中国株投資家のみなさん、こんにちは。
1日(月)の上海総合指数は高寄り後、終日買い優勢の展開となりました。日足チャートは小さな陽線に留まってはいますが、75日移動平均線を超えてきています。
終値は2.22%高、3044.90ポイントで引けています。
セクター別では、電子部品、半導体・部品、通信設備、通信サービスなどが大きく買われています。
1日(月)の創業板指数は3.75%高となりました。
こちらの日足チャートは小さな下髭が出ていますが、比較的大きな陽線が立っています。
1日(月)の上海50指数は2.47%高となりました。
3指数の中では最も強い動きとなっており、4月22日に記録した今年の場中高値を目指す展開となってきました。
この日の上昇要因は言うまでもありません。
29日に行われた米中首脳会談がポジティブサプライズとなったことが最大の要因です。
アメリカは中国の輸出品について、新たな関税をかけることはなくなりました。
また、両国の経済貿易代表団による協議が再開されることになりました。
ここまではある程度、予想されたことですが、トランプ大統領はG20大阪サミットの閉幕後の記者会見で、「大量の米国製品がファーウェイのさまざまな製品に使われており、取引を続けてもかまわないと思っている」と述べています。
その後、汎用品輸出のみ容認するといった政府高官からの発言があったようですが、大統領が禁輸緩和を口に出した以上は、ほぼなし崩し的に輸出が行われる可能性が高いでしょう。
こちらの話は大きなサプライズとなりました。
それはこの日の上昇セクターにしっかりと表れています。
今回の米中首脳会談の最大のポイントは、すべてのことをトランプ大統領が決めているということが改めてはっきりしたということです。
特に驚いたのは、ツイッターで呟いただけで、事務方の調整を飛び越えて、金正恩総書記と首脳会談をセッティングしてしまったという点です。
米中貿易戦争についても、対中強硬派が牛耳る通商代表部が中国に対して厳しく対峙しているのに対して、米中首脳会談一つですべてを振り出しに戻すようなことをしています。
中国側がアメリカに何か大きな譲歩をしたかと言えばそういうことはありませんでした。
ただ、国家発展改革委員会は6月30日、「外商投資奨励産業目録(2019年版)」、「自由貿易試験区外商投資アクセス特別管理措置(ネガティブリスト)(2019年版)」、「外商投資アクセス特別管理措置(ネガティブリスト)(2019年版)」を発表しています。
国家が奨励する投資領域が製造業を中心に広げられました。外商投資に関するネガティブリストは48件から40件に減少しています。
こうした対外開放政策をトランプ大統領が評価したということなのでしょうが、もしこれを、通商代表部を通して評価していたら、決してこのような結果にはならなかったと思います。
結局、トランプ大統領は、表面的には中国に強く出ているというポーズを、対中強硬派を通じて取りながらも、最終的には景気や株価を考慮して、対中関係を良好に保つといったバランスを取っているように見えます。
トランプ大統領が自分の再選のために政治を行っており、それが上手く機能しているとみるならば、米中貿易戦争は形の上では冷戦状態が続いたとしても、実質的な影響は大したことはないとみるべきでしょう。
米中経済は既に分離できないほどしっかりと結びついてしまっています。
そうした現実がある限り、米中貿易戦争はシナリオのあるプロレスと同じです。