中国株投資家のみなさん、こんにちは。
25日(月)の香港ハンセン指数は高寄り後、一旦利益確定売りに押されたのですが、後場からまとまった買いが入り、日足は寄引同時線の形となりました。
終値は0.50%高の28959.30ポイントで引けています。
今年に入り、強い上昇トレンドが出ています。
25日(月)の中国企業指数は1.78%高となりました。
こちらは本土市場の急騰につれ高となっています。
参考として、2018年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。いずれも上昇していますが、上海総合指数は急騰となっています。
この日の本土市場は、上海総合指数が5.60%高、創業板指数が5.50%高、上海50指数が6.28%高となるなど、暴騰となりました。
上海、深セン市場合計の売買代金は1兆406億元で、先週末と比べ67%増えています。
本土市場の強烈な上昇がそのまま香港市場の上昇要因となっています。
中国共産党中央政治局は22日午後、金融サービスを改善し、金融リスクの発生を防ぐといったテーマで第十三回集団学習会を開きました。
マスコミは25日朝、この学習会の内容を一斉に発表、多くの投資家はそれを好材料としてとらえました。
その結果、本土では証券42銘柄全てがストップ高となりました。
内容はおよそ以下の通りです。
・国内外の金融情勢に対する認識を深め、金融の本質を正確に把握し、金融供給側構造性改革を深く実行し、安定成長とリスク防止との関係を上手く調整し、重点領域におけるリスクを正確、有効に処理し、金融改革の開放を深く実行し、金融サービスの実体経済に与える能力を増強し、内在する重大なリスクの攻防戦を含め金融リスクを防止、解消し、我が国金融業の健全な発展を推し進める。
・金融は、実体経済への服務のため、経済社会の発展や人民群衆の需要を満足させなければならない。金融が活発であれば、経済も活発になる。金融が安定すれば、経済も安定する。経済が発展すれば、金融も発展する。経済が強くなれば金融も強くなる。経済が身体ならば、金融は血液である。両社は共存共栄の関係にある。我々は金融の本質と規律に対する認識を深め、中国の実態に立脚し、中国の特色のある金融発展の道を歩まなければならない。
・規範、透明、開放、活力のある、靭性のある資本市場を建設し、資本市場の基本的制度を修正し、市場の入口と出口の両方をしっかりと押さえ、取引の全過程の監督管理を強化する。
習近平国家主席は1月23日、中央全面深化改革委員会第六回会議において科創板設立について発言しています。
これまで、国家主席が自ら金融・資本市場に関して細かい内容まで触れて発言したことはありませんでしたが、今回は2回目となります。
米中貿易協議で金融開放や、政府補助金の支給停止などを迫られていることへの対応ともとれる動きです。
今後、外資の本土市場流入の可能性を示唆する出来事ともいえそうです。
もう一つ重要な好材料がありました。
21日(木)~24日(日)にかけてワシントンで開かれていた閣僚級貿易協議で十分な進展があったとして、トランプ大統領は24日(日)、3月2日(土)から行われることになっていた追加関税措置引き上げを見送る意向を示しました。
同時に、習近平国家主席との首脳会談を開くつもりだとも発言しています。
3月下旬に開く方向で調整しています。
これらの材料に強く反応して本土市場は上昇しています。
ハンセン指数については、高寄り後、売り買い交錯といった感じですが、欧米機関投資家の中には、中国側とアメリカ対中強硬派の意見が依然として折り合わないことにリスクを感じているのではないかとみられます。
ただ、トランプ大統領の発言は株式相場や経済、金融に関するものが多く、イデオロギーを重視した発言をすることはほぼありません。
トランプ大統領は21日(木)、ツイッターを通じて、「米国は進んだ技術を排除するのではなく、競争を通じて勝利したい」と投稿しています。
24日(日)には、米中貿易協議の進展状況によっては「大きなニュースが1、2週間以内にあるだろう」と述べています。
トランプ大統領は既に米中貿易戦争の停戦を決めているのだと思います。
香港市場の投資家は、本土市場の投資家ほどには楽観に傾いていないでしょうが、いずれにしても、長期的な好材料が多いので、しばらく上昇相場が続くとみています。