中国株投資家のみなさん、あけましておめでとうございます。
3日(木)の上海総合指数は安寄り後、一旦上昇に転じたのですが、買い方の勢力は弱く、その後は売り方に押し戻されてしまいました。
ただ、下値を積極的に売ってくる投資家も少なく、後場に入ると狭いレンジでの揉み合いとなりました
チャートは寄引同時線、短い下髭と長い上髭といった形で、終値は2464.36ポイント、0.04%安で引けています。
セクター別では、国防軍事、証券、非鉄金属、銀行、鉄鋼などが買われています。
一方、通信設備、電子部品、白物家電、バイオ、化学などが売られています。
場中ベースでは昨年10月19日に付けた最安値をかろうじて上回っていますが、終値ベースでは2014年11月20日以来の安値となっています。
3日(木)の創業板指数は1.16%安となりました。
27日(木)以降、崩れています。
10月19日の安値まではまだ、多少余裕がありますが、失望売りが止まらない感じで、下げ方としては、あまりよくありません。
3日(木)の上海50指数は0.29%高となりました。
3指数の中で、唯一前日比プラスで引けていますが、2日には、終値ベースでは2016年11月9日以来の安値を更新しています。
アップルは2日(水)、投資家向けのレターを通して、2018年10~12月期の売上見通しを11月時点の予想レンジから6~10%低い840億ドルに引き下げました。
2016年7~9月以来の減収になる見通しで、グローバル市場では大きなショックとなりました。
アップルがその要因として、真っ先に指摘したのは、中国経済の予想以上の減速、米中貿易摩擦の影響の2点です。
これはグローバル市場における反応ですが、中国市場においても景気減速懸念は無視できない悪材料だと思います。
ただ、31日(月)のブログで書きましたが、31日現地時間10時に発表された12月の官製・製造業PMIは49.4で、前月と比べて0.6ポイント低下、市場コンセンサスである49.9と比べ、0.5ポイントも下振れしたにもかかわらず、香港市場はこの日、上昇して引けました。
トランプ大統領は29日(土)、習近平国家主席と長時間電話会談を行い、交渉が大きな進展を見せているとツイートしており、米中貿易摩擦の緩和といった好材料がより強く意識されただろうと指摘しました。
しかし、3日(木)の本土市場を見る限りでは、米中貿易摩擦の緩和ではなく、緊張を意識した相場付きです。
セクターではなく、テーマで括り直して示すと、華為関連、5G関連、通信設備、電子部品などの下げが厳しくなっています。
これらのテーマはいずれも中国製造2025に関連するところで、米中貿易摩擦の激化で最も売られるところです。
また、白酒関連も大きく売られていますが、ここは外国人投資家が好んで買うセクターです。
一方で、国防軍事関連、金関連が大きく買われていて、米中関係の緊張が強く意識されています。
さらに、証券、銀行といったところが買われていますが、相場安定化を目的とした国家隊の買いが入った可能性があります。
足元で、米国債10年の利回りが低下しています。
資金が安全資産に向かっており、米中貿易摩擦の激化によって、米中の景気減速が顕在化し、それが国際金融市場に影響しかねない状況です。
本土市場においても、こうした外部環境の悪さが投資家心理を更に冷え込ませる可能性があります。
株価急落を避けたい当局がどう対応するのか注目されます。
政策待ちです。