中国株投資家のみなさん、こんにちは。
11日(月)の上海総合指数は高寄り後上昇したのですが上値は重く、持ち合い圏を上抜けするほどのエネルギー(売買代金)はありません。
人民元高を好感して製紙が買われたり、卸売物価の上昇を好感して、非鉄金属、石油、石炭などが買われたり、電気自動車、リチウム電池関連を中心とした自動車・部品が買われたりしていて、材料物色は進んでいます。
ただ、銀行が軟調であるなど、大型株が弱い点が少し気になります。
最近の動きを振り返ってみると、8月25日(金)、28日(月)に大きく上昇した後は、日柄調整が続いています。
また、11日(月)の創業板指数は0.59%高となりました。
7月中旬を底に回復基調をたどっている創業板指数ですが、9月に入り、相場の強弱判断の分かれ目として使われる200日移動平均線を抜けてきました。先週後半は少し調整した後、この日は少し上昇しましたが、200日移動平均線に沿って緩やかに下げているといった感じです。
ただ、5日移動平均線が先週後半から200日移動平均線を上抜けしており、この日の終値はその5日移動平均線の上方にあります。
依然として上昇トレンドとみてよいでしょう。
8日(金)には8月の貿易統計が発表されました。
輸出(米ドルベース、以下同様)は5.5%増で、前月と比べ1.7ポイント悪化、市場コンセンサスと比べ、0.5ポイント下振れしました。
輸入は13.3%増で、前月と比べ2.3ポイント改善、市場コンセンサスと比べ、3.3ポイント上振れしました。
人民元高の影響を考慮する必要があるでしょうが、それにしても、輸入は市場コンセンサスを大きく超えており、内需の強さが確認されました。
人民元高は輸出には不利ではありますが、電機製品の価格支配力は高まっています。
ちなみに、2015年8月11日の為替制度改革以来、人民元安が続いた時期が長かったのですが、それが輸出の増加につながったといったこともありませんでした。
貿易収支については419億9000万ドルで前月と比べ47億5000万ドル減少しています。少し減ってはいますが、コンスタントに400億ドルを超えるといった状態が続いています。
9日(土)には8月の物価統計が発表されました。
消費者物価指数(CPI)は1.8%上昇で、前月と比べ0.4ポイント上昇、本土市場コンセンサスを0.2ポイント上振れしました。また、工業品出荷価格指数(PPI)は6.3%上昇で、前月と比べ0.8ポイント上昇、市場コンセンサスを0.6ポイント上振れしました。
総需要がしっかりしていることや、供給側改革の効果が現れていることなどが確認できる結果となりました。
株価については、上海総合指数も、創業板指数も少し調整気味となっていますが、利益確定売りのほかは、これといった売り材料は見当たりません。
10月に入ると、2日(月)から6日(金)まで、国慶節のため休場となります。
11日(水)には7中全会、18日(水)に5年に一度の共産党全国大会が控えています。
緩やかな上昇が続くといった見通しに変わりはありません。