中国株投資家のみなさん、こんにちは。
19日(木)の香港ハンセン指数は僅かに安寄り後、急落しましたが、後場からは下げ止まり、少し戻すといった展開となりました。
終値は3.66%安の24309.07ポイントで引けています。
19日(木)の中国企業指数は2.74%安となりました。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
中国メディアの報道(捜狐、3/19/19:15)によれば、海外(グレーターチャイナ以外)における18日(水)の累計患者数は13万9365人で前日と比べ1万6426人増加、死亡者数は5860人で906人増加しました。
これに対して中国(グレーターチャイナ)は累計患者数は8万1262人ですが前日と比べ111人しか増えていません。
死亡者数は3250人ですが、8人しか増えていません。
中国では感染の封じ込めに成功した一方で、世界全体では、正にパンデミックといった状態になってきました。
以下に国別の累積患者数とその1日の増加数(カッコ内数字)を示しておきます。
イタリア:3万5713人(+4207)
イラン:1万8407人(+1046)
スペイン:1万4769人(+1053)
ドイツ:1万2327人(+2245)
アメリカ:9370人(+2848)
フランス:9134人(+1404)
韓国:8565人(+152)
日本:1648人(+53)
アメリカ、EUでは患者数が急拡大しています。
こうした状況でNYダウのボラティリティは大きく高まっています。
18日(水)のNYダウは▲6.30%下落、とうとう2万ドルを割り込んでしまいました。
場中では、一時、トランプ大統領が大統領に就任する前の株価水準を下回っています。
2月12日に過去最高値を記録したのですが、大統領就任後の大相場が僅か1カ月強ですべて吹き飛んでしまうような強烈な下げとなっています。
通常、株が売られるときは、よりリスクの小さい債券、特に米国債に資金がシフトし、それらが買われる(利回りが低下する)のですが、今回は債券も売られる(利回りが上昇する)ような状態です。
10年物米国債をみると、3月9日(月)は0.6%を下回っていた利回りが、その後上昇し、18日(水)には1.183%まで上昇しています。
投資家は世界で最も流動性が高く、安全だとされる米国債でさえ、その保有リスクを感じているありさまです。
先週もこのブログで書きましたが、原油先物が激しく売られています。
WTI原油先物は1月8日には65ドルを超えていたのですが、その後下落基調となりました。
3月に入り急落、18日(水)には安値20ドル台を付けるなど酷く売られています。
原油価格の下落によりオイルシェル企業が破綻し、それが社債市場の破綻、債券市場の破綻、金融システムの破綻に繋がってしまうのではないかといった恐怖が投資家心理を委縮させています。
トランプ大統領は13日(金)、イギリスを除く欧州について30日間の入国禁止措置を発動、16日(月)には10人以上の集まりや旅行、レストラン、バーなどでの外食を今後15日程度自粛するよう勧告しました。
この時には、新型ウイルス肺炎の流行について、7、8月頃ごろまで続く可能性があると発言しています。
また、アメリカ疾病対策センターは15日(日)、今後8週間にわたって50人以上が集まるイベントの中止または延期を要請しています。
これでは、航空、ホテル・レストラン、娯楽などのサービス産業を中心に、広く消費関連産業が大きな打撃を受けてしまいます。
アメリカは、GDPに占める民間消費の割合が大きく、68%(2018年、国連データ、以下同様)を占めています。
ちなみに、中国は39%に過ぎません。
中国の2月の経済データは主要データがすべてマイナスの伸び率となるなど、歴史的な酷い結果となったのですが、アメリカも、中国と同じような人の移動を制限するような措置を行えば、景気は非常に大きな悪影響を受けるでしょう。
これでは投資家はリスクを取りようがありません。
グラフを見ていただければお分かりの通り、NYダウ、TOPIX、ハンセンは、同様に急落していますが、これは主力のグローバル投資家がリスク回避に動いていることが要因です。
株価が底打ちするには、まず、コロナウイルスを封じ込めなければなりません。
その上で、治療薬、ワクチンの開発が進んで初めて、底打ちということになるでしょう。
今週も香港市場は試練の相場が続きそうです。