中国株投資家のみなさん、こんにちは。
9日(木)の香港ハンセン指数は高寄り後、商いを伴った売買交錯となりました。
終値は0.31%高の26210.16ポイントで引けています。
9日(木)の中国企業指数は0.31%高となりました。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
4指数の動きについて2019年以降のチャートを出してみたのですが、足元では上海総合指数の急騰が目立ちます。
一方、ハンセン指数についても、NYダウ、TOPIXとの比較では7月2日以降強い相場となっていますが、上海総合指数ほどではありません。
やはり、この状況は上海総合指数につれ高していると解釈した方がよさそうです。
本土からのストックコネクトを通じた資金流入をみると7月2日以降、顕著に増えていることが分かります。
ただし、流入の規模をみると、3月中旬の方が多かったのですが、その時点でのハンセン指数はむしろ大きく下げている最中でした。
9日(木)の上海、深セン両市場から香港市場への資金流入額は90億3900万元で、約100億香港ドル(1元=1.1香港ドルで計算)相当です。
香港メインボードの売買代金は2068億3000万香港ドルであったので、直接的な影響は小さいとみられます。
しかし、本土投資家は本土系の金融業者を通じて比較的簡単にストックコネクトを通さずに、香港株を買うことができるのが実態です。
相対的に割安感のある香港株を買いに入っている本土投資家は3月のときよりもずっと多いのではないかとみられます。
本土株が足元で急騰している理由は、6日(月)のブログに書いた通りです。
上海総合指数は7月1日を起点に出来高を伴って急騰しています。
もともと本土市場はファンダメンタルズよりも、需給や、政策に起因する投資家心理に大きな影響を受ける市場です。
香港国家安全維持法が成立したことで政治的な安定が取り戻されること、米中覇権争いの激化により中国企業が、アメリカ資本市場から締め出される可能性が強く意識され、本土の資本市場改革が急速に進み始めたことなどから、投資家は強気に転じたと見ています。
もっとも、心配なこともあります。
いつものことですが、先高観が高まると、正規の信用取引制度を通さない法的にグレーな信用取引(場外配資)が一気に勢いを増します。
こうしたグレーな取引を規制しようと、当局がバブル抑制政策を打ち出す可能性があります。
走り出したら止まらないのが投機です。
これまでのケースでは、何回かバブル抑制政策を繰り返した後で急落するといったパターンですが、今回は急騰し始めて1週間ちょっとしかたってないので、まだモメンタムに沿った動きが続くとみています。
香港市場も暫くは本土市場につれ高すると見ています。