中国株投資家のみなさん、こんにちは。
米中関係、エネルギー、航空、金融で緊密化!!
トランプ大統領は8~10日の日程で中国を訪問した。外交関係を安定させる上で最も効果的なのは経済交流である。今回の訪中によって、経済貿易領域で2535億ドルのビジネス合意がなされている。
中でも、注目されるポイントは3つある。
1つ目は、エネルギー関連である。
中国の国家エネルギー投資集団有限責任公司とアメリカのウエストバージニア州はオイルシェール全産業チェーン開発モデルプロジェクトに関する戦略提携フレームワーク協定にサインした。
意向を示しただけの提携ではあるが、中国側はウエストバージニア州で資金投入を含め既に大規模な前準備を進めており、プロジェクトについて実現の可能性が非常に高くなったといえよう。
現地では就業面、投資面で大きな期待が寄せられており、中国側としてはアメリカのオイルシェール開発を通して利益を得られるといった大きなメリットがある。
2つ目は航空関連である。
米中経済協力百日計画の一項目として挙げられている事項であるが、両国民航当局は「双方向航空安全協定」における適航管理プログラム(airworthiness procedures)にサインした。
中国は大型航空機の運航を計画しているが、海外、特にアメリカとの協力を必要としている。また、中国は世界で第2位の航空機市場であり、潜在的な規模は大きいものの、実際の飛行機数はアメリカの半分に過ぎない。
アメリカのボーイング社は中国において大きなビジネスチャンスがある。
3つ目は金融関連である。
金融業の投資比率制限を大幅に緩和すると発表した。
具体的には以下の通り。
証券、ファンド管理、先物会社に対する投資制限を51%に拡大し、三年後には制限を無くす。中国の銀行や金融資産管理会社に対する外資単独では20%、外資合計では25%を超えることができないといった制限を国内基準と一致させる。
3年後には、単独もしくは複数の外国投資家が生命保険業務を行う保険会社への投資比率を51%に拡大し、5年後には制限を無くす。
今後、金融監督管理部門は中国の法律規則に従い具体的な条例を作る。今回の決定は米中首脳会談期間中に発表されたものであるが、WTOの原則に沿って、世界のすべての国家に平等に開放するとしている。
そのほか、段階的に自動車関税を引き下げる。2018年6月までに自由貿易試験区において専用車、新エネルギー自動車の外資比率制限の開放に関するテストを実施する。
また、トウモロコシからアルコールを醸造した後にできる粕に対する輸入や国内流通の段階で発生する増値税について、免税政策を復活させる。
一方、中国側がアメリカに要求したのは中国企業に対する待遇改善である。中国のハイテク製品輸出管理制限の緩和であり、中国のWTO加盟議定書15条義務の履行、中国企業のアメリカ投資に対する公平な待遇である。
そのほか、中金公司が単独でアメリカにおける金融業務免許を申請できるよう推し進めることや、貿易救済措置を慎むことなどを要求している。
トランプ大統領の外交政策において、最も重要なことは、アメリカ第一主義、反グローバル化である。アメリカ側の利益を保障することであり、アメリカ人の従業機会、収益機会を守ることである。
解決の難しいイデオロギー面での対立が少ないこと、達成目標が具体的であることは、中国にとってありがたいことである。
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