中国株投資家のみなさん、こんにちは。
11日(木)のハンセン指数は小幅に高く寄り付いた後、上昇してはいるのですが、商いは膨らみません。
後場に入ると、戻しはしたのですが一旦売り込まれる場面もあり、上値のやや重い展開となりました。
終値は1.65%上昇し29385.61ポイントで引けました。
11日(木)の中国企業指数は2.54%上昇しました。
参考として、2020年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
先週は多くの投資家が下値不安を感じていたのでしょうが、10日(水)のNYダウは過去最高値更新です。
10日(水)に発表された2月のCPI上昇率は1.7%で、先月と比べ0.3ポイント高かったものの、市場予想と同じでした。
コアCPI上昇率は前月と同じでした。
足下では物価が安定していることが確認できました。
とりあえずインフレ懸念が後退したことで、米国債(10年)利回りは1.5%台に戻しています。
一方、1.9兆ドル規模の大型追加経済対策が10日(水)、下院で可決されました。
12日(金)にバイデン大統領が署名すれば、成立することになります。
国民1人当たり最大で14000ドルの現金給付が行われるのですが、バイサイドを中心に市場関係者たちは、この資金が株式投資に回ると燥いでいます。
過剰流動性が株価を支える構造は変わらないということで、グローバル投資家は再びリスクを取ろうとしています。
香港市場では、こうした需給面での好材料に加え、中国経済についても好材料がありました。
中国人民銀行は10日(水)、2月の金融統計を発表しました。
結果は以下の通りです。
M2上昇率:10.1%増(前月末と比べ0.7ポイント上昇)
人民元新規貸出増加額:1兆3600億元(前年同月と比べ4529億元増加)
社会融資規模増加額:1兆7100億元(前年同月と比べ8392億元増加)
いずれも市場予想を大幅に上回る結果となりました。
5日(金)に発表された政府活動報告を見る限りでは、金融政策は中立寄り、当局は新型コロナ対策による緊急措置的な金融緩和策を止めて正常化させるといった方針でした。
多くの投資家が失望していたところに、足元では依然として潤沢な資金が供給されていることが分かりました。
本土では需給要因の改善が評価されたのでしょうが、香港ではファンダメンタルズの見通しの改善が評価されたのだと考えています。
香港市場は出来高こそ増えてませんが、非鉄金属が急騰したり、ハイテク関連が大きく戻したりしていて、銘柄間でメリハリの利いた動きとなっています。
指数が示すほどには相場は悪くありません。