中国株投資家のみなさん、こんにちは。
8日(月)の上海総合指数は安寄り後、売りに押される展開となりました。ただ、後場に入ると売りは止まり、狭いレンジでの揉み合いとなりました。
終値は2.58%安、2933.36ポイントで引けています。
セクター別では、養鶏、豚肉、トウモロコシ生産など一部の農業関連が買われました。一方、通信設備、通信、自動車、PC、非鉄金属、電気設備、新材料などが売られました。
8日(月)の創業板指数は2.65%安となりました。
8日(月)の上海50指数は2.17%安となりました。
3指数の中では最も低い下落率となっていますが、日足チャートでみても、3指数の中では相対的に強い動きとなっています。
上海総合指数は7月1日(月)、週末に行われた米中首脳会談がポジティブサプライズとなったことから大きく上昇したのですがその後、上値を追う投資家は多くはありませんでした。
3000億ドル相当の中国からの輸入品に対する追加関税がかけられないことになったとはいえ、5月には、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する追加関税率が10%から25%に引き上げられています。
中国側も600億ドル相当の輸入品に対して6月1日より、5~10%の追加関税率を5~25%に引き上げています。
華為技術に対するアメリカ製品の禁輸が解かれることになったのですが、現状では一部が解かれたに過ぎません。
つまり、トランプ大統領は5月に対中制裁を強化したのですが、米中首脳会議を通じて、その強化された部分がすべて元に戻ったわけではないのです。
上海総合指数は先週、上値が重かったのですが、冷静に考えてみれば、当然と言えなくもありません。
先週末のNYダウ指数は0.2%ほど下げています。
非農業部門雇用者数の増加は22万4000人に達し、市場予想である16万人を上回りました。
雇用情勢の良さはアメリカ経済の堅調さを示しています。
これではFOMCは利下げを行う理由に窮してしまいます。
下げ幅は小さいのですが、その背後には市場に対して影響の大きい話が潜んでいました。
グローバル投資家のリスク許容度がやや小さくなったことで、A株市場から資金が流出することになりました。
滬港通、深港通を通した海外からの資金移動は33億3000万元の流出となり、流出額は5月23日以来の規模となりました。
8日における上海市場の売買代金は2056億元であり、深センとの合計では、4682億元に達しています。
海外投資家の資金流出規模と比べれば、非常に大きな額ではあります。
とはいえ、海外投資家の投資マインドに国内機関投資家のマインドは影響を受けやすいことを考え合わせれば、その影響は大きかったと言えそうです。
上値が重い以上、ちょっとした悪材料によって、市場は結構大きな調整を受けたといった感じもします。
投資家は足元の中国経済の動きに注目しています。
15日(月)には4-6月期の実質経済成長率が発表される予定で、エコノミストたちの予想をみると、1-3月期よりも1、2ポイント低い6.3%、6.2%あたりに集中しています。
景気減速が予想よりも大きければ、もちろんそれは売り材料となるのですが、それに対して政府がどのように対応するかが重要なポイントとなるでしょう。
直近の政策スタンスを予想する上で、幹部の発言は重要なヒントとなるのですが、李克強首相は7月2日(火)、大連で開催された2019年夏季ダボス会議開幕式で講演を行っています。
その内容をみると、アメリカに対しては改革開放を積極的に進めるとアピールする一方で、国内経済運営方針は、短期的な景気対策よりも、長期的な経済発展の質を高めることを重視しています。
これまでと同様、ある程度の景気減速を許容しても、バブルの発生、拡大を厳しく抑制しようとしているようにも読み取れます。
政府政策に対する過度の期待は禁物だと考えています。