中国株投資家のみなさん、こんにちは。
18日(月)の上海総合指数は高寄り後、一旦先週末比マイナス圏まで売られたのですが、それから持ち直しました。
ただ、上値は重く、大引け前に売られ、終値は0.24%高の2875.42ポイントで引けました。
セクター別では種苗・林業、食品加工、飲料、非鉄金属、国防軍事などが買われました。
一方、電子部品、半導体・部品、PC関連、通信機器、通信サービスなどが売られました。
18日(月)の創業板指数は0.44%安となりました。
18日(月)の上海50指数は0.62%高となりました。
共産党、国務院は17日(日)、「新時代における西部大開発の新局面を推し進めるための指導意見」を発表しました。待望の政策が出たことで、関連銘柄に資金が流入しました。
西部地区において、条件を満たす企業の国内上場、増資、債券発行、資産証券化などを通して直接金融の比率を高めるといった内容が含まれていました。
西部大開発自体は、20年来の重大プロジェクトですが、暫く新しい政策が出ていませんでした。
今回は、14カ月ぶりの新政策です。
西部地域は農業関連、非鉄金属関連が多いため、具体的にはそうしたセクターが買われました。
一方、悪材料もありました。
トランプ大統領は13日(水)、昨年発令した"アメリカ企業によるリスクの高い外国製通信機器の調達を禁じる"大統領令の期限を更に1年延長しました。
アメリカ商務省では1年前から華為技術とその関連企業に対して、アメリカ製品、ソフトウエアの輸出を禁止する措置(エンティティリスト入り)を打ち出しているのですが、15日(金)には、その条件を厳しくすると発表しました。
これによると、米国製の製造装置や技術を使った海外で生産・開発された半導体製品についても、華為技術への販売が制限されることになります。
華為技術は半導体を台湾企業であるTSMCに委託生産しているのですが、これについても影響を受けることになります。
アメリカはコロナウイルス感染拡大で景気が大きく落ち込んでいます。
4月の鉱工業生産は統計が遡ることのできる101年間で最低となる▲11.2%減となりました。
新型コロナウイルス感染拡大で、需要が縮小したことに加えサプライチェーンが阻害されたことが要因で製造業生産は▲13.7%減、設備稼働率は64.9%に落ち込んでいます。
こうした状況で、まさかアメリカの主要企業にとっても大きな痛手となるような政策を打ち出そうとするとは本土投資家は思っていませんでした。
市場では大きなネガティブサプライズと受け取られ、華為技術の取引先、同業などが売られることになりました。
22日(金)には全人代が開催されます。
引き続き、政策情報への期待があるので、18日(月)の上海総合指数はかろうじてプラスを維持しましたが、買われたセクターをみると、西部大開発関連ではありますが、農業関連などは景気変動の波に影響されにくいディフェンシブなセクターでもあります。
足元では見通しが悪くなってきました。
ただ、トランプ大統領の華為技術への規制の強化は、現在のアメリカの経済情勢を考えると実施の困難な政策です。
猶予期間が120日間あるので、その間に中国側から何らかの譲歩を引き出したいというのが本音なのでしょう。
景気への悪影響が大きいだけに、次のトランプ大統領の発言はポジティブサプライズとなる可能性もあります。