました。
15日(月)の上海50指数は1.81%安となりました。
先週の上海総合指数は8日(月)、9日(火)と急落、10日(水)に下げ止まり、11日(木)、12日(金)と戻すといった展開でした。
景気の回復が順調すぎることで、当局は財政政策、金融政策ともに正常化に向かう方針を取ることが全人代を通して明らかになりました。
それが急落の主な要因ですが、それに対して先週のブログでもお伝えしたように、足元の金融統計を見る限りでは、しっかりと流動性供給を続けており、中立化への動きはみられませんでした。
正常化に向かうにしても、ゆっくりとした動きであり、景気や金融市場の動向に配慮して慎重に行うだろうという見方が広がり戻したのですが、15日(月)は再び大きく売られています。
その最大の要因は足元の景気が予想以上に良いことだとみています。
15日(月)寄り付き直後に発表された1、2月の経済統計は以下の通りです。
鉱工業生産:35.1%増
(2019年1,2月との比較では16.9%増、年平均では8.1%増)
固定資産投資:35.0%増
( 〃 3.5%増、 〃 1.7%増)
不動産投資:38.3%増
小売売上高:33.8%増
( 〃 6.4%増、 〃 3.2%増)
生産が好調です。
1,2月の輸出はアメリカ向けが75.2%増と大きく伸びるなど、全体で50.1%増となりました。好調な外需が生産を牽引した面があります。
また、新型コロナの再流行を防ぐために当局は、春節休暇を前に帰省を制限する措置を打ち出しました。
その結果、毎年起こる一時的な労働者の不足が起こらず、また、生産停止期間を短くする企業が多くありました。
この政策は、労働者への一時的な給与の補償など所得増といった効果もあり、帰省せず都会で過ごす労働者が多かったことで、EC取引需要とか、映画、出前、レストランなどの需要が高まりました。
消費にもある程度、プラスの効果があったとみられます。
固定資産投資の戻りが遅れていることや、一部の消費については、戻りがおそいところがあるので、まだ、景気は回復途上にあるのでしょうが、それにしては生産が強すぎます。
全体を通してみれば、投資家が一番気にする資金流動性について、中国人民銀行は、少なくとも投資家が期待するほどには供給しないのではないかとみられます。
この辺りが嫌気されたのではないでしょうか。
ただ、下落する銘柄がある一方で、上昇する銘柄もありました。
新型コロナ禍が大きな悪材料となるセクターが買われています。
全面安でない点、物色対象がはっきりしている点は評価できます。
投資家心理の悪化は深刻なレベルではないので、好材料が出れば反応しやすい地合いだと思います。