中国株投資家の皆さん。こんにちは。
1日(月)の上海総合指数は安寄り後、戻りはしたのですが、前場はもみ合いとなりました。
ただ、午後に入ると買い優勢の展開となり高値引け、終値は0.64%高の3505.28ポイントで引けました。
セクター別では、製紙、新材料、石炭、医薬、銀行などが買われました。
一方、空港、ホテル・レストラン、保険、証券、自動車、通信、農業などが売られました。
1日(月)の創業板指数は0.99%高となりました。
1日(月)の上海50指数は0.89%高となりました。
31日(日)に発表された1月の製造業PMIは51.3で前月と比べ▲0.6ポイント低下、非製造業PMIは52.4で▲3.3ポイント低下しました。
いずれも、低下の度合いが少し大きくなっています。
その要因として、春節前は低く出るといったアノマリーが挙げられます。
たとえば、2019年1月は前月と比べ▲0.4ポイント低く、2018年1月は▲1.0ポイント低く出ています。
ただ、今回の結果について細かくみると、やはり新型コロナ禍の影響が出ていると考えられます。
たとえば、従業員数は48.4で前月と比べ▲1.2ポイント低い値です。
サプライヤー配送時間は48.8で前月と比べ▲1.1ポイント低い値です。
製造業PMIに対するこれらの細目指数のウエイトは順に20%、15%なので、そこそこ影響が出てしまいます。
新型コロナ禍で外出制限がかかっているところでは、工員の出勤に影響が出ているということ、配送員が不足した地域があり、配送時間が長くなっているということです。
また、地域別では新型コロナ禍の影響が大きかった河北省、吉林省、黒竜江省といったあたりが数値を大きく落としています。
そのほかの細目指数の状況も見ておくと、原材料在庫、製品在庫は増えています。
受注、生産は鈍化しています。
輸入は悪化するなど、全体的に良くない結果となっています。
ただ、良くない結果であれば、景気対策が必要ではないのかといった期待に繋がります。
この結果を悲観して市場がうごいたといった形跡はなさそうです。
下げたセクターの中には、空港、ホテル・レストランといったところが含まれています。
新型コロナの影響が気になるところです。
空港が大きく下げたのは、主力銘柄である上海機場(600009)が1月31日(日)、2020年12月の業績見通しについて、▲12.9~▲12.1億元程度の赤字になると発表したことが大きいと思います。
10-12月期は新型コロナの影響がはっきりと出ていて、業績が悪化していることが改めて意識させられました。
株価は寄り付きからストップ安に張り付いたままとなりました。
マクロにはあまり敏感に反応しない本土市場ですが、個別決算については結構影響を受けることがあって、今回も新型コロナ関連全体に影響があったのではないかと思います。
景気が悪いことが市場にプラスに働く部分もあります。
先週は公開市場操作を通じて資金吸収を行った中国人民銀行ですが、1日(月)はネットで980億元の資金を放出しています。
銀行セクターが買われるとともに、市場全体に広がっていた流動性に対する懸念が和らいだと言えそうです。
取りあえず下げ止まった感のある本土市場ですが、11日(木)から17日(水)までの間、春節休暇となります。
全人代を控え、政策相場を期待したいところではありますが、それは春節明け以降となりそうです。