中国株投資家のみなさん、こんにちは。
10日(月)の香港ハンセン指数は大きく安寄りした後、出来高が細る中、狭いレンジでの値動きとなりました。
終値は1.19%安の25752.38ポイントで引けました。
3日(月)には米中首脳会談の結果を好感し、6月中旬以降の下げ相場における上値抵抗線も上に抜けてきたのですが、週後半売り込まれ、10日(月)は25日移動平均線を下回って引けています。
10日(月)の中国企業指数は0.93%安となりました。
3日(月)には5日、25日、75日移動平均線を上に抜けたのですが、先週後半の急落で、逆に下に抜けてしまいました。
参考として、今年に入ってからの主要4指数の値動きを示しておきます。ハンセン指数は、NYダウ指数、TOPIXと同様に先週後半から崩れています。
米中首脳会談が成功し、貿易摩擦が緩和に向かうと思った矢先、再び大きな悪材料が出てきました。
6日(木)にお伝えした通り、華為技術の孟晩舟CFOがカナダ当局に拘束されました。7日に行われた釈放のためのヒアリングを経ても依然として逮捕されたままの状態です。
中国外交部の楽玉成副部長は9日、アメリカのブランスタッド駐中国大使を呼び出し、この件で強烈な抗議を行い、逮捕状の撤回を求めています。
また、10日(月)のメディア報道によれば、多くの企業が華為技術を応援しているようです。
例えば、夢派科技のホームページでは「華為声援に関する通知」が掲載されていて、それによれば、あらゆる製品設計に関しては華為海思のチップ設計を優先させ、従業員が華為技術かZTEのスマホを買う場合、市場価格の15%の手当てを支給すると発表しています。
さらに、もし、従業員がアップルのスマホを購入した場合、市場価格に基づき、100%の罰金を科し、設備に関しては従業員が車を買う場合を含め、アメリカブランドの購入を禁止するとしています。
多くの中国企業が同様な華為技術の支援に動き出しています。
問題はこじれてきましたが、それも限界があると思います。
というのも、アメリカが華為技術に対して厳しい政策を打ち出すと、アメリカ企業にも大きな影響が出てしまうからです。
華為技術は、スマホ、PC、通信設備などを生産しており、2000社超の仕入先を抱えています。
国信証券のレポートによれば、金額ベースで取引額の大きい企業は、物流サービスのDHL、PC組み立ての富士康、半導体チップのクアルコム、アナログ・デバイセズなどです。
そのほか、ブロードコム、インテル、テキサスインスツルメンツ、マイクロソフト、オラクル、シノプシスなど、多くのアメリカ企業が仕入先として名を連ねています。
Gartnerの資料によれば、2017年における華為技術の半導体チップ購入金額は142億5900万ドルでサムスン電子、アップル、デル、レノボに次いで世界第5位で、前年比32.1%増加しています。
もし、アメリカ政府が華為技術に対して輸出禁止措置を採るようなことになれば、多くのアメリカ企業が得意先を無くすことになってしまいます。
トランプ大統領は株価の動きに強い関心を持っており、株価に大きな影響が出てきそうな政策は実施できないとみています。
グローバル市場はアメリカの利上げ懸念、米中貿易摩擦の激化などが要因となって不安定な動きとなっていますが、逆説的な見方ですが、トランプ大統領は株価の急落を避けようとする以上、米中貿易摩擦はこれ以上激化しないだろうと予想しています。
香港ハンセン指数の底割れは免れるとみています。