中国株投資家のみなさん、こんにちは。
4日(木)の香港ハンセン指数は高寄り後、場中で5月8日以来の高値を更新したものの、売買代金は膨らみません。
前引け前には前日比マイナスに転じると、その後は狭いレンジでの売り買いが続き、終値は0.21%安の28795.77ポイントで引けました。
4日(木)の中国企業指数は0.08%安となりました。
日足チャートを見る限り、香港ハンセン指数と比べ戻りが弱く、75日移動平均線に上値を抑えられています。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
米中首脳会談の結果を受けて、香港ハンセン指数は2日(月)大きく上昇しましたが、その後は高値圏での横ばいといった動きです。
3000億ドル相当の中国からの輸入品に対する追加関税の実施を見送ったこと、華為技術への禁輸を緩和したことなどがサプライズとなったわけですが、同時に、すべての件がトランプ大統領によってはじめられたことであるのと同時に、すべての件をトランプ大統領が決めているのだということが改めて明らかになりました。
トランプ大統領の行動がストレートに株価に影響することも、改めて思い知らされた感があります。
トランプ大統領が次期大統領選のことで頭がいっぱいだということはよくわかるのですが、では再選されたとして何がしたいのでしょうか。
カネ、地位、名誉の中で、これまで持ってなかった地位や名誉を手に入れたいだけなのでしょうか。
そのためにアメリカの保守白人層たちの最大公約数的な要求を満たそうとしているだけなのでしょうか。
政治的なイデオロギーのようなものを持ってないことはよくわかるのですが、ひょっとして我々が知らないだけで、保守白人層以外にも強力な支持者がいて、そうした支持者の持つ政治的なイデオロギーを実行しようとしているのでしょうか。
トランプ大統領の今後の行動が読み切れないので、米中貿易問題についても、これで緩和に向けて一本道で進んでいくのか、それともまたどんでん返しがあるのか、簡単には予想ができません。
そうした不透明感が、中国株に対して、今一つ完全な強気に転換できない理由となっているのではないかと思います。
一方、NYダウ指数は3日(水)、史上最高値を更新して引けています。
景気減速懸念が高まる中、金融緩和期待が強まることで、多くの投資家が強気に傾いています。
アナリストや業界関係者たちは、これまでにいろいろな教育を施されており、株式市場はおおよそ合理的であり、ファンダメンタルズや、資金流動性の強弱などによって影響を受ける需給で決定されるのだと信じています。
少なくとも、大統領を含め、特定の人物が株価の先行きをコントロールできるなどということを信じていません。
しかし、トランプ大統領は型破りな人物です。強烈な指導力(?)で株価に影響を及ぼす要因に関与し、株価さえ動かすことができるのではなかろうかと考える市場参加者は増えているように思います。
自然科学のような合理的な市場メカニズムなどがあると考えるのは幻想で、実際のマーケットは参加者がどう考えるかがすべてだと考えています。
トランプ大統領なら再選されるまで株価が上昇トレンドを形成させるような政策を出し続けるのではないかといった期待がアメリカ市場の現在のムードを形成しているように思います。
トランプ大統領の後押しによりアメリカ市場で資金流動性が高まるということは、世界全体で資金流動性が高まることに繋がります。
それが行き過ぎてバブルに向かう可能性すらあるでしょう。
"経済面で対中関係を悪化させることはアメリカの景気に大きな影響がある"ということがはっきりとわかってきた以上、トランプ大統領が今後行い得る対中強硬策は限られます。
中国株がこの先、景気悪化懸念で売られることがあれば、そこは絶好の買い場となるでしょう。