中国株投資家のみなさん、こんにちは。
14日(月)の香港ハンセン指数は安寄り後、売りに押される展開となったのですが、後場に入ると狭いレンジでの揉み合いとなりました。
終値は1.38%安の26298.33ポイントで引けました。
9日(水)に25日、75日移動平均線を超えていて、これらが下値支持線となっています。
14日(月)の中国企業指数は1.55%安となりました。
移動平均線との距離感で言えば、今回の戻りはあまり強くありません。
75日移動平均線に上値を抑えられる一方、25日移動平均線が下値支持のような格好になっています。
参考として、2018年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。この1週間のハンセン指数の動きは、上海総合指数よりも、NYダウ、TOPIXに近い動きとなっています。
株価に影響したかどうかは別として、前場に発表された貿易統計は市場予想を大きく下回りました。
12月の輸出(ドル建て、以下同様)は▲4.4%減で、前月の3.9%増(5.4%増から1.5ポイント下方修正)と比べ▲8.3ポイント悪化、市場予想の2.0%増と比べ▲6.4ポイント下振れしました。
輸入は▲7.6%減で前月の2.9%増(3.0%増から0.1ポイント下方修正)と比べ10.5ポイント悪化、市場予想の4.5%増と比べ12.1ポイント下振れしました。
その結果、貿易黒字額は571億ドルとなり、前月と比べ黒字額は152億ドル増えました。
対米輸出については、前年の正確なデータがありませんが、累計値とその伸び率から推計すると▲3.5%減でした。
11月の推計値は10.1%増なので、12月は11月と比べて13.6ポイント悪化したことになります。
アメリカ向け輸出の伸びは大きく悪化しているので、米中貿易戦争の影響が出ていると言えるでしょうが、それは他の国の変化と比べて突出しているわけではありません。
世界全体で中国の輸出需要が落ちているということです。
米中貿易戦争が激化しているので他国が中国からの輸入を抑えているというようなこともあるのかもしれませんが、そのことよりも、世界全体の景気が悪くなっているから中国の輸出需要が落ちているとみる方が自然だと思います。
一方、輸入については、原油、天然ガス価格の低下が一因だと言えるでしょう。
加工貿易が全体の貿易の3分の1程度あるので輸出減が輸入減に繋がったとも言えるでしょう。
しかし、それらだけではこの大幅な悪化を説明するのは難しく、国内の自動車販売台数が減少している状況などを考えると、国内需要が悪化しているとみるべきでしょう。
この統計から、中国も、グローバルも、需要が落ちてきていることが読み取れます。
これは、世界の株式市場においてもネガティブサプライズと言えそうです。
ただし、最初に指摘したように、ハンセン指数は後場からほとんど動きが無くなっています。
先週は、米中貿易戦争の緩和期待や、本土当局による景気対策への期待が株価を押し上げました。
景気が悪いこと、ひょっとしたらコンセンサス以上に悪いかもしれないことは織り込み済みであったかもしれません。あるいは投資家の景気への注目度は高くなかったかもしれません。
この日の下げは、先週上昇したので利益確定売りが出たこと、投資家が注目する米中貿易戦争や、本土当局による景気対策に関して、特に目立った動きがなかったことが要因だとみています。
暫くの間は、こんな相場付きが続きそうです。