たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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中国、世界的な金融バブルを警戒感!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

第3四半期の国家隊、バブル抑制に重点

7-9月期における国家隊の資産運用状況が明らかになった。11月2日の中国基金報がその詳細を伝えている。相場への影響が大きく、投資家の関心が高いことから、今回はその内容について紹介したい。

まず、国家隊の定義だが、大きく分けて滙金公司(2口座)、証金公司(11口座)、外貨管理局傘下の投資プラットフォーム(3口座)、国家隊基金(5口座)の4グループからなる。

滙金公司は国家資金による中央系国有企業への出資などが中心であり、商業銀行、証券会社、保険会社などに出資するグループであり、中央滙金投資有限責任公司、中央滙金資産管理有限責任公司の2つの機関がある。

証金公司は、本来の業務は証券会社に信用取引に必要な資金を貸出すことなどであるが、2015年夏の株価急落時に、金融当局主導により、中国人民銀行などからの借入、自己資金のほか証券会社から吸収した資金も用いて、相場の買い支えを開始、
それ以来、金融当局が相場を安定化させる機関として活用している。傘下には10の基金資産管理計画を持っている。

外貨管理局傘下の投資プラットフォームは、外貨準備資金の国内運用部門であり、梧桐樹投資プラットフォーム有限責任公司、北京風山投資有限公司、北京坤藤投資有限責任公司がある。

国家隊基金は、ここで示した国家隊の出資による基金であり、易方達瑞恵、嘉実信機遇、招商豊慶、南方消費活力、華夏新経済の5つからなる。国家隊の指示で運用していると言われている。

全部で21名義の口座があるわけだが、2017年9月末における合計の時価総額は4兆4300億元で過去最高となった。合計で1128銘柄を保有しており、A株時価総額の7.23%を占めている。

ちなみに、今年第2四半期末から昨年第3四半期末に遡って示すと、時価総額は4兆1200億元(今年第2四半期、時価総額比率7.16%、以下同様)、3兆8200億元(6.56%)、3兆5700億元(6.53%)、3兆5500億元(6.80%)であった。
2016年末をボトムに、時価総額比率は拡大している。

2017年9月末時点におけるセクター別運用比率では、銀行の比率が圧倒的に高く、全体の76.4%を占める。次に大きいのは保険で3.7%、証券が3.3%で、金融セクター全体では83.4%を占めている。
大手金融機関は民営化され、公開されているが、そうした枠組みの中においても、国家が資本の面から銀行を支配しようとしていることがわかる。

そのほか、バイオ医薬、建設内装、交通運輸、公共事業、機械設備、化学工業、鉱業、食品飲料、不動産、自動車、家電、電気設備、電子部品といった順で比率が高くなっている。

金融への運用ウエートが高いため、大型株中心の運用と思われているが、運用銘柄を時価総額でクラス分けすると、50~100億元が336社、100-200億元が250社、50億元以下が181社である。
また、200~300億元は127元である。ここまでで894社となり、300億元以下が社数ベースでは全体の79.3%を占める。中小型株での運用も少なくないことがわかる。

全運用資産のグループ別時価総額比率をみると、滙金公司が全体の78.8%を占め、証金公司が18.4%、外貨管理局傘下の投資プラットフォームが1.6%、国家隊基金が1.2%を占めている。

滙金公司は994銘柄に投資し、時価総額は3兆4889億元で、第2四半期と比べ3513億元増加している。A株時価総額全体の5.69%(+0.25ポイント)を占めている。

証金公司は440銘柄に投資し、時価総額は8167億4000万元で、第2四半期と比べ258億元減少している。A株時価総額全体の1.33%(▲0.13ポイント)を占めている。

外貨管理局傘下の投資プラットフォームの時価総額は519億8000万元で、第2四半期と比べ30億9000万元増えている。国家隊基金の時価総額は724億2000万元で第2四半期と比べ232億元減少している。

2017年9月末の時価総額は6月末と比べ7.4%増加しているが、ウエートの高い滙金公司の時価総額が11.2%増加しているのが大きい。ただし、これは滙金公司が新たに運用資金を増やしたわけではない。株価上昇で資産価格が増加しただけである。

一方、全体の18.4%を占め、運用規模が大きく、また、金融当局が相場を安定化するために運用しているとみられる証金公司の時価総額は3.1%減少している。更に、外貨準備の運用舞台である外貨管理局傘下の投資プラットフォームは24.3%減少している。

国家隊基金については6.3%増加しているものの、9月末における株式運用比率は29.35%に過ぎず、2016年以来の平均である41.7%と比べ、大幅に低下、キャッシュポジションを高めている。運用姿勢は保守的になっている。

以上の状況から判断すると、第3四半期の国家隊は株価の下支えをおこなったというよりも、株価のバブルを防ぐために、株式を売り、相場を冷却させるといった行動を取ったとみられる。

そうした背景で、上海総合指数は緩やかな上昇トレンドが出ている。こうした運用状況を見る限り、大きく下がれば買う余力があり、また、買い支えるだろうが、バブルの気配があれば、売ってくるだろう。

投資家にとってはバブルが発生しない分だけ、やや残念な見通しだが、長期投資といった観点からは市場の安定は望ましい。

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